レ・ミゼラブル・プレビュー公演に行ってきました。
新演出となった久しぶりのレミゼ、とても楽しみでした。
映画のレミゼに、より忠実です。セットがコンパクトになった感じです。その分、場面転換が細かいかもしれません。そしてよりリアルに感じます。
司教様の家、バルジャンの家、当然ですが扉があります。だから、バルジャンがマリウスに告白をして、コゼットを託し戻る時にはドアの中に消えていきます。それがまた、切ないんですよ。
映像も多く使われています。一番印象にのこったのは下水道のシーン。前作よりも、下水道って感じが十分に伝わってきます。
バリケードもコンパクトなのですが、迫力は十分あります。ガブローシュが亡くなるシーンが本当に切なくて、終演後も思い出して涙がでてしまいました。今回はガブローシュとグランテールの関わりがとても深く描かれていると思います。
私は今回の演出、好きです。とても丁寧に感じました。学生達のシーンでは、学生の声がたくさん聞こえてくるのも良いなと思いました。
カフェ・ソングの演出も好感が持てます。観劇される方も多いと思うので、あえて書きませんが前作の横1列に学生達が並ぶよりも、とても自然に受け取れました。
カーテンコールでバルジャンが、司教様に頭を下げるシーンがありました。約束を果たしましたって感じで・・・・切なかったです。
レミゼは、やはり素晴らしいです。悲しいお話ですが、希望を持てる、希望を持つことの素晴らしさを教えてくれる物語だと思います。
ジャン・バルジャン・・・吉原光夫さん
ジャベール・・・川口竜也さん
ファンテーヌ・・・和音美桜さん
エポニーヌ・・・平野綾さん
テナルディエ・・・駒田一さん
マダム・テナルディエ・・・谷口ゆうなさん
マリウス・・・山崎育三郎さん
コゼット・・・磯貝レイナさん
アンジョルラス・・・野島直人さん
井上ひさしさんの急逝で初日を迎えることが出来なかった『木の上の軍隊』を観てきました。
出演は藤原竜也さん・山西惇さん・片平なぎささんです。
原案・井上ひさしさん
作・蓬莱竜太さん
演出・栗山民也さん
その島で戦争が行われていた。激しくて酷い戦闘。敵、味方の区別もつかぬような夥しい死体。
その島には巨大な木があった。
追い詰められた二人の兵士が、その木へと上る。
鬱蒼と茂る枝葉は、二人を敵から上手く隠してくれた。と同時に、敗戦を二人から遠ざけた。
長い長い、木の上での二人きりの「戦争」がはじまる。(プログラムより)
舞台には、巨大な木が置かれています。セットが変わる事無く、休憩なしの1時間50分の舞台です。
せつない・・・・重いテーマ・・・でも、忘れてはならないこと。
上官の山西さんが、『敵が食べていた食料なんて、口にするな!非国民だ」と言います。でも、何かを口にしなければ、間違いなく餓死します。
新兵は藤原竜也さん。
戦争は終わりましたというチラシを拾ってきても、信じられない。そんなことを信じて、出て行ったら捕まって酷い目にあうと信じている。
人は強いけれど弱い。
戦争があったこと、忘れてはならない。
隣にいた年配の男性が、セリフを一つも聞き逃すまいと耳を傾けて舞台に集中している姿がとても印象に残りました。
外出先で持っていた本を読み終わってしまい、衝動買いした本です。
数日前に新聞で紹介されていて興味があった1冊でした。すっかりそんなことは忘れていたのですが、本屋でみつけた瞬間、「あっ!これ・・・」と思い出し、即買いです。
中町信さんの『模倣の殺意』。
読む進めるうちに不思議な感覚になりました。既視感があるんですね。
物語の中に、写真のトリックを崩す場面があるのですが、その写真のイメージがすぐに画像で思い浮かぶのです。
一瞬読んだ本?と思ったのですが、そうでなく2時間ドラマで観ていた・・・・・そう思います。ただ、いろいろ調べても、この本のドラマ情報がつかめなくて・・・・・絶対!!ドラマになっているとは思うのですが・・・・。そうでないと、こうもはっきり映像は出てこないですね。本当に不思議な感覚でした。
昭和48年に発行されたものの、斬新過ぎてその時代にはあまり読まれなかったようです。このたび、再び改定されじわじわと売れてきている1冊みたいなことが新聞には書かれていました。
確かに、面白いです。後半で『えっ!』『そうか!!』と納得します。『気がつかなかった~~』と、ちょっと悔しくなったりします。
帯にも書かれているように、この本のことは詳しく書けません。読む楽しみが全くなくなってしまうから~~。
予想通り、文句無く、堤真一さんに惚れて帰ってきました。
『今ひとたびの修羅』です。出演は堤真一さん、宮沢りえさん、岡本健一さん、小出恵介さん、小池栄子さん、浅野和之さん、風間杜夫さん、鈴木浩介さん、村川絵梨さん達です。
原作は「人生劇場」、任侠の世界のお話です。
飛車角の堤さんと、おとよの宮沢さんはせっかく所帯を持てたのに、ある事件がきっかけで、堤さんが警察に出頭するという。止めるのも聞かず、結局3年もの間、戻ってこない。その間に、おとよさんは、飛車角の弟分、宮川(岡本さん)と仲良くなってしまう。
昭和初期の頃の物語なのだけど、この時代の女性は一人で生きていく事が、想像も出来ないくらい難しいのだろうね。
そんな時代に、3年も一人でいなくてはならないのは、困難な事なのだろうな。待っててくれ・・・と堤さんが懇願するけれど、誰かに頼っていないと生きていけなかったのかな~~と解釈したよ。
今の時代なら、3年なんてあっと言う間、待てといわれたら頑張って待つだろうに・・・。
飛車角は3年後に出所して、全てを知っても許すんだよね。お互い未練はたっぷりあるだろうけど、一緒にはなれない二人。切なかったな。
飛車角とおとよの他に、瓢吉の小出さんと、お袖の小池さんの恋模様もあるんだけど、やはり堤さんと宮沢さんの存在感が大きいね。そんな中でも、小池栄子さんは美しかった。美しいだけでなく、心に秘めた強い思い、切ない思いが伝わってきたな。
小池さんとライバルとなる照代さんの村川絵梨さん。後半に瓢吉に見切りをつけて、別れを告げる。この方の気持ちも、とても切なかった。でも照代さんはものすごくカッコよかったよ。男前でした。だからなのか、瓢吉の小出さんが実に頼りなかった・・・・・。
風間さんは吉良常という親分さんの役、これがものすごくカッコよい。飛車角、おとよ、瓢吉、お袖のために動いて助言もする。とにかく素敵、任侠の世界の人だけど、とても品がよいと感じました。
ただね、吉良常さんは最後に拳銃で自殺してしまうのよね。この男心が理解できない。生きていても仕方のない社会・・・・と悟ってしまったのか・・・・でも、死なずに命を全うして欲しかった。
飛車角も吉良常さんの計らいで、やっとおとよと一緒になれるかと思ったら、宮川に義理を立てライバルの組に殴りこみをかけてしまう。でも、この組が悪で、おとよさんに対する仕打ちも分かったから一層やめられなかったのかもしれないけれど・・・・・全く!!と思ってしまったわ。
でも、最後の最後にもう一度やり直せそうな雰囲気だからよかった。今度こそ、おとよさんには待っていて欲しいと思ったな。
今日はラッキーな事に最前列。でも下手だったのだけど、ちょうど階段前だったこともあり、堤さん、宮沢さんが何度も目の前に立つ。もう最高の席でした。
堤さんが本当に素敵なのですが、殺陣のシーンはため息が出るほどカッコいい。ホレボレでしたしばらくハートが消えないと思う
浅野さんのセリフ『自分に嘘をついて、人は生きてはいけないよ』印象にのこりました。
鈴木浩介さん、登場するたびに笑いが出ます。熱演すればするほど大笑い。ごはんをかき込むシーンで、隣にいた堤さんが微笑んでしまう姿もばっちり観てしまいました。
義理と人情が主体の物語。今の時代には希薄になっているのかもしれない。