ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

読書22(魂手形)

2024-08-30 12:17:48 | 読書
宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ七之続、『魂手形』です。

第一話、火焔太鼓
 とある城下町、不思議な力で火災を制する。その不思議な力とは?
ラストは切ない物語でした。

第二話、一途の念
 団子売りの娘が語る、母の一途な物語。
一途なだけあり、理不尽にもこらえて生き、子どもを育て、幸せに終わるかと思ったら、これも悲しいお話。残された子ども達に幸あれと思う。

第三話、魂手形
 おばけが出てくる。夜読んでいると、後ろを振り向けなくなるし、夜中にふと思い出すと怖くなる。でも、このおばけにはおばけになる理由があって、そのおばけのための復讐劇。おばけが無事に成仏できて良かった。

このシリーズ、やめられません。
怖いけど、次を早く読みたくなる。
今回はラストに聞き役の富次郎に、不穏な出来事があるかもっていうところで終わります。
悪いこと、起きないと良いけれど…。

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観劇16(ヴォイサリオン)

2024-08-25 20:32:29 | 観劇
2度目の観劇。前回は2019年だったかな。

音楽朗読劇、『ヴォイサリオン〜ミスタープリズナー』を観劇してきました。

朗読劇は苦手なのだけど、この舞台は別格です。
なんと言っても、山寺宏一さん、林原めぐみさん、上川隆也さんが素晴らしい。

物語にどんどん引き込まれていきます。

ロンドン塔の地下3階の牢獄に閉じ込められているエドワード(山寺宏一)。声を聞いたもの、話をしたものは操られるから、話してはいけないと言われる。そんなエドワードの牢屋番は耳の聞こえない老人。

ところが、この老人はなくなってしまう。残されたのは13歳の孫娘レス(林原めぐみ)一人。祖父が死んだことがわかると、追い出されて住む家が無くなる、ということで、祖父は生きていることを装う。

そんな中、エドワードに食事を運ぶレス。ひょんなことから会話が始まり、エドワードはレスの先生となる。

教育とは、学ぶということは、などなど、たくさんのことを教えるエドワード。

上川隆也さんは大きくなったレスからエドワードのことを聞き取る作家役。ある意味、ストーリーテラーですね。

エドワードとレスの別れの場面は、泣けてきました。

エドワードは何も悪いことはしていないのに、牢屋に入れられる。言葉を交わすと操られるという偏見。こんな理不尽なことはないと思ってしまいます。

山寺宏一さんは9役。
林原めぐみさんの落ち着いた声が本当に心地よいです。
上川隆也さんはエドワードを執拗に追い詰める役もしていましたが、ラストはレスのためにエドワードとの最後の別れを許します。

ピアノ、チェロ、バイオリン、パーカッションの演奏が、一層物語の深みを増していました。
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観劇15(母と暮らせば)

2024-08-22 18:15:13 | 観劇
こまつ座の『母と暮らせば』を観劇してきました。

富田靖子さんと松下洸平さんの二人芝居です。
もう何度か観劇しているのですが、観劇するたびに感じ入るところが変化しています。

長崎の原爆で息子を亡くした母のもとに息子が帰ってくる話なのですが、(吉永小百合さんと二宮和也さん主演の映画でも有名ですよね)悲しい話だけでなく、親子のやりとりの中にたくさんの笑いが散りばめられています。

こんな会話をしている親子を引き裂いてしまった戦争。一層、切なくなるし、なぜ?戦争をしなければならなかったのか…と感じてしまいます。

後半で息子である松下さんが、自分の亡くなったときのことを独白します。そして、親子の会話の中で、もし生きていたらという話がそこにつながっていきます。

大勢の亡くなった人達には、たくさんの夢とやりたいことがあったはず…それを改めて思い知らされた舞台でした。

けっして難しい内容ではありません。
たくさんの人に観てもらいたい。切に思います。
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読書21(黑武御神火御殿)

2024-08-20 16:57:42 | 読書
宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ、第六巻『黑武御神火御殿』です。

このシリーズ、やはり怖いです。
今回は
泣きぼくろ

姑の墓

同行二人

表題の黑武御神火御殿の4話です。

これで31話が終わりました。

5巻までは聞き役は、おちかでしたが、この巻からは三島屋の次男、富次郎に引き継がれています。おちかはお嫁入りしてしまったからね。

黒武御神火御殿は、とある屋敷に迷い込んでしまった六人の話。どうしても、その屋敷から出ることができない。どうやったら出れるのか、あれこれ探索しているうちに一人ずつ殺されていく。生き残るのは…誰?そしてこの屋敷の秘密は?
三島屋に届けられた印半纏から話が始まるのだけど、けっしてハッピーエンドにならないところが、リアルであり一層怖さを増幅させるのかもしれない。
それにしても、よくこんな話が書けるなぁ〜。書いていて怖くないのだろうか…などと、どうでもよいことを思ってしまった。

百物語だから、まだまだ続くわね。
楽しみ〜
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観劇14(八月納涼歌舞伎)

2024-08-04 23:37:14 | 観劇
『八月納涼歌舞伎』の「第三部 狐花」を観劇。
歌舞伎座に到着して知った本日初日(笑)


脚本は京極夏彦さん。

いわゆる復讐の物語。
結論から言うと、歌舞伎という名のストレートプレイだったように感じる。

ある一家を襲う四人組。
事前に赤ちゃんを家のものに託して逃がす母親、美冬(市川笑三郎)。四人組の一人はこの美冬に横恋慕して一家皆殺しを計画。

それから25年。

彼岸花を深紅に染め付けた着物をまとった美しい青年、萩之介(中村七之助)が現れる。しかし、この男はこの世にいるはずのない男だった…


萩之介の騒動に絡んで自らの過去の悪事と何かかかわりがあるのではと警戒する上月監物(中村勘九郎)。

そこに憑き物落としを行う武蔵晴明神社の宮守、中禅寺洲齋(松本幸四郎)が現れる。

四人組のメンバーは次々と殺害され、残すは監物一人。

ラストはどうなるか…


途中で逃がした赤ちゃんは七之助さんでは?と思ったのですが、違いました。
七之助さんは美冬と監物の間に出来た子どもで、双子の兄。妹は雪乃(中村米吉)。

母親である美冬さんは監物に捕らえられ、牢屋に閉じ込められたまま亡くなります。七之助さんは復讐をしようと画策するのですが、ラストは妹とともに殺されてしまいます。

この時点で逃がした赤ちゃんは松本幸四郎さんなのか〜とわかりました。憑き物落としがどう立ち向かうかが見どころです。

中村勘九郎さんの悪役、初めて観ました。本当にとんでもなく悪いやつです。

娘の中村米吉さん、みごとにきれいな方でした。本当に女性かと思ってしまうほどです。

七之助さんは変わらず、美しかったです。

全体を通して彼岸花が良いアクセントになっていて、不思議な世界観を出していました。

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