さだまさしさんの「かすていら」です。
読み始めてすぐに驚いたのは、登場人物は実名であること。
内容は亡くなったお父様のことです。本の帯にもありますが、自伝的実名小説ですね。
さださんのお父様のことについては、コンサートのトークでもたびたび話されていたのですが、こうやって改めて文字にすると、本当に肝が太い、豪快な方だなと思います。
さださんは、お父様の事を実に冷静にとらえています。
たとえ親子であっても人間ですから、嫌な部分ももちろんあるわけです。それが反面教師という状態になっているんでしょうね。お父様の嫌な部分も正直に書いてあるわけですが、最後まであたたかいお話だと思います。途中、何度か泣かされました。
それにしても、さだ家のエピソードが豊富!!自分に置き換えた時、家族の歴史をこんな風に語れないな~~。
生まれた時から、父と母だったから、私が生まれる前の両親が、どんな若者だったかなんて・・・・分からないもの。両親がいて、私がいるのだから、そんな事を知っておくのいいのかもしれないな~~。でも、聞けないわ(笑)
さださんのお父様は晩年、コンサートによく来ていて、開演前、終演後に必ず入り口で頭を下げ、来場者に挨拶されていたのです。さださんファンにはとても馴染み深く、知らない人だけど知っている存在。
だからこそ、この本はとっても切なかった。
思えば、薬師寺のコンサートの時も後ろに座ってらしたな~~。
さださんのトークを、いつもにこにこ笑いながら聞いていたなぁ~~~。
家族のあたたかさを感じる本でした。