『二都物語』を観てきました。
出演は井上芳雄さん、浦井健治さん、橋本さとしさん、すみれさん、今井清隆さん、福井貴一さん、宮川浩さん、岡幸二郎さん、濱田めぐみさん達です。
悲しい、切ないお話でした。特に2幕目は後半、とても辛くって涙がこぼれました。
時代背景はフランスが一番混沌としていた時代、貴族というだけで裁判にかけられ処罰、死刑宣告を受けてしまう。
物語の終幕で、ただお針子として貴族に仕えていた女性までもが死刑となる姿が悲しかったです。
物語は・・・
浦井さん演じるチャールズ・ダーニーは、叔父のテヴレモンド公爵(岡さん)の横暴に反発し、亡命貴族としてイギリスへ渡ります。その船の中でルーシー(すみれさん)と出会います。
ルーシーは17年間バスティーユに投獄されていた父のドクター・マネット(今井さん)が、居酒屋を営む夫婦に(橋本さん、濱田さん)保護されていると知り、パリへ向かい再会し帰路の途中でした。
ところが、チャールズは叔父の指示を受けたバーサッド(福井さん)により、スパイ容疑をかけられ裁判に・・・・。それを救うのが酒びたりの弁護士シドニー・カートン(井上さん)。
カートン、ダーニー、ルーシーは親交を深め、ダーニーとルーシーは結婚。密かにルーシーを愛していたカートンは、2人を想い身を引きます。
しかし、ダーニーは昔の使用人の危機を救おうと祖国フランスに戻り、フランス革命により蜂起した民衆達に捕らえられてしまいます。そして下された判決は死刑・・・。
ダーニーとルーシーの幸せを願うカートンはある決心をして、牢獄へ向かいます・・・。
(以上、プログラムより抜粋)
最初にスパイ容疑をかけられての裁判で、船上で会っていたのは、浦井君ではなく井上さんではなかったか・・・と弁護側に言われ無罪になっています。だから、この2人は似ているという設定。
それを利用して、井上さん(カートン)は身代わりとなるのです。決意した時のセリフ・・
『これは僕が今までしてきた何よりも、ずっとずっと良いことなんだ。この先には、僕が今まで知らなかった、ずっとずっと素晴らしい安らぎがある。』
本当に切なかったです。何とかならないものなのか・・・と、思ってしまいました。
岡さん演じる公爵が、本当に本当に悪い人でした。腹が立つほど悪い人です。
濱田さんは、貴族に対する復讐に燃える女性。貴族を許せない理由もわかるのですが、それを止めるのが夫である橋本さん。『どこが終わりなんだ。どこまでが終わりなんだ。』と復讐の連鎖を止めようとします。
濱田さんは悲しい結末を迎えてしまいます。歌声は力強く、とっても素晴らしかったです。
今井さん、またもや娘を必死に守ろうとする父親役。ジャン・バルジャンとだぶってしまいました。その娘のすみれさん、歌声よかったです。ただ、セリフが片言の日本語になってしまうのが残念でした。
ルーシーの乳母役の塩田朋子さんがとても存在感があり、印象に残りました。
開演前に後ろのおばさまが、泣けてくるからハンカチ用意しないととつぶやいた意味がよくわかりました。
良い舞台だったのですが、私・・・・・またもや・・・やっちゃいまして。
腹痛を起こし、1幕途中でトイレへ。
普段から便秘なのですが、夏は特にひどくなり、それが続くと壊れるのですね・・・・よりによって観劇中。夏は本当に用心しなくては・・・と再度思いました。