ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

読書18(母の待つ里)

2022-08-27 15:00:09 | 読書
浅田次郎さんの『母の待つ里』です。

物語のベースの発想が面白い。こんなことあり?と思ってしまった。

年会費35万円のカード会社が行なうオプション。1泊50万であなたの故郷に帰れます。故郷には母が待っているわけです。
行ったこともない町に(村かな?)到着すると、町人が幼なじみになりきり、接してくれる。
「久しぶりに帰ってきたから、家の道忘れただろう」と、自宅を教えてくれる。
自宅には年老いた母が待っている。

この母がとてもあたたかい人で、母親になりきって接してくれる。

大会社の社長で家族はおらず孤独を感じている男性、独身で母を看取った女医、定年を迎え、これからを家族でと思っていたところに、妻から離婚をされる男性。この三人の故郷、母への思いが描かれています。

最後にどうなるのかと思いつつ読んでいてのですが、ラストには優しかった故郷の母が亡くなります。奇しくも、お通夜でこの三人が一堂に会します。
それぞれの思いを抱えて終わるのですが、いろいろ考えさせられる本でした。

人は一人では生きていけない、自分を励まし、包み込み受け入れてくれる場所、人が必要であり大切なことなんだと改めて思いました。
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観劇14(八月納涼歌舞伎)

2022-08-20 23:34:16 | 観劇
「八月納涼歌舞伎」に行ってきました。第三部の『弥次喜多流離譚』です。

前日の19日公演がコロナのため中止。20日の公演実施は19日の夕方に決定って…ほぼダメだなと思っていたのですが、代役で上演となりました。


十分面白かったです。

同じ舞台に出ていたとしても、急な役替りは大変だろうなあと思います。たった一晩で別な役ですものね。

だからと言うわけではないですが、ハプニングもありました〜。つぼふりのサイコロが飛んでしまったりとかね。客席はあっと言う声とともに大爆笑でした。

セリフの中でも、「代役ですから〜」と言ったり…。

滝の中でのたちまわり、水の量がすごかったです。
客席2列目くらいまではビニールシート使っていましたね。

宙吊りも何度かあり、スーパー歌舞伎ってこんな感じなのかな?と思いました。

基礎があってこその、型破りなんだろうな~と実感しました。

歌舞伎にしては珍しくカーテンコールのあと、弥次さん、喜多さん二人が登場し、猿之助さんがご挨拶されていました。
代役での公演について話され、今後も日常茶飯事と言われてましたが。このご時世、冗談とは言えないですね。



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読書17(ささらさや)

2022-08-10 15:16:09 | 読書
加納朋子さんの『ささらさや』です。
「いつかの岸辺に跳ねていく」を読んで加納朋子さんに興味を持ち読んでみました。
あたたかいお話ですね〜加納さんの本、まだまだ読んてみたいです。

物語は子どもも生まれて幸せの絶頂にいるさやの目の前で、夫が交通事故で亡くなってしまうところから始まります。

さやは人見知りも強く、すぐに涙がこぼれる、とてもか弱そうな女性。夫の実家に子どもを取られそうになり、引っ越しと言う形で逃げてくる。
そこで知り合ったヤンキーなエリカさん。その子どものダイヤ君。
おせっかい過ぎるおばあちゃんトリオ、お夏さん、久代さん、珠子さん。この人達に助けられて再生していくのです。

亡くなったご主人は常に見守っていて、ご主人が見える人だけに一回だけ入り込むことが出来る。何度か助けてくれるのだけど、いずれは別れが…でも、それはさやが自立出来るという証拠。
いい話だったなあ。
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観劇13(ミス・サイゴン)

2022-08-09 18:46:27 | 観劇
何十年ぶりで『ミス・サイゴン』を観劇。

新演出は観たことなかったので、新鮮な気分でした。
舞台セットも随分変わったんですね。

そしてそれぞれの心情がとても丁寧になっていると感じました。
2幕目のエレンとキムのやり取りでは、それぞれの気持ちがすごく伝わってきました。
エレンの「クリスとの子どもが欲しいの」の一言は、キムにとっては辛い。
キムはその一言で自分の運命を決めてしまったのではないかと思っちゃいました。

ラストのシーンでジョンに促されたとはいえ、エレンがタムをしっかり抱きしめるシーンは良かった。

確か以前は呆然とするだけで、エレンが抱きしめるシーンはなかった気がします。
なんかあのシーンで、タムは幸せになれるのでは?と思いました。以前の演出ではそれが確信出来なかったから…。

今回は東山義久さんのエンジニアが観たくてチケットを取りました。
東山エンジニア、軽薄さ、したたかさ、似合っていました。
アメリカンドリームのアンサンブルとのダンスシーン、かっこよかった。踊れるエンジニアです。

キムは高畑充希さん、やっとクリスと会えると知った喜び、そして結婚したことを知った落胆。ひしひしと悲しみが伝わってきました。
ジョンは上原理生さん。
エレンは知念里奈さん。
クリスはチョサンウン。
トゥイは西川大貴さん。トゥイも切ないよね、思いが一方的になって…。

戦争があったこと、戦争は悲しみしか残さないこと、忘れてはいけないこと、切に思いました。
タムは藤元萬瑠くん。カーテンコールでのタムの可愛らしさが救いでした。

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