『薮原検校』の話です。観ている人でないとわからないマニアックな話です。
蜷川さん演出の舞台は、セットが面白いといつも思います。
昨日はロープを格子状に張りめぐらせて、道はもちろん、橋になったりその場面で変化をつけていました。格子状の真ん中が、ある時は部屋になったりするのですが、大きいセットがなくても十分想像出来るのですよね。こういう、観ている側の想像力を大切にする舞台って好きだし、面白いな~~と思います。
壌晴彦さんは、ストーリーテーラー・・語り部となり、舞台上手でずっと進行していきます。極悪人の話とわかっていたので、とてもどろどろしていると思ったのですが、この語り部の存在で、とても分かりやすかったです。
そして、役者さん達は大きく衣装が変わらない限り、格子状の端・・舞台上にいて効果音をしたりします。出番になると中央に出てくるわけですが、場面切り替えは暗転した時です。暗転すると殺されていた人も、すくっと立ち上がり端に戻るのが、なんとも不思議な感じでした。
長い芝居でしたが、笑いがあちこちあり、楽しめました。
10人の役者さん(語り部、壌さんを含む)が、いくつもの役を演じます。殺されていなくなっても、違う役で必ず出てきます。その役ごとに、雰囲気が変わるのはさすがですよね。
客席で鈴木杏さんを見つけました。目がくりくりで、可愛い人ですね。