浅田次郎さんの『降霊会の夜』です。
読み始めは、ん?浅田次郎さんらしくないかもと思ったのですが、すぐに浅田ワールドに入りました。
長く生きてきて悔悟のないはずはないと言う主人公。
小学校の同級生である清を思い出します。
とあることから、降霊会に参加する。
清を思い浮かべるものの、現れたのは生霊。
次は清の父親。そして最後に清。
ちょうど東京オリンピック少し前の話。戦後からの復興で街がにぎやかになっていく。はたして復興と人々の幸せは同じなのか…。
イヤイヤ、復興の裏で苦しんでいる人がいる。その一人が清家族。
闇市からうまい具合に、のし上がった主人公の父親。何をしてもうまくいかなかった清の父親、戦争がもたらしたものは、終戦後もまだまだ続いている。
清は当たりやで金を稼ぐという方法で、最後に亡くなってしまう。こんなに辛いことはない。そして父親も母親もあとを追うように死を選ぶ。
本当に復興なのか、と訴えっている気がした。
後半は、主人公が学生時代の話になる。学生運動が盛んな頃の、恋愛模様。
これも決して幸せな結末ではない。
『人間は、嫌なことを片っ端から忘れていかなければ、とうてい生きてはいけない。でもな、そうした人生の果ての幸福なんて、信じてはならないと俺は思う』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/18/5d7f9d97a36f1a0c535c1027bf505119.jpg)
読み始めは、ん?浅田次郎さんらしくないかもと思ったのですが、すぐに浅田ワールドに入りました。
長く生きてきて悔悟のないはずはないと言う主人公。
小学校の同級生である清を思い出します。
とあることから、降霊会に参加する。
清を思い浮かべるものの、現れたのは生霊。
次は清の父親。そして最後に清。
ちょうど東京オリンピック少し前の話。戦後からの復興で街がにぎやかになっていく。はたして復興と人々の幸せは同じなのか…。
イヤイヤ、復興の裏で苦しんでいる人がいる。その一人が清家族。
闇市からうまい具合に、のし上がった主人公の父親。何をしてもうまくいかなかった清の父親、戦争がもたらしたものは、終戦後もまだまだ続いている。
清は当たりやで金を稼ぐという方法で、最後に亡くなってしまう。こんなに辛いことはない。そして父親も母親もあとを追うように死を選ぶ。
本当に復興なのか、と訴えっている気がした。
後半は、主人公が学生時代の話になる。学生運動が盛んな頃の、恋愛模様。
これも決して幸せな結末ではない。
『人間は、嫌なことを片っ端から忘れていかなければ、とうてい生きてはいけない。でもな、そうした人生の果ての幸福なんて、信じてはならないと俺は思う』
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