ひぐらしのなく頃に 業:これまでの共通項より祟騙し編の展開を予測してみる

2020-11-25 12:30:30 | ひぐらし

前の記事で鬼騙し編と綿騙し編の共通要素を抽出したので、それを元に今回は祟騙し編の展開を予測してみることにしよう。

 

【共通要素】

1.犯人(正確には主犯)は全て女で、家族関係をこじらせて症候群を発症する

現時点で犯人が全て女である点は、旧作との大きな違い(祟騙しでそれが引っくり返るのか否かも注目すべきポイントの一つ)。そしてEDテーマが象徴するように、レナは父親との関係性(旧作通りなら間宮リナと北条鉄平が原因だが)、魅音は園崎家との軋轢(祟りの執行への拒否感)から症候群を発症し、凶行に手を染めたのであるように見える(となると次の予測は簡単だ)。

ちなみに、OPでは部活メンバーが誰とも目を合わせず、EDテーマでは家族同士で誰も目を合わせていない点も興味深い(唯一の例外が梨花と羽入だが、現時点では「嘲笑った」描写があるように、その羽入も信頼できる存在が微妙)。

 

2.沙都子だけが極めて似た死に方をしている

メインキャラ=部活メンバーはまだ二つしか話が語られていないにもかかわらず、その死に方は大きく異なっている(そもそも死なないことさえある)。しかし、北条沙都子だけが相討ちにも思える極めて似た死に方をしており、これは彼女の何らかの特殊性を示しているのではないか(すでに述べた通りだが、沙都子が相討ち[or心中]を連想させる形で死んでいるのは旧ひぐらしの憑落し編にも見られる)。

共通した死に方と言えば、旧ひぐらしでは富竹のそれであり、そこには強固な意思を持った鷹野=ラムダデルタの存在があった。

とするなら沙都子の共通した死に方もまた、そういうレベルの現象として考える必要があるし、(おそらく沙都子にスポットライトを当てるであろう)祟騙し編での描写が注目される。

 

3.「リバーシブル」と「解釈違い」

鬼騙し編では、鬼隠し編で被害者だったレナが圭一を殺害しようとする加害者に転じ、また彼女が拷問器具を準備するという旧ひぐらしからは唐突に思える描写が見られ、これを私は「リバーシブル」と「解釈違い」と表現した。そしてそれを元に綿騙し編も同じ要素を持っているのではないかと予測していたわけだが、案の定その通りになった。

具体的には、綿流し編&目明し編で被害者だった魅音が加害者になるという「リバーシブル」が生じ(少なくとも今のところ、旧ひぐらしのように二人が入れ替わったという根拠も必然性もない)、また旧ひぐらしでは部活メンバーを決して傷付けなかった魅音が凶行に手を染めるという「解釈違い」も見られた。

このことからすれば、祟騙し編でもこの要素が継承される可能性が高い。

 

4.信頼が裏目に出る

これは3とも深く関わっているのだが、鬼騙し編・綿騙し編とも圭一はレナと魅音を信用して裏切られ、そして梨花はこれまで通りの世界観を信じて圭一をフォローした結果、別の人間が暴走するということが起こっている。

 

5.圭一が死んだ描写がない

鬼騙し編は祟殺し編のラストを思わせて圭一の生存は微妙なところだが(注射の中身は「ノドカキムシール」かなw)、少なくとも綿騙し編は生存が確実視される(ちなみに旧ひぐらしでは綿流し編も確実に死んだかは記述がないが、目明し編を鏡として考えれば、そこでも彼は心臓発作で死んでいると考えるのが自然だろう)。

この点は、鬼騙し編でレナからあれだけ刺されて大量出血しても生存したというかなり不自然な描写からも、「前原圭一は生存する」という強固なルールが存在している可能性すらある(そしてこの不自然な描写が「ひぐらし 業」の世界を虚構内虚構ではないかと疑わせる一つの要因ともなっている)。

マニュアル34号の発動と大災害を想定する人もいるかもしれないが、梨花の死から結構な時間が経って彼女が発見されていること、また圭一と大石の会話で一度も大災害の話が出ていないことから、マニュアル34号は発動していないと考えるのが妥当だろう。

何が言いたいかというと、鬼隠し編~皆殺し編(暇潰し編は前日譚なのでもちろん除外)で共通することとして前原圭一の死があり、それが起こらない綿騙し編は極めてイレギュラーな話であるということだ。

ただし、繰り返しになるがこれが鬼騙し編と綿騙し編の共通項であるとまでは断言できない状況である。

 

【以上を踏まえた祟騙し編の展開予測】

・祟殺し編同様に北条鉄平が雛見沢に帰ってくる→沙都子が精神を病む
祟殺し編では間宮リナが園崎家に捕まって拷問の末に死亡し、生活の糧がなくなった鉄平が雛見沢に帰ってきたためだったが、今回も似たような背景かまでは不明。

 

・その様子を見た梨花が、鉄平絶対殺すマンになった圭一にフォローを入れ諫める
視聴者=圭一視点なためそう見えるだけなのか不明だが、鬼騙し編でも綿騙し編でも梨花は圭一をフォローする(結果として惨劇を防ごうことする)動きが目立っている。

 

・旧ひぐらしでは精神を病むだけだった沙都子は、ストレスが嵩じて症候群を発症し、鉄平を殺害する
祟殺し編で基本被害者(圭一の突き落としもあるので一応こう表現)だった沙都子が加害者側にリバースする。ちなみに鉄平を殺す役割をするのは、旧ひぐらしでの梨花の説明によると圭一/レナ/詩音のいずれかであり、その意味でも沙都子が鉄平を殺害するのは「解釈違い」と言える。

 

・富竹/鷹野がどうなるかは不明
ここで二人の行方不明扱い(特に富竹の死が露見しないこと)が続くなら、沙都子の死に方と同じで「ひぐらし 業」の世界での強固なルールの一つとみなせる(そして仮にそうなった場合、鷹野≠ラムダデルタはほぼ定説化してよく、大災害が存在するか否かも含めて「ひぐらし 業」の世界の大きなルール変更と考えられる)。祟騙し編で入江が登場することは先行発表から明らかになっており、そうなると悟史についての言及も含め、二人のことが彼の口からどう語られるのかは注視すべき部分だろう。

 

・ともあれ、梨花のカバーリングは今回も必然的に失敗する
この話は何回もしているが、梨花が今いる「ひぐらし 業」の世界を「以前いた旧ひぐらしの世界とゲームルールが違うらしい」と気づかないことには、永遠にLOSTから逃れられないだろう。

 

・梨花が沙都子により殺される
この辺はどうも予測しにくいが、鉄平を殺した後、帰巣本能(?)で古手家に戻ってきた沙都子を梨花は(これまでにない世界線なので)戸惑いながら匿うが、すでに疑心暗鬼になっている沙都子は梨花を殺害する、というところか。

 

・暴走する沙都子を止めようとして、レナが相討ちになる
なぜ彼女かと言うと、沙都子とまだ相討ちになってない女性の部活メンバーはレナだけなため(圭一は死なないというルールを定式化するとこうなる)。

 

・圭一が「誰か説明してくれよぉ!」と叫んで全てが終わる
まあこの文言はネタとしても、圭一が死なないという現象がほぼ固定化することは大きい。

 

【それを踏まえて考察というか妄想】

というわけで予測を書き散らしてみたが、さらにこれを元にして「ひぐらし 業」の世界に存在する上位のルールを考えてみると以下のような感じか。

 

A:沙都子こそがラムダデルタの可能性

富竹の死=鷹野の意思に強固なルールが見いだせず、一方で沙都子に強固なルールが存在しうる以上、こういう発想になる。ただし、梨花のハッピーエンドを阻む元凶かまでは不明。

 

B:なぜ沙都子はラムダデルタ(あるいはそれに近いメタ的な存在)となっているのか

Aの想定を元にして沙都子にフォーカスしてあれこれ思い出してみると、彼女は祟殺し編で古手神社に忍び込んでオヤシロ様のご神体を傷つけてしまったという「罪」を背負っている(と少なくとも彼女自身はそう認識している)。この案件が彼女とオヤシロ様を結び付け、沙都子をして梨花に類似のループ的存在たらしめているのではないか?

「ひぐらしのなく頃に 業」という題名からもわかる通り、そこには「前世の罪」という観念が見て取れる。ではこの「業」とは何かを考えた際に、今述べた北条沙都子の罪、もしくは彼女が抱えている罪の意識がこの世界に深く関係しているのではないか、ということだ(するとOPの最後で祭具殿?とも思える場所で発見するカケラはこの案件と関わっている可能性がある)。

あるいはそういう設定で二次創作者が書いております的な話か(この場合は「うみねこ」的な虚構内虚構)。である可能性を含めてまあこう考えることも一応できそうだ。

 

C:ひぐらしの世界構造に影響を与えられる人物とは??

これはもうアウローラ、ラムダデルタ、ベルンカステルなわけだが、そうなるとこの世界はBで述べた事故(?)の影響でアウローラ=羽入とラムダデルタ=(この世界では)沙都子が結びつき、ベルンカステル=梨花をループの中でリザインさせようとするゲームなのかもしれない。

 

D:加害者と被害者のリバーシブルを高次元に適用すると・・・(cf.うみねこの世界構造)

これは「うみねこのなく頃に」を強く意識した場合だが、むしろ「どの話でも被害者である人間こそ怪しい」、という理屈になる。そうすると、最初の鬼隠し編的描写でバットを振り降ろしていた圭一、あるいは旧ひぐらしでも「ひぐらし 業」でも被害者であることがあらかじめ運命づけられている梨花こそ実は加害者側ってこともありえるのか??

ただこれは沙都子の件に比べると妄想の域を出ませんな(・∀・)

 

【その他思うこと】

まあ問題は、A・B・C・Dのごとき要素で世界が作られていたとして、So what?ってことなんだよね。はっきり言って、ある程度ひぐらしやうみねこの世界にどっぷり浸かっていた「考察厨」的(ワイみたいな人間のことなw)にはまあ楽しめる部分もあるが、そこには古手梨花を始め様々な人間が惨劇から逃れようと必死に闘う姿を描いた「ひぐらしのなく頃に」のような群像劇もなければ、「うみねこのなく頃に」であったような縁寿・ベアトリーチェの祈りにも似た創作活動もない。あるのはただ、「思考遊び」である。

率直に言ってしまえば、そのような「思考遊び」を旧ひぐらしより約15年の時を経てから開陳することで、ひぐらしの評価が上がるようには全く思えないし、あえてメタ的な視点を入れれば、その程度のことがわからない製作者サイドとも考えにくいんだよねえ(実際ここまでの話の展開はよくできてるし)。

 

ということで、物語のパズル的にはまあこんな感じかねえと思いながら、どうもしっくりこない感情を覚えつつ、祟騙し編第一話を迎えるわけであります。


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