「ひぐらしはラノベ化した」とよく言われているようだが、私は「ラノベ」という枠組みにはめるのは危険だと思う。
そもそも「ラノベ」、すなわちライトノベルとはどんなものだろうか?もちろん個々人で考えに違いはあるだろうが、「ライト」という単語からそれが「軽い」という性質を付与されているのはまず間違いないだろう。
だが、果たしてひぐらしは軽いのだろうか?言い換えれば、拷問や虐殺が直に描かれるゲームでも軽いというのか?もっとも、以下のように反論する人がいるかもしれない。すなわち、「少年文庫といったものにも殺人などは出てくるから、拷問や虐殺があることを以って非ラノベとは言えないだろう」と。偏りはあるが、まあ間違ってはいないと思う。確かに拷問や虐殺があること「だけ」を取り上げてラノベではないと言ってもやや説得力を欠くだろう。しかしながら、ひぐらしの虐殺は単なる虐殺ではなく南京事件という明確な問題意識、メタファーが存在する。つまりそこには社会問題への意識が明確に働いているわけで、だとすればやはり「ひぐらし≒ラノベ観」は成立しえないのではないだろうか(なお、拷問はホラー的演出としての効果・必然性がある)。また、そういった戦争がらみのものだけでなく、DV、離婚、国土開発、ムラ社会のあり方など様々な社会問題が影に日向に表れているのだ。
その事実を考えたとき、「ひぐらし≒ラノベ」観は、この作品に込められた問題意識をぼかしてしまうのではないか?という危惧を覚えずにはいられない。それゆえ、そういった枠組みは意識的に避けるべきだと思うのである。先日突然に「ひぐらしと虐殺」という記事を書いたのは、ひぐらしの内容が何の影響を受けたのか明らかにするよりも、むしろ虐殺が過去の戦争と繋がっているのを指摘することによって、「ラノベ」という見方がそういったひぐらしの重要な側面を見えにくく、あるいは覆い隠してしまいさえすることを暗示したかったのだと強調しておきたい。
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画像の著作権は7th Expansionに属します。
そもそも「ラノベ」、すなわちライトノベルとはどんなものだろうか?もちろん個々人で考えに違いはあるだろうが、「ライト」という単語からそれが「軽い」という性質を付与されているのはまず間違いないだろう。
だが、果たしてひぐらしは軽いのだろうか?言い換えれば、拷問や虐殺が直に描かれるゲームでも軽いというのか?もっとも、以下のように反論する人がいるかもしれない。すなわち、「少年文庫といったものにも殺人などは出てくるから、拷問や虐殺があることを以って非ラノベとは言えないだろう」と。偏りはあるが、まあ間違ってはいないと思う。確かに拷問や虐殺があること「だけ」を取り上げてラノベではないと言ってもやや説得力を欠くだろう。しかしながら、ひぐらしの虐殺は単なる虐殺ではなく南京事件という明確な問題意識、メタファーが存在する。つまりそこには社会問題への意識が明確に働いているわけで、だとすればやはり「ひぐらし≒ラノベ観」は成立しえないのではないだろうか(なお、拷問はホラー的演出としての効果・必然性がある)。また、そういった戦争がらみのものだけでなく、DV、離婚、国土開発、ムラ社会のあり方など様々な社会問題が影に日向に表れているのだ。
その事実を考えたとき、「ひぐらし≒ラノベ」観は、この作品に込められた問題意識をぼかしてしまうのではないか?という危惧を覚えずにはいられない。それゆえ、そういった枠組みは意識的に避けるべきだと思うのである。先日突然に「ひぐらしと虐殺」という記事を書いたのは、ひぐらしの内容が何の影響を受けたのか明らかにするよりも、むしろ虐殺が過去の戦争と繋がっているのを指摘することによって、「ラノベ」という見方がそういったひぐらしの重要な側面を見えにくく、あるいは覆い隠してしまいさえすることを暗示したかったのだと強調しておきたい。
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だから、中高生が読んで「ああ、面白かった」ということを主目的とするラノベとは違うのは確かです。(でも結末はラノベ的ですが・・)「『ひぐらし』は話題を提供しているだけ」と竜騎士はTVで言っていましたが、そのとおりで、「ひぐらし」から何をキャッチして考えを深められるのか?ということを「ひぐらし」は要求している作品だと思います。
ギーガさんや今私が書き込んだようなことを私が以前公式板に書いたら叩かれました。というのが私が公式板から撤退した真相です。
昔「喉を掻き毟る薬」について科学的知識を披露しながら延々と議論を戦わせている記事を見ながら独りよがりだなあと苦笑したことはあります。でも、戦争との関連などについては「東京」や731の話から明らかなのに…
「人は見たいものを見る」というのは恐らくこれからも変わらないのでしょうが、作品の持つ多様性を無視し、人にもそれを押し付ける人間がいるのは悲しいことですね。