テンガ分け目の戦い

2019-12-29 11:46:00 | AI
井中之蛙不知他者然知天我深   作:嗤嗤嗤
 
 
「VRテンガ」という人間のオルタナティブが現出した時、これを大いに利用する層と固辞する層に分かれると想定される。なるほどVRテンガはそれに関わる人間を阿片中毒のようにしていくという点で世界の解体に貢献するだろう。しかしそれ以上に、「人間」という曖昧模糊としているがゆえに幻想として成立していた同朋意識も剥落していき、近代社会という擬制が生み出した人類の統合は潰え、再び「分断」されていくに違いない(これが新反動主義や加速主義と呼ばれるものに関係していくる)。まさしくテンガ分け目の戦いが始まるわけである(・∀・)
 

こうした中で、人間への期待値も仲間意識も急減する一方、性能が向上するAIへの信頼性はますます高まり、これも分断を促進する(今でも、他人よりペットの方に愛着が湧く人間など容易に見つかることを考えれば、想像に難くない話である)。
 
 
というわけだから、いつも強調しているように、AIに関する正しい認識も重要だが、人がそれにどういう期待をするのか、つまり幻想のあり方にも注意しなければならない(単に正しい歴史のことを話せばよいわけではなく、偽史についてもその思想的・戦略的背景を知る必要があるのと同じだ)。またそれに伴い、人間観の方がどのように変化していくのか&社会がどのような変容を被るのか(人間観と社会の関係として、人間理性への信頼が熟義や議会制民主主義を成立させたというのもその一種だが、他にも今日では当然のように思われている生存権を始めとする人権も、歴史的に構築されたものに過ぎない、といったことなどがある)、といった点についても考えていかねばならないと思う次第である。

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