なんだかんだ
確かにあの描写が削除されたのは、個人的に勢いと説得力を損なわせるものだった。
とはいえ、組長の最期の描写からもわかる通り、やはり には配慮せざるをえない。
全体としては、素晴らしい出来栄えだった。
躍動感。色があることの瑞々しさ。
ルイの発言。ジュノの発言。お題目。
そうじゃあない。「言葉の自動機械」というのとは全く逆のこと。
身体性・個別性。割り切れない葛藤。そのテーマに説得力を持たせる意味でも、アニメという媒体あるいはその描写力は有効。
作者の板垣ハル。
一見するとこれはありえない、異常な だ。
だけど、「そのどちらもが、同時に真である」という経験を彼女が積み重ねてきたから、この素晴らしい作品が描けたのだと私は思う(これは私がよくする話だが、例えば目の前の家族や友人が愛おしいとか大切だと思えることと、人間という存在が地球で生き続けることに何らの必然性がない、ということは同時に成立する)。
認知的不協和。愛は盲目だと言えば聞こえがいいが、
偏愛。兼愛。博愛とは、誰をも愛さないこと。
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