衝撃的な第16話の感想と、そこから世界構造の予測を書いてみたが、それでもまだ書ききれなかった部分があるので、最後に補足しておきたいと思う。
〇沙都子、梨花のorganを凌〇しつつ雛見沢教に「オルグ」する→「雛見沢を受け入れよ」という「呪い」
老婆心ながら言っておけば、これは「猫騙し」編=梨花を屈服させる演出の一部であり、「ひぐらし 業」というアニメの主張でない可能性が高い(この作品のテーマではあるかもしれないが、ここを掘り下げると膨大な量になるので、機会を改めていずれまた)。
で、この演出の意図として想定されるのは、
1:「沙都子がどのようにして梨花を殺すに到ったか」は推理不可能
2:「この世界が梨花を屈服させるために作り出されたものである」こと(=世界のルール)に気付かせる
の二つだと思われる。
1について言うと、沙都子は他の部活メンバー殺害まで仄めかしており、明らかに推理しようがない=推理を求めてないことが伺える。
2については、惨劇を免れるために奔走すると別のところでフラグが立ったり、自分を確実に守ってくれる存在だと信じていたらその人が自分を殺したり・・・という流れがあって、それは「犯人像を読みづらくさせる意図」かと思われた。
しかし、前回の惨劇オンパレードにおける意外な犯人像の数々と(こちらも結果から逆算したこじつけはできなくないが、実質推理不能)、今回の冒頭惨劇も併せて考えたら、「個々の犯人に関する考察はそこまで重要ではない」ということと、「梨花を殺す、あるいは屈服させることがこの世界の基本設計らしい」というルールに気付かせることが目的だと考えるのが自然だろう。
さらに突っ込んで言えば、梨花を殺す人間が全く一定しないことから考えるに、「ひぐらし 業」の世界=偽りの昭和58年の中には、旧ひぐらしにおける鷹野的存在がいない可能性が極めて高い(これは旧ひぐらしがそういうルール抽出に極めて意識的だったこと[=大災害発生フラグの発見]を踏まえると、必然的な結論だろう。とはいえ、これはあくまで蓋然性の話なので、その意味で次の17話=猫騙し編4がどうなるか楽しみなわけだが)。
この推理は、必然的に「ひぐらし 業」の世界=偽りの昭和58年の上位に「犯人」がいることを想定させる。まあそれでさえ「何の犯人?」となるわけだけど、それが今のところは園崎詩音か(うみねこで言うところの)八代幾子的な存在か、はたまた古手梨花自身と私は考えているわけだ。
〇何で沙都子の水着はブカブカなんだ??
これはまるで意味がわからん。スク水を着てる他のメンバーに対し、園崎姉妹は大人びた水着で、かつ詩音はそのままビキニなのに対して詩音は上着を着ている(要するに魅音の方が恥ずかしがりで、積極性という観点で詩音>魅音ということを示す)など芸が細かいので、何らか意図がありそうにも見えるんだけどねえ・・・
〇第17話の展開予測
これまでの話で共通しているのは、「この世界を否定して生き延びようとすると死ぬ」という構造であった。
とするならば、(16話後半で見れる)最後のループ世界で沙都子のオルグによって雛見沢を受け入れた梨花の周囲で惨劇フラグが立たないのは、別段不思議なことではない(真逆で最もわかりやすいのが、15話冒頭における赤坂勧誘→古手家にて殺害の流れ)。
しかしそうなると、富竹と鷹野との会話は、今回も同じ流れが踏襲されようとしていることを示している。つまり、17話ではまたぞろ梨花の命が狙われることになると考えられるわけだが、鬼騙し編~祟騙し編までの「リバーシブル」や「解釈違い」でいくと、まず富竹や鷹野の二人は、旧ひぐらしの世界で惨劇の根幹となった話を梨花から振られて「は?何言ってんの?」的な反応をし、そこで梨花が「あれ?じゃあもう大丈夫なんじゃね?」と思ったところでドクターイリ―あたりが古手梨花絶対殺すマンになって彼女を突け狙うとかじゃねーかな?と考えている(ちなみに入江は、梨花や沙都子の苦労を間近で見ていて彼女らに同情的な上、自分から事態を大きく変える行動はしていないため、旧ひぐらしでは凶行の加害者になる必然性が最も低い人間の一人だ)。
なお、ここで「殺す」ではなく「突け狙う」と微妙な表現をしたのは、羽入の言葉通りであるとすると、今回は死んだらそこで試合終了ですよ(安西並感)状態だからだ。
するとまあ「猫騙し」編なので次のような展開が想定される。なお、可能性が高いのは1~4の順となっておりマス。
1:これで5回目だからもう死んだらアカーン!!と思ってたけど殺された・・・あれ?でもなんかまたループしてる??
羽入、お前・・・五回って言ったのは誤解だよ~(テヘペロ)。という流れで、これはOP映像の羽入らしきシルエットの「嘲笑った」とつながる。要するにこの世界において、羽入=アウローラ=八代幾子=狂言回しであり、「あと5回と言って煽ったのは梨花が生存しようとすると酷い目に遭う」という(梨花の把握していない)ゲームルールを認識した上で、梨花に繰り返す惨劇を経験させるため。ここで羽入自体に疑いを持った梨花は、羽入が言及したオヤシロソードが欠片であったこと(羽入の発言がそもそも誤り)を思い出し、むしろそこにこそ張りぼて世界からの脱出のカギがあると見抜いて害を排除しつつ再び祭具殿へ・・・という展開か。つまり次に来るのは、「神騙し編」?
2:富竹・鷹野(祭具殿侵入コンビw)の話を聞いて違和感を持った梨花が祭具殿に向かう
ここで犯人X(イリ―?)によって追い詰められた梨花は、「オヤシロソードの欠片による自害を選ぶ→昭和58年とは違う世界(昭和63年?)で目覚める→あれ、生き延びることがハッピーエンド条件じゃなかったの???」と気づく。とすると羽入の発言は何だったのか?という疑問が生じ、昭和63年の世界で「ひぐらし 業」の張りぼて世界がいかにして生成されたかを探求し、根本的問題を解決する話が始まる。
3:犯人Xによって殺害されると、別世界で目覚めた(「死ーん」からの「はうあ!」)
羽入の発言は正しかったことになるが、これだと「ひぐらし 業」が虚構内虚構であることを暴き出す演出的効果(とそれによるカタルシス)が弱くなるため、あまりこの展開はないんじゃねーかなー。
4:無事イリ―によって梨花が殺害され、「ひぐらしのなく頃に業 完」
漫画☆太郎みてーだなwwwここで「終わんねーよー」とか画面を割ってキャラが出てくるとポプテピピック!!はい、すいません悪ノリしました・・・
まあこんなとこですかねえ。ともあれ、前にも書いたけどこの「ひぐらしのなく頃に 業」は(ハイコンテクストな嫌いはあれど)風呂敷の畳み方如何では歴史に残る傑作となるかもしれん、と思っているので期待したいところである。
それではまた17話のレビューでお会いしましょう。さよなら、さよなら、さよなら・・・
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