規理野視公美=K 虚山実=M
K
頑な男だね。そういう男はとうの昔に絶命したものだと思ってたけど・・・じゃあ今度は欧米以外の言葉にもつなげていきましょうか。アレクサンダーって聞いたことある?
M
名前くらいは。何か歴史上の偉い人でしょ。
K
そう。そういう人だけに、色々なところで使われる名前にもなってるの。たとえばアレッサンドロという名前のサッカー選手と言えば?
M
うーん、デル=ピエロとかネスタかな。
K
そう。言葉によってアレクサンドロスだったりアレクサンドルだったり若干の違いはあるけど元は同じなの。ちなみにロボコップの主人公の名前は覚えてる?
M
アレックス=マーフィー。
K
もういちいち突っ込まないからね。まあでもその通り。そのAlexはAlexandrosの略称。浩之を「ヒロ」って呼ぶようなものね。
M
まあそれはわかる。
K
ところで「戦艦ヤマト」の目的地と言ったらどこ?
M
沖縄。
K
いやそっちじゃなくて、アニメの方ね。
M
イスカンダル。
K
そう、実はこれアレクサンドロスのことなの。
M
はあ?全然違うじゃん。
K
まあAlexsandrosとIskandarだからね。そう思うのも無理はないわ。
M
最後の方とかはまあわかるけど、特に最初のエルとかどこにいっちゃったわけ?
K
アラビア語ではalが英語のtheと同じ役割をするから、どうもAl-exsandrosと考えて最初のalを消してしまったみたいね。そして語尾は、さっき色々な例を見たように、言語によって変化する。こうしてIskandarのできあがり。アレクサンダーは漫画や映画の題材によくなるし、ヤマトのイスカンダルも有名だけど、別物と認識している人もいるわよね。でも実際は同根なの。そういう虚構の新しい名前が存在するわけでもなければ、元になった地名があるわけでもないのよ。
M
じゃあカイセリで食べたイスカンダルケバブってアレクサンドロスが好きだったんだね。
K
いえ、それはだいぶ後に料理を考案した人の名前に由来するみたい。他の例だけど、イブラヒモビッチって選手いるじゃない?
M
ああスウェーデン代表の。
K
じゃああの名前の由来は何かしら?
M
うーん、セルビアのスタンコビッチやクロアチアのボクシッチ、ボスニアのスシッチとか有名選手の名前からすると、元はバルカン半島の出身なんだろーなーとは思うけど。イブラヒモってのはわかんないや。
K
アメリカ合衆国で奴隷解放宣言をした人と言えば?
M
リンカーン?
K
そう。ちなみに彼の名前はアブラハム。イブラヒムというのはここからきてるのね。
M
ほー、さよか。
K
ちなみにイスラム世界では聖者として有名なイブラーヒームという人物もいて、これも名前の由来はアブラハム。
M
まあ変化としてはわかりやすいね。それは何語なの?
K
アラビア語よ。ちなみにアブラハムの甥はドラクエをやっている人には馴染みの深い名前よ。
M
それだけじゃわかんないよー。
K
ドラクエで「そして伝説になった!」と言えば?
M
ロトだよね。
K
そう。そのロトというのはアブラハムの甥に由来しているのよ。ちなみにアラビア語では「ルート」になるわ。
M
まあアブラハムでもウェストハムでもなんでもいいけどね。
K
ふぅ、じゃああと一つだけ。有名な魔術書と言ったらどんなものが思いつく。
M
あんまし知らないけど、「ソロモンの鍵」、「レッドドラゴン」、「黒き雌鶏」、「レメゲトン」あたりかな。
K
まさに今出たソロモンだけど、これはアラビア語ではスライマーン、トルコ語ではスレイマンになるの。いずれ世界史で習うことになるかもしれないけどね。
M
エ・アロール。
K
遠い世界の記号的な言葉も、その根源、アカシックレコード的なものがわかれば体系化して一望できるし、理解が容易になると思わない?
M
うーん、ネタとして消費する分にはバラバラのままの方がアーカイブの数が多くなって楽しめる幅が広がるように思うけど。「でも、真実を知ることが全てじゃなーい」って昔どっかのグループが歌ってたしね。
K
ふう、じゃあ私はもっとあなたが使いたくなるような説得の材料を探しておくことにするわ。
M
ゴッド・ブレス・ユー
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