動画のコメント・チャットでもなく、ツイッターのリプライでもなく、わざわざブログでVtuberのことを書く意味とは・・・なんて話を近いうちに上げてみようかと思っていた矢先、ななしいんく所属タレントの大浦るかこから突如無期限活動休止の発表があった(サムネを見て軽い告知系かと思い、完全に油断して後回し→ネットニュースで内容を知り動画を見る、というパターン)。
驚きがないと言えば嘘になるが、実はちょっと違和感を持った機会があって、それがこないだも紹介した獅子王クリスの誕生日イベントへの関わり方である。獅子王クリスが大浦るかこに深い信頼を寄せていることは自明なので(周防パトラが憧れの人だとしたら、大浦るかこは自分を最も理解してくれるパートナーという感じ)、なるほど彼女をイベントに呼ぶのは不思議ではない。
ただ、それで「イベント中ずっと出演」→「それはさすがに違うのではとるかこから申し出」まではまあわからんではないとして、配信終わったら裏方に回るという話を聞いて正直???となったからだ。ななしいんくの中では機械に強い方の人というふわっとした認識はあるが、それでも社築や獅白ぼたん、兎鞠まりのような半ばサポセンレベルの対応力がエピソードとしてポンポン出てくるようなタイプではない。にもかかわらず裏方・・・?というのが引っ掛かったのだが、正直その時は「まあ表には出ていないけど裏からサポートする=ずっと一緒にはいるから安心して」くらいの意味なんだろうととらえた。
しかし最近、
のような、ちょっと「らしくない」サムネもあったりして、何かもやもやしたのを感じていたところの発表だったので、ある意味納得もしたという心情である(まあだからと言って何かが解決するわけでもないのだが)。
さて、彼女は5/29の配信を最後に活動休止をし、今後はななしいんくのスタッフとして関わっていくとのことだが、これまた彼女らしい選択のような気もした。というのは、大浦るかこの特徴として、次の二つがあるからだ。すなわち、豊富な知識と語彙で怜悧なプレゼンをする能力。そして冷静かつシニカルに見えて、湖南みあのアホエピソードや物まねには息ができないほど大笑いするなど、あまりにも「芸」や「混沌」を愛しすぎる気があり、それとも連動するが、タレントを応援してその魅力を発掘し伝えるのに喜びを感じること(微公式wikiはその持ち味が遺憾なく発揮された良企画と言える)。
これらの性質が強く表れた結果として、彼女は今の「ななしいんく」がタレントを応援するリスナーたちに対し、応えられるような環境になっていないとファン目線で冷静に厳しく評価すると同時に、自分自身がその環境を変える側=スタッフとしてタレントを応援する側に回り環境を変えるサポートをする決断に到ったものと思われる(冷静さ・愛・厳しさの全てが融合した結果、という感じか)。
要は、これまでの彼女の言行を私が見る限り一本の筋が通った決断であり、「この人がこう決めたのなら覆すのは難しいし、とするならあとはそれを尊重しつつ、最大限良い結果が生まれるよう応援するしかない」というのが私なりの感想である(正直、制約から解き放たれたようにも見える湖南みあ達とどう絡んでいくのか今後の活躍を見たかった気持ちもあるが、仮にホロライブのAちゃん的立ち位置で登場するのなら、そういう場面を見れる可能性も残されてはいるのだろうか)。
ななしいんくの行く先は非常に厳しいと思われるが、ひとまずは彼女の選択を尊重したい。
これまでの活動お疲れ様でした。
※余談
「ななし=ななしいんくスタッフは信用できるか?」という質問について、小考した上で「人間としてはとても」と答えていたが、これが冷静な評価としては全てだと思う(少なくとも外側から見る限りは)。
例えば、小森めとや周防パトラの独立などを何だかんだで認めたのは、もちろん「何がベターな選択かを考えた場合、有能なタレントを引退に追い込んだ事務所として批判を受けるより、それを許可してしまった方がまだダメージが少ない」という選択ではあろう。しかし、わかっていてもそれをできず(そもそも三星ナナミのように、契約書の問題とかもあるが)、泥沼の争いが生じてlose-loseになる事例なぞVtuber界以外にも腐るほど存在するわけで、そういう決断ができる時点で、ある一定の「人間性」があるのだろうとは思う(ただの損得勘定だけで最適解を選べるほど、人間て生き物は便利に作られてないんでね。また念のため言っておくと、ガワごと独立できる事例を作ってしまうと投資をしても他所へ移る、個人勢になってしまい投資分が回収できないリスクを常に抱えることになる、という企業側の事情もあるので、そう単純な話ではない)。
ただ、結局そういう事態を招いてしまったのはなぜかと言えば、グループ内グループ(あにまーれ、ハニスト、シュガリリ、ブイアパ、ヒヨクロ)という特異な形態をとりながら、結局はプロデュース戦略が欠如していたこと(タレントの自主性という名の放任)が根底にあるわけで、運営会社としての有能さを問われれば沈黙せざるをえない、という話だろう。
ここまでつらつら書いてみると、改めて大浦るかこという人の思考様式を考えた場合、タレントとしては無期限休止でアーカイブ削除、そして運営サイドとして会社に残るという行動は、極めて必然的かつ誠実な選択に思えるのである。
元々、「他人に厳しさを要求するなら、自分にもその厳しさを求めて然るべきだ」と考えるタイプの人っぽいなとは思っていたが(だから逆に「全肯定るかこ」も生まれる)、ここまで筋を通すというか、真面目さを持った人というのは今回初めて認識した次第(まあそういうシニカルさとは真逆の厳しさやら熱さに、ギャップも相まって引き付けられたという人も結構いるんではないかな)。
そんなスタンスが、少しでも運営に一石を投じることを祈念したい。
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