ポプ子=PK ピピ美=PM
PK
3000字ほど費やしながら全然進まなかった対話篇の続き、はぁーじまぁーるよー。では早速本題。放送では「オートマタ」・「トランセンデンス」・「her」と三本の映画が紹介されているけど、この動画を見て俺が想起したのは「imitation game」というイギリス映画なんだよね。
PM
第二次世界大戦頃に活躍したアラン=チューリングという数学者が大戦終結にどのような役割を果たしたか、そして彼がどのようにして人生を終えたかを描いた作品だったっけ。
PK
説明乙。まあ詳しい説明は予告編を見るなりウィッキーさんに聞いてもらうとしてだ、題名のimitaionに多層的な意味があるのが興味深いと思ったんだよね。なお、今から盛大にネタバレするので見たくない人は耳と目を閉じ口をつぐんで孤独に生きろ。
PM
素子ーー!俺も早く電脳化して少佐に会いてーわ(・∀・)
PK
オセロットに回転ベッドで可愛がってもらってたらそのうちに逝けるかもな。
さて、その多層性についてだけど、暗号が解けたのに解けていないフリをする、というのがまずある。これがチューリングの業績が長い間封印されてきた原因でもあるわけだが。次に「チューリングテスト」と連なる「人間のフリをする機械」。そして、「人間のフリをする人間」という問題意識。これは「正しい」人間とは何か、あるいは人間と人工知能の境界線とは何かという問題設定とも言い換えられる。他にも仲間のフリをする、スパイと気づいてないフリをする、と色々あるが、重要なのは今言った三つだろう。
PM
はいはい。まあ最初の「フリ」は特に説明不要だよね。二つ目に関して言うと、人工知能の発達によってどんどん判定が困難になっていくだろうね。たとえばbotが典型的だ。ツイッターのbotは特定のキーワードに反応したりする自動発言システムだけど、ツイッターやLINE上での短いやり取りの応酬やスタンプを用いたネタ・コミュニケーションがより支配的になっていけば、私たちのコミュニケーションがbot的になっていくという意味でも判別が不可能になっていくのではないかな。それが動画の中で宮台真司も触れている「今人間がむしろ機械に近づいてきている」的な話になるわけだけど。まあそういう認識が、今回このネタ的対話形式を選択した理由でもあるがね。
PK
しかとムネに響いたぜ・・・もうコピペしない!
PM
しとるやろがい!それはともかく、最後の「フリ」に関しては、チューリングが刑事とやり取りする場面でクローズアップされる視点だよね。人間を「人間」たらしめているものは何か?というのはまあ手垢のついた問題設定なんだけど、アスペルガー的な彼が言っていること、そのことと絡めて人間の「暗号」に満ちた会話のやり取りが暗号の解読と重ね合わされて描かれていること、彼が同性愛者として抑圧され死に追いやられたこと・・・などからクリシェではなくきちんと重みをもつよう重層的に描かれているところが重要だよね。
PK
「同性愛者は獣と同じだ」って発言をする人が未だにいるくらいだからね。別に「私はストレートです」って率直に言やあいいだけじゃねえの?て思うけど。自分が美味いと思う飯を相手も美味いと思わねばらないという道理はないし、逆もまた然り。
PM
それはEU離脱の件とかも含めて「我々」の境界問題として別の機会に話すとして、だな。あと興味深いのは暗号が解読できたからと言ってそれで万事解決したわけではないってことだよね。もちろん歴史的事実としてそうだというのもあるけど、死ぬ人数の数を計算しながらどの情報をリークするのかを考える場面で「神」の話を何回も出すところなんかは意図的でしょう。まあそこを省くと冷酷な戦略家みたくなってしまうから、という面が大きいと思うけど、これは技術革新=幸福とはならないとより一般的に読むこともできるのではないか。
PK
なんか話が「きっと、うまくいく」みたいだな。あ、インド映画&宗教と言えばPKというあだ名をつけられた主人公の・・・
PM
そのネタクソ長くなるから今はやめて。話を戻すと、この「imitation game」では人間と機械だけでなく「人間」と名指されるものの境界線について問うてる映画になっていると思うんだよ。そしてその観点で言うと、人工知能の発達や社会の変容を通じて人間が「人間的」だと思っていたものがどんどん解体されていく途上にある。それと同時に、人間が「世界」だと思っていたものもどんどん変容していく。
PK
まあそういった不安は感情的反応つまりポピュリズムにもつながるという意味では、ただの現象として他人事みたいに考えている場合ではないんだけどな。
PM
それはさっき言ったEU離脱の件とかで触れるとして。ともあれ次回は人間の解体・世界の解体というテーマで「ムーたち」の規理野仕組を取り上げたい。
PK
今回はimitation gameの話にほぼ終始したなあ。つーかなぜに前回と違ってピピ美がどんどん話を進める役になっているのかしらん?
PM
んなもん、この対話篇が自己完結したジサクジエンでどっちでも同じだからに決まってるでしょ。
PK
それを言っちゃあ・・・
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