水子供養の記事を書いた折に「四つ目神」というゲームを知った。「ひぐらしのなく頃に」や「果てしなく青いこの空の下で」などをプレイしたことのある身としては興味をそそられたが、そもそもスマホにゲームアプリをインストールするという習慣がなかったためその時は放置していた。しかし最近、たまたま四つ目神の使用曲(悲しみのテクスチャ)を聞く機会があり、せっかくなのでとインストール。
不吉な導入の後で、細かい説明は省きつつ主人公を物語の舞台に誘い込むテンポの良さは〇。まあ無料アプリなんて掴みをミスったらすぐに放置かアンインストされる運命だからここは相当気を遣ったのだろう。
女子中学生を主人公にしつつ、サポート役に同年代の男子(と思われるキャラ)を持ってきたのは、中・高生の男女を広く取り込むためだろうか?実際サポート役の上司のビジュアルは意識的に女子生徒ウケしそうなものにしてあることが作中の諸々のセリフからもうかがえる。
基本探索しながら脱出のヒントを探すことになるが、謎解き要素もあり、かつそれが舞台設定およぼその雰囲気とマッチングするものとなっているのは好感が持てる。というのも、こういう異世界モノ・怪奇モノは雰囲気作りが物語への没入と説得力を構築する原動力になるからで、製作者側がこのことを深く理解し、(フリー素材ではあるが)音楽も含め作品の雰囲気作りにかなり意を用いていることが読み取れるからだ。
という+要素があるだけに、残念なのは一部の演出が雰囲気を壊しかねないものとなっている点だ。たとえば主人公がサポート役の男の子に対して怒ったり叫んだりする場面が序盤は多いが、そのSEがあまりにも絵や音楽から浮いている。中盤以降物語が本格化するにつれてこういう演出は減っていくが、良くできた世界観にせっかく巻き込んだ冒頭で冷めてしまう要因の一つなってしまっている(せめてSEなしで画面を揺らす演出だけで良かったのでは?)。
ちなみに、広告を見ると回復アイテムやヒントがゲットできる仕組みになっているのは色々と参考になる(何のだ)。たとえばヒントを見るハードルを低くしたのは、(1)どうせ攻略サイトは作られるし、すぐ見れてしまうという現実、(2)そちらをわざわざ調べるのがめんどくさくてゲームそのものを投げてしまうくらいなら、ちょっとした努力で先を見れるようにした方がよい(物語の主眼は謎解きそのものより、そこから浮かび上がる宿業を知ることにあるから)、というところだろう。
とまあ何だか論評めいた記事になったが、近々コンプリートした際に再度内容に関するレビューをきちんと書く予定である。
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