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やはりルネサンス期で農民を描いた芸術家といえばブリューゲル師匠だよなあ・・・
というわけで、アルテ・ピナコテークには教科書的にも有名なブリューゲルの絵も複数展示されているが、それ以外にも市井の人々を描いた様々な作品が展示されていてなかなかに興味深い。
なんというか、佇まい(表情や動作)が素朴で微笑ましいんだよね。絵画の題材になるのは宗教関連か王族・貴族たちなので、どうしても神々しさや厳かさが強調されるんだけど、それとのギャップで見ていて楽しくなるものが多い。
特に、
これらの絵では、「野郎ぶっ殺してやる!」というナレーションでもつきそうな場面で(笑)、言い争いだったり、賭け事のイカサマがバレて乱闘になるなど、人間の感情がむき出しになっている様が生き生きと描かれている(余談だが、近世では大航海時代などもあって富の流入や貨幣経済の促進が起こり、その結果ギャンブルが流行して確率計算が発達する、ということが起こっていた。ちなみにルネサンスが生じた背景に、いわゆる東方貿易でフィレンツェやヴェネツィアなどの北イタリア諸都市に富が蓄積されていたことが関係しているのは言うまでもない。散文的な言い方をすれば、「金のない所で文化は爛熟しない」のである)。
とまあ農民たちの姿を見たところで、次はまた別の題材を取り上げていくことにしよう。
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