Vtuberの引退・転生・執着:あるいは企業のリスクマネージメントについて

2024-01-23 16:22:06 | Vtuber関連

 

 

かなえ先生と毒ヶ衣ちなみの対談!?いやこれかなえ先生よくOKしたな・・・ワイにはメリットよりリスクの方がでかく思えてしまうぜ( ̄▽ ̄;)

 

郡・・・もとい毒ヶ衣ちなみそのものは別に嫌いでもないし、むしろコンテンツとしてはおもろいと感じる部分も少なからずあるが、正直舌禍事件をやらかし過ぎて仕事を一緒にするには(ビジネスパートナーとしては)クレバーさに欠けるように見えてしまうんよね(裏の彼女がどういう人物なのかはまた別の話だが、視聴者サイドにそれは見えないのでね)。

 

例えば彼女が以前所属していた企業(にじさんじ)への文句をあれこれ述べるのは、実際おそらく活動のために色々我慢してきたんだろうし、まあわからんでもないのだが、(守秘義務もあるとはいえ)企業側の不手際が見えない状態の中、彼女の側のやらかしだけがあれこれ目立つ状態において企業への文句を垂れ流すのは、イメージ戦略として賢いとは思えないんよな(内部告発ならその状況を変えられるが、そうでなければ「あれだけ色々やらかしてて契約解除じゃなく卒業にしてもらったのに、その上で言う事がこれかい?」て視聴者側の多くは思うんじゃないかね)。さらに、元のにじさんじメンバーとこれから一切仕事で絡まないようにするってのも、ちとやりにくいんじゃねーのかなと思うがどうなんだろうね・・・と思う(つまり、発言のデメリットが大きすぎるってことやね)。

 

裏では相当ちゃんと準備する人みたいだから、多井隆晴とかも信用してるんだろうけど、「わかっている人たちはわかってくれてるからそれでいいんだ」ともし仮に思っているのだとしたら、息を長くやっていく上ではあんまし賢明じゃないやり方だと思うがね(ごくストレートに言うと、リスナーに限らず有象無象がネットには徘徊している訳で、そういう連中を信用することなく上手く立ち回ろうとするなら、もっと違う風に見せた方がよくない?て思ったりする。前にも書いたように、芸能人がかつてしていた露悪的な言動が、昨今ではそのまま炎上案件となって大きく活動の妨げになってるくらいだし)。

 

ま、そういうわけで今回の動画でも、「さすがに毒ヶ衣ちなみが転生についてそんな発言するのはおまゆう案件やろ」と、かなえ先生自身も突っ込んでいるわけですが(・∀・)

 

・・・とまあなんか杞憂しとんのかよーわからん書き出しで始めてみたが、Vtuber(ここではホロライブの夜空メル)の卒業とか転生に関するワイの基本的なスタンスは、動画の二人とおおむね同じである。

 

もちろん、(夜空メル自身の話に関係なく)例えばペットロスという言葉もあるように、自分が大切にしていた存在が失われてしまう哀しみは大きいだろうし、それを理解できないとは言わない。しかし、その先も生きていく(つもりである)以上は、ずっとそのことにグルグル拘泥している訳にもいかんだろう。

 

自分が思うに、生を愉しむためのツールとして、興味を持つものは多ければ多いほどよいと考える。色々なものを楽しめるし、さらにそれらがフックとなって興味の幅がどんどん広がるためだ(逆に興味のレンジを狭くする意味がわからない、とも言える)。しかし、もしそうでなければ、狭い興味対象は最悪の場合だと依存というか宗教の妄信にすら近似していく。そして妄信するからこそ、思考停止→全肯定などをしてしまったりするし、あるいは自分の理想像からかけ離れてしまったと、相手をコントロールする欲望に取り憑かれてモラハラ的・毒親的ムーブをするようにさえなるのだ(相手は自分と全く違う他者なんだから、自分の言う通りになる訳がないんだがw)。

 

とはいえ、ハマる事自体を否定するつもりはないし、また否定してもムダ(=自他ともにコントロール困難)だろう。だったら、先の話に戻るが、始めから「依存先=ハマれるもの」を複数(あるいは多数)用意しとけばいいのではないか?「アレがダメでもコレがあるから別にいいや」というわけで、ダメだと思ったら、あるいはダメになったら別のに移ればいいだけで、そうすれば対象に執着はしなくて済むようになるし、引いた視点から賛同も批判もできるからだ(その点で言えば、日本組織の構造的腐敗からの脱却法と類似しているし、実は嗜好の「オールレンジグリーン」という話ともつながる)。

 

まあ個人的にはリバタリアンなんで、愚行権含め生きようが死のうが好きにしたらええねんと基本的に思っているが、社会性のある発言としてリベラリズムやリバタリアンパターナリズムといった観点から述べるならば、先に述べたようなスタンスに立った方が、共生の作法(リベラリズム)という意味でも、有効な自己コントロール(リバタリアンパターナリズム)という意味でも、賢明なんじゃないかと思う次第である。

 

ちなみにそういった話を踏まえて、夜空メルの契約解除周りに関する自分なりの感想は、以下の通りである。
彼女の「情報漏洩による契約解除」は、もちろん守秘義務があるから詳細な内容はわからんし、それが今後語られることもないだろう(潤羽るしあの時のような情報がないため、判断のとっかかりもない)。ただ、そこからすると、夜空メルに謝罪の動画・コメントを許したこと+谷郷社長からもわざわざ労いのコメントがあったことは、企業側のダメージコントロールとしてなかなか巧みだったと思う。

 

というのも、契約解除の内容の詳細がわからない以上、受け手はすぐに納得することが難しく、ゆえに色々な憶測や反応を生みうる(最近だと「のりプロ」の大量卒業なんかがその好例かな)。その典型的なものの一つは、「突然の卒業で悲しい・寂しい」という感情の行き場を探すために(あるいは精神の安寧・恒常性を保つために)、ただただ契約解除の撤回を企業に求めたり、あるいはそれを行った企業への攻撃を始める・・・というものである(要するに感情の埋め合わせをするため、ズレた解消法を選択してしまう訳だが、これは人間にはよくある行動だ)。

 

これを踏まえると、潤羽るしあの時のように発表後に数日間「放置」するのではなく、当該タレントにあえて発言の場を設けることで視聴者のガス抜きをした上、企業側もこれまでのタレントの活動に敬意を払う形で「残念ながら契約を続けることができなくなった」という表現法にして攻撃の矛先を向けられにくくするのは、合理的な対応だったと言える(企業もそれなりに大きくなり、許諾問題桐生ココの卒業、潤羽るしあの契約解除などの対応を経て様々な経験が培われた結果かもしれない)。

 

他の企業やこれまでの契約解除の事例を見る限り、ライバーがそのことについて発言を許されたり、企業(ましてや社長)がそこに配慮した投稿をするケースはまずない。それは契約違反に関するペナルティである以上、戒め・見せしめの意味もあるので当然と言える(でないと他の所属タレントにも外部に対しても示しがつかないので)。にもかかわらず、今回ホロライブが前述のような対応をしたのは、ある種「情けは人の為ならず」という側面を前に出して事態の収拾を図ったもののように思われる(念のため言っておくが、これは「ホロライブ側の本心としては夜空メルをすぐに切ってしまいたいが、ただイメージ戦略のためだけに温情的な対応をした」などといった極端な話をしたいわけではないので、その点は悪しからず。そこに様々な哀惜の念があったとしても、それをこういう形でアウトプットするのにはどういう戦略的意味・価値があると考えられるのか?というリスク対応やダメージコントロール上の話である)。

 

というわけで、みんなも依存先は複数作っておいてね!(五回目は正直並感)

 

 

【補足】

もちろん、企業側が常に正しいとは限らない。これについては、確定情報が出ている訳ではないが、最近全タレントが卒業してしまったゆにクリエイトの「ライブラリ」などは疑惑の目で見られているし、古い話で言えばゲーム部などは(Vtuber業界黎明期という大変さがあったとはいえ)企業自体がガバナンスの稚拙さを露呈し、空中分解してしまった事例として参照することができるだろう。

そしてホロライブについても、先日触れた許諾問題の他、桐生ココの件での対応ミスなどを例に挙げることはできる。後者はどこまでを企業側の責任に帰するか難しい問題ではあるのだが、とはいえ最近改めて中国進出を狙っているとの情報を聞けば、さすがにちょっと心がざわつくところではある。まあ比較的垣根を超えやすいコンテンツ産業(ビジネス)という観点で、世界人口の1/5弱が市場から除外されたままの状態は到底容認できない、てのはもちろんわかるんだがね。


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