昨年の7月1日に桐生ココが引退したことを思い出していたら、黛灰引退、だと・・・!?一瞬驚いたが、前にアイデンティティを問うような動画も出していたし、それを考えれば不思議ではないのか・・・その経緯をゆっくり解説という形で暗くならないように、しかしきちんとポイントは抑えて説明しているあたりが、いかにも黛らしい気遣いだなと思った(ちなみに動画本編はこちら)。
個人的にはかなり好きなライバーの一人であるため残念には感じるが、今の状況を考えれば十分起こりえる事態だったようにも思える。なるほど確かに、本人が言う「ANY COLORとの方向性の違い」が何を指すかは(もちろん守秘義務もあるだろうから)具体的に語られていない。とはいえ、「いちから」→「ANY COLOR」という社名変更が2021年の5月でそれが海外市場の開拓を目指したものであり、また実際その後にENなど海外勢のデビューや隆盛が加速していることを思えば、そこにかなり注力してそれなりに成功を収めつつことは明らかで、このあたりが影響しているのではないかとも考えられるからだ。
もちろん、すでにVtuber業界はレッドオーシャンと言われ、縮小&飽和が見込まれる国内市場に固執するメリットは何もないので、会社の戦略は全くのところ合理的なものだ(ここでホロライブの例を出すまでもないだろう)。また聡明な黛灰がそのことを理解してないとも思えず、「グローバル戦略への反対」などという短絡的な理由で引退を決めるとは考えにくいから、そこに付随する何らか(あるいは諸々の)変化がANY COLORと黛の間に齟齬を生み出したのではないだろうか。
この想像がある程度的を射ているのであれば、彼の引退は残念だけれども納得感はある。というのも、独特な佇まいでクールなキャラクターに見えてそれを容易に破壊できる多芸さを持った彼だが、むしろだからこそ、ある種のぶれない「芯」とそれへのこだわりが強いと感じる人物でもあるからだ。ゆえに、それを変えるより引退を選択したのがいかにも黛らしい、ということだ(もちろん、たとえ節を曲げてでもその姿を見続けていたい、という視聴者もいるのは理解できるが)。
まだ「その日」まで3週間ほどある。そこまで彼がどんな軌跡を残すのか、まあ見てみようじゃあないか。
と思っていた頃に、次は個人勢で100万を超える登録者を誇るksonがVshojoに加入する(さらにVshojo Japanを発足させる)という動画を見て驚く。前にVshojoとコラボしていたことは知っていたが、水面下でこういう動きを取っていたんだなあ。まあksonは前から野心的・活動的だったし、もっと大きいコトをやりたいと思い続けていただろうから、それがこうして結実してのは喜ばしいことだ。
しかしそれにしても、もう一人の新規加入者はあのネクロマンサーなのか?だとしたらVshojoはとんでもない2トップを手に入れたな。ホロライブの、というか日本のスパチャ額2トップで、ともにそれだけで億を稼ぎ出すライバーと表現すればわかりやすいか。日本に橋頭保を築くにはこれ以上ないほどの力をもった二人だろう(ただしネクロマンサーの英語力は高くなかったと記憶している)。
とはいえ、もし仮にこの予測が正しいなら、かなり危険を伴っているとも感じる。まずホロライブとの関係性はかなり厳しいものとなるだろう。片方は契約違反ではなくむしろ同情的意見も多数見られたと記憶しているが、もう片方は明確な契約違反であり、心証がどうとか以前のレベルと予測される(そちらの契約違反は、否定する明確な証拠がない限り、単に事実を認めたくないがゆえの無理筋な主張にしかならない)。
まあそもそもホロライブENとVshojoのコラボが以前流れていたこともあるし、「二人の加入に関係なく今後もコラボの成立は難しく、また別段にじさんじとコラボができるならリスク計算上プラス」と考えたのかもしれない(もちろんこれは推測の上に推測を重ねた話なので、全く的外れのことを言ってる可能性は十分あることはあらかじめお断りしておく)。
Vshojo自体も2年以上経った割には伸び悩んでいるので、ここで勝負に出たということなのだろう。刻一刻と変化する世界においては、前と同じことをしていてもどんどん取り残される。未来を見据えてどんな策を打つのか考えざるをえない(でなければ淘汰される)今の世の大変さを改めて感じた、と述べつつこの稿を終えたい。
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