774.incという大手Vtuberグループは、最近その特徴であったグループ内グループを解体して再編期なんだなと思っていたら、早くも3月21日には全てを「ななしいんく」として統合することにしたと告知があって、想定より動きが速かったことに驚いた。
周防パトラ(旧ハニーストラップ)のコミュニティのコメントでは年末からその話は出ていたらしい(正直最近はVtuberの動画をほとんど見れてないからこの辺の微妙な動きはまるでわからんが)。とはいえ昨年の10月からデビューする予定だった蛇宵ティア(旧シュガーリリック)は面接でソロかグループ所属かという話をされたそうだから、宗谷いちか(旧あにまーれ)がソロ活動を始めたのが2022年の前半からその話が動き始めていて、年末には虎城アンナ(旧シュガーリリック)がソロとなり、年明けには「ブイアパ」解散→所属ライバーソロ活動という流れである種の観測気球を上げ、大きな反発もなかったので全体の再編に踏み切った、ということなのだろう。
小森めと(旧ブイアパ)の移籍事情を聞く限り、グループ内グループという仕組みにした元々のコンセプトがあまり機能しなくなっていた側面が大きいように思えるし、実際「ホロライブ」が最もわかりやすい例(芸人要素を持たせつつアイドル売り)として、「ぶいすぽっ」や「あおぎり高校」などある程度統一的ベクトルが見えやすいグループが台頭してきている中、多様なキャラクター性を持ったライバーをグループという狭い枠組みでシナジーを働かせるより(まあその戦略がそもそも機能していたかの問題はあるとして)、全員ソロ化して「にじさんじ」のようなドミナント戦略に振り切った方が効果的だと思ったのかもしれない(そう言えば、774.incはその始まりの頃にじさんじによるマネジメント補助を受けていたんだっけか)。
ただまあ仮にその通りだとして、有効な戦略転換で今後に期待できると手放しで喜べる感じでは・・・正直ない。というのも、にじさんじなら男性ライバーがいる+それとのコラボも普通にできる時点で企画の幅がまるで違うし、またメンツも女性陣に限ってさえ月ノ美兎に樋口楓、文野環に鈴鹿詩子etc...とファンタジスタ揃いで、いくら774inc.にぶっ飛んだライバーが多かろうと、これらに対抗していくのはなかなかに難しい。
で、そこに男性ライバーの葛葉、剣持刀也、ジョー・力一、花畑チャイカ、社築、ましろ、ギルザレンⅢ世といった(個性的すぎる)面々が絡んでくるわけなので、そのカバーする領域が広すぎることは容易に理解されるものと思うが、逆に言えば、774inc.がそれと類似の戦略をとっても、劣化した二番煎じにしかならないという厳しい状況が待っていると予想される。
まあようやく新しい船出の日にこうも厳しい見立てをすることもないかとは思うが、某DWUが喝破したように「遊びみたいなことをちゃんと仕事にするから成り立ってる」のがVtuber業界ではあるので、そうそう甘くはないだろうと思う(まあこれはエンターテイメント業界全体に通じる話ではある。これをわかっていない人が、「お笑い芸人は仕事してるというより遊んでる(から羨ましい)」みたいに考えたり、あるいはお笑い芸人が頭がいいor高学歴であることに驚いたりするんやろな)。ちなみにこういう視点は別に特異なものでもなく、所属の龍ヶ崎リンも類似の話をしているので掲載しておく。
その決定がどのような影響を与えるのか、しばし動向に注視していきたいところである。
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