風光明媚なネッカー川沿いを歩いていると、次のようなモニュメントが目に飛び込んできた。
なるほど、シラーにちなんで、ナチスがここで顕彰の集いを行ったという話か。思えばテュービンゲンは、ヘッセやヘーゲルといった著名人たちが過ごした場所であり(実際ヘッセ記念室なるものが存在する)、それと南部ドイツ=保守的な土壌(cf.ミュンヘン一揆)という要素が加われば、このような会が催されるのもむべなるかな、というものだろう。
実際、普遍主義と理性重視を謳う啓蒙思想に対して、シュトルム・ウント・ドランクやドイツ・ロマン主義は固有性や感情重視、民族性の称揚(→ナショナリズムへ)という側面を持ち、その潮流の中に位置するワーグナーを、ヒトラーは熱狂的に愛したことでも知られているしな(遊びとして「騎馬で芸術沼に突撃してみた」なんてのも書いてみた)。
まあ現代日本の「保守」もそうだけど、自分のルーツ探しをしたがるもんなんやな(なお、正しい方法で行われるとは言ってない)。家系図などの捏造もしかり、実態を無視した思い出騙りもしかりだ(→更新される信長像、「夜這い」も「宗教売春」も伝統です!、フラグメント240etc...)。
そんなことを考えながら一通り見て回ったので、今度こそ元の道に戻るとしようかね。
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