松本問題急速拡大中。そして認知の歪みの話

2024-01-27 19:00:38 | 感想など

 

 

松本人志問題については、もう潮目が変わったので、仮に裁判に勝ったところで元に戻ることはないと書いた。しかも吉本・松本が大いに初動を誤った(事実無根&訴訟宣言)ので、刑事事件レベルの重たい続報でなくてもどんどん印象は悪くなるという状態だ。

 

2023年ではジャニーズ問題を始めとする諸々の不祥事やそれへの世間の反応、スポンサーの動向と教訓にできる材料は数多くあったし、また吉本自身も反社会的勢力との関係や闇営業問題など反省として活かせる経験はしてきたはずだ。

 

しかしそれにもかかわらず、今回慎重に調査することもなく、おそらく松本に否定されたというだけでそれを右から左に発表する(でなければ、今さら「事実確認」とか言ってるのは意味不明なので)という行為に及んだことで、自浄作用なきガバナンス不全の組織だということを自ら証明したのはもはや爆笑モノと言う他ない。

 

ちなみに今回はジャニーズ問題の時と違い、私は「週刊文春≠真実」ということも含めかなり抑制的な書き方をしているのだけれども、それは報道が真実か否か以前に、そもそもこれらに対する松本や吉本の対応の仕方を見るだけで、2023年からの流れの中では完全にアウトなものであり、かつそのことを彼ら自身が理解していなかったことが自明だからである(そもそも女性関係含めた「武勇伝」をしゃあしゃあと語っていた過去などは全部忘れ去ったのだろうかね)。

 

そして私が不思議なのは、「なぜ今さら告発したのか」と女性や報道の側には疑問を呈するような人間たちが、その返す刀で吉本や松本の対応の不手際を厳しく指弾はしていないことである(もちろん全部を見て回ることなんてできないので、あくまで大まかな印象論だが)。

 

あくまで是々非々の前提に立って双方の不自然さを抉り出すなら理解はできるのだけど、何で吉本や松本にはその分析の刃が向けられないのかは大変謎である。ま、結論はシンプルに「認知が歪んでる」ってことなんでしょうけどね(・∀・)

 

それは単純に松本人志ファンもいれば、相変わらず芸能の世界を治外法権扱いで考えている人間もいるだろう。あるいは、「年数が経っての告発」についても、子供の頃のいじめの記憶が大人になってもフラッシュバックするとか、会社でパワハラを受けた際にその場では社内の立場を考えて告発できなかったものを数年後に退社した後怒りとともに思い出して訴え出たり・・・といったいくらでもある事例と結びつけて考えることをしない・できない訳だが、それは要するに今回の報道をさして真剣に考えようと思っていないからだろう(基本的なことだが、被害者の主張を妄信することと、慎重にその主張を吟味しようとすることは全く別の話である)。

 

それこそ、「事実無根なので闘いまーす」などとふざけた調子で効いてないアピールをする松本や、あるいは週刊誌の報道だから取り上げる価値はないだろうと「言い訳」をして国会で話題に上げられたジャニーズ問題をスルーしたマスメディアと同類の思考と言える(まあ要するに、松本・吉本的発想の人間はまだそこかしこにいるってことやね)。

 

芸能界のセクハラ・パワハラ問題はジャニーズ問題に関して国連人権委員会が調査していた時にも指摘されていたほどだし、噂話としてはいくらでも出ていたことなので、それがどんどんめくれていって次々と火だるまになる人間が連鎖反応的に出てくる可能性はそれなりに高い。

 

そのような状況において、今回の松本・吉本の対応が新たな(反面教師としての)教訓を提示したことは、とりあえず現時点でも確定的だと言えるのではないだろうか。


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