森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

フユシャクガ 交尾

2010年12月01日 | 自然観察日記
細かな種名はクロスジフユエダシャクガとおもいますが、昼行性のフユシャクガということになっています。晩秋というより初冬に里山の林の中で乱舞しているガです。晴れた日などは凄い個体が乱舞しています。ふわふわと飛ぶのですが、枝葉などになかなかとまってくれませんからカメラに収めるのが簡単なようで難しい。
実は今飛んでいる個体はすべて雄、雌を求めて飛んでいるのです。雌は実は翅がありません。枯葉や樹にとまって雄を待っています。もちろんフェロモンを出して。そのフェロモンを頼りに雄がふわふわと飛んでいるという時期なのです。
探せそうでなかなか探せなかったものがようやくというか偶然に捉えることが出来ました。フユシャクガが交尾している個体です。上の黒っぽい個体が雌。ちょっとしたスクープですね。

フユシャクガ 雌

2010年12月01日 | 自然観察日記
クロスジフユエダシャクの雌です。邪魔をしないようにそっと接近して写しました。かなり色が黒っぽいですからこれを単独で見つけ出すことは至難の業ですね。周りには雄が沢山舞っています。フェロモンという化学物質を出して居場所を伝えているとしても、この量から見ると雌の個体数はかなり少ないのかなと思いました。
寒さで多くの生き物が休眠に入る時期ですが、逆にこの時期に重要な命の営みを行う生き物も沢山います。冬=休眠などという単純な発想を抑えて「この季節にこそ」という視点で自然から学びたいと思います。

ルリタテハ

2010年12月01日 | 自然観察日記
フユシャクガの傍らにルリタテハが飛翔し翅を休めました。この蝶も成体で越冬する蝶です。雪が降った時のねぐらはどういうところなのでしょうか。落葉の間といっても平坦な場所では雪の圧力で潰されてしまいそうです。斜面か大木の根曲がりの下辺りに隠れているのでしょうか。探し回る機会も多くありませんからなかなかそういう姿を目にすることが出来ません。身近なところでまだまだ知らないことが多くあります。そういうものを追い求めるのも楽しいことです。