ちょっとした発見です。カラスザンショウが八木鼻に分布していました。私も所属している「植物同好じねんじょ会」が以前出版した「新潟県植物分布図集」では記載されていない空白地域になります。だいたいにおいてこの種は海岸に近いところに生育しているのですが、下田の八木鼻はかなり海岸線から離れていますから特異な分布地点ということになります。大昔、この辺りは海岸線だったのかもしれません。その名残りとすれば、また一つのロマンが芽生えます。
大木もあり結構個体数もあります。落葉は遅いようで他の木々には葉がないのにカラスザンショウだけは葉が残っています。葉と一緒に実が付いていました。そこでこの実を採って確認したいと思うのですが、なにせ急斜面。足場が悪いうえ結構な大木。おまけにところどころに棘があります。足場を救われ転倒する始末。ちょっと悲惨です。
少々負傷して手に入れた果実です。背景の樹がカラスザンショウの大木(この辺りには棘はありません)。実は、この実を見るまでは半信半疑でしたが、実を確認して間違いなくカラスザンショウでした。小さな発見ですが結構大きな興奮が沸きあがりました。自然というのはいいですね。新しい発見が次々に出てきます。こういう喜びを共有できる仲間を作って行く必要があるようです。