トリアシショウマは7月の花。新潟や東北などではかなりの群生になっているところもみられますが、姥湯へ向かう途中の車道沿いには延々とトリアシショウマの街道になっていました。トリアシショウマは森や林の中で見ることが多かったため、この景観には少々驚きです。車を走らせながら道路脇でまとまった花を見るのはほとんど帰化植物。在来の種がこのような咲き方を見せる場所は記憶にありませんね。トリアシショウマの知られざる一面を見た面持です。
花の8分咲きの頃は無垢の白い色。純白と表現してもいい花で少し暗い林などで見ると浮き出て見える魅力的な花です。一つ一つの花は小さくとも花序は大きくボリュウムがあり集まると迫力もあります。この花は炎天下のもとで見るのでなく陰った林の中が美しいと思っています。ただ、花は盛りを過ぎるとすぐに褐色に変化して花序に濁りが出てきますから命の短い花でしょうか。それゆえ、一瞬の美景観を探すのも価値ある種かもしれません。
姥湯への道沿い、トリアシショウマの群生に混じってヤマブキショウマもそこそこ見られます。ここでは両種とも白い花同士、花期が合ったようで互いに競争しているよう。ショウマといえどトリアシはユキノシタ科、ヤマブキはバラ科。味わいのある面白い山道でした。