夏も終わりに近いころでしたが湖畔の一部にまだヤナギランの花が残っていて華やいでいる場所がありました。ここへ来る途中の草原には果実がはじけているものはなかったものの花の済んだ株がかなり存在していたエリアもあってヤナギランの季節は見ごたえのある景観になるのではと想像していました。ヤナギランが大きな群落を形成しているといのはすなわち開墾された場所を意味しています。舗装道路を境にしてその上部は一部人手が入っているものの最近のものでなく二次林。その下側は湖畔まで皆伐に近い人為作用を受けその後放置されてササ原が復活した景観です。その一角にヤナギランが繁茂したと考えました。
遠目でヤナギランを見る機会は多いのですが、あまり目の前で観る機会が多くなかった気がします。先が十字に割れているのは雌しべ。両性花ですが雄性先熟の様で雄しべはうなだれ気味。花序の下側から上に向かって咲いていきます。花の時期ももうすぐ終わりです。
恥じてたものがないか探しましたが、まだそこまでは熟したものがありません。花の印象とは異なり果実はかなりの長大なもの。これが割れると中には綿毛を持った細かな種子が出てきます。風に乗って周辺に散布されるため高原の開かれた場所に真っ先に根を下ろし繁茂する典型的な先駆植物とされます。草原の遷移が進むにつれ消滅する運命にあります。