森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

里山は絶滅危惧種の宝庫 ⑥エゾミクリ

2020年08月03日 | 自然観察日記
このミクリは魚沼の小川にあったものを保護して移植したものです。かつては自然の土手で水草も多くミクリもところどころにあった奇麗な水の流れる小川でしたが、コンクリートの護岸に変えられてわずかな隙間にかろうじて生きていたものです。移植して5年ほどたったでしょうか。すっかりなじんでどんどん繁茂してきました。
環境省は指定なし、新潟県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)

エゾミクリの果実

2020年08月03日 | 自然観察日記
数個の膨らんだものが果実で小さなものは受粉が成立しなかったものです。本来ならばほとんどすべてが受粉し成熟するのですが、ここに植栽されたのは1株だけですから遺伝的に受粉が上手くいかないのではないかという水草の専門のS先生の見解です。あるいは、雑種ができることもあり連れてきたものがあまり生殖能力をもたない可能性もあるとのこと。膨らんだ実も種子は形成されていないかもしれません。エゾミクリとしたのもS先生の話を聞いてのことです。