森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ノハラワスレナグサ

2021年01月05日 | 自然観察日記
ムラサキ科の種がもう一種展示されていました。ノハラワスレナグサです。この種は最近野生化したものを見た記憶があり、温室などで出会うのも奇異な感じがするものです。学名Myosotis. alpestrisの 「alpestris」は亜高山の意味だそうで、同じ亜高山帯にみられる種が並んでいましたからこの一環なのだと理解しました。

ノハラワスレナグサの花

2021年01月05日 | 自然観察日記
この種はかなり古くから日本に入っているのだそうで各所に帰化しています。園芸的にワスレナグサとして流通しているのはこの種が主流なのだそうです。同じヨーロッパ産の基本種があり明確に区別するために「真」(シン)をつけてシンワスレナグサという呼ぶことになっているようです。しかし、花は地味ですから園芸的には敬遠されているとのこと。

ノハラワスレナグサの葉

2021年01月05日 | 自然観察日記
ノハラワスレナグサは湿地を好む種と見えて湿地周りに大きな群落を作っているのを時々見かけます。この種の名前の起源になっている悲話は、水辺に生えるこの花を取ろうと誤って流された人が「私を忘れないで!」と言って岸に投げ死んでいったことなのだそうです。水辺に咲かない花ならこの名前は生まれなかったことでしょう。