森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ウスバサイシン

2021年05月04日 | 自然観察日記
西生寺コースから直登し能登見平という場所に出ます。この当たりからスカイラインと並行しながら山頂を目指すようになっています。いわゆる尾根筋に出る感じで左右の展望も期待できるようになります。そんな場所でウスバサイシンに出会いました。県内では広く低山帯に自生しているカンアオイ属の多年草です。コシノカンアオイとの分布の違いを知りたいところですが、あいにくそのような資料を持ち合わせていません。わずかな経験則からするとコシノカンアオイとウスバサイシンとは重ならない気がしています。この弥彦でもより高度の低い場所にコシノカンアオイが沢山出てきましたが、ウスバサイシンは標高の高い場所にわずかに見られました。もちろん周囲にはコシノカンアオイの姿は見られません。とはいえ、100~200m程度で高度差にそれほどの差があるわけでもありませんから逆転している場所もあるかもしれません。

ウスバサイシンの花

2021年05月04日 | 自然観察日記
新潟にはヒメギフチョウは生息していないようですがこのチョウの食草としてしられています。ヒメギフチョウがやや北地系の種のようですからウウスバサイシンの生育域と重なるのでしょう。ギフチョウとヒメギフチョウがすみわけをしているといわれていますが、同じようにカンアオイとウスバサイシンはすみわけをしているのではないかと考えています。

コシノコバイモ

2021年05月04日 | 自然観察日記
小さい種で花の色彩も派手ではないのですが春の山野草としてとても人気の高い種です。ほとんどは花が終わり種子を育てている時期でしたがなぜか一株だけ大木の際に花をつけている個体がありました。開花期がずれてしまうと受粉ができなくなり次世代を残せなくなります。こういう性質の個体は次第に排除されて進化の流れに乗れなくなって消えていくのでしょうか。