森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

クガイソウ 2

2007年08月26日 | 自然観察日記
 ゴマノハグサ科の植物です。輪生する葉が層状になっていることからクガイソウと名づけられたようですが、花のほうには注目が集まらなかった・・。もし花に注目して名づけるなら、尾状の花穂ですから「○○トラノオ」とか付いたかもしれません。
 花穂の下の花から順次上に向かって咲いていきます。こういう形式の花序を無限花序といいます。

クガイソウ 1

2007年08月26日 | 自然観察日記
 夏から秋の高原を彩る野草です。至る所で見られるものですが、この花に出会うと身近な里山でなく奥深い自然の中に来たなぁと思うのが不思議です。細長い花穂は青紫色ですがすがしい感じがします。

オタカラコウ 2

2007年08月25日 | 自然観察日記
 舌状花の数は多くはありませんね。管状花もそれほど多くはありません。ひとつの花穂は数十の花で構成され、それが花軸に沢山つくという構造です。
 ヒマワリはキク科の基本構成(舌状花+管状花)が単一で巨大化した形ですが、オタカラコウなどはキク科の基本構成(舌状花+管状花)がいくつも付いて全体として多数の花を付ける形になっています。
 進化の一つの方向が「花を多数付ける」ということであれば、キク科はその最先端にいるグループ種なのです。

オタカラコウ 1

2007年08月25日 | 自然観察日記
 「雄宝香」と書きます。「雄」はメタカラコウより大きいということなどでわかりますが、「宝香」の意味が残念ながらわかりません。香料の一種なのでしょうが、この花のにおいが関係あるのか、実感としてわかりません。
 標高の高い湿り気の多いところにはよく見られます。時に湿原に大群落を作ってなかなか見ごたえのあるお花畑を見せてくれます。

ギンリョウソウ

2007年08月24日 | 自然観察日記
 これも夏場に多く見られる植物でしょうか。葉緑素を全く持たない腐生植物です。土壌中に存在する腐植(落ち葉などの堆積)を分解し栄養を吸収するという戦略で生きています。これなら薄暗い森の林床にも適応出来ますね。
 物言わぬ植物でも本当にさまざまな工夫を凝らして生きています。命というのは本当に不思議なものです。

ミヤマホツツジ

2007年08月24日 | 自然観察日記
 低山に生えるホツツジの亜高山種で花序が枝分かれしません。雌しべも曲がっているのが特徴です。
 ツツジ科の中では花の形といい遅咲きのかなり異端児の種でしょうか。でも、花の少ない夏場にホツツジを見かかるとホッとします。有毒植物としても知られていますから、花の蜜を吸うのは控えたほうがいいですね。

イブキトラノオ 2

2007年08月23日 | 自然観察日記
 タデ科の植物です。分かりにくいですがこの種は離弁花類で花弁がばらばらになります。以前、オカトラノオを取り上げましたがこちらの「虎の尾」はサクラソウ科で合弁花です。同じ「虎の尾」でもいろいろな花に名前が付けられていて、「ラン」と同じく一貫性がありません。

イブキトラノオ 1

2007年08月23日 | 自然観察日記
 白い尾状の花穂は虎の尾を連想させるのでしょうか。この種も「虎の尾」の名称が付けられました。イブキトラノオといいます。高山の種で同じところにムカゴトラノオもありますが、こちらは少し太めの花穂です。


オオレイジンソウ 2

2007年08月22日 | 自然観察日記
 この花をじっと見ているとエイリアンに見えるとある人が言っていました。いわれてみれば、確かに後頭部が飛び出している映画で見たあの姿に見えなくもない・・。「麗人」とは大変イメージが違います。せっかく高山まで来てエイリアンを連想しても無粋な話、色白の麗人に重ねましょう。
 とにかく不思議な形をした花です。どんな昆虫と契約しているのでしょうか。花粉を運ぶ昆虫については残念ながら知りません。きっとこの花の形と深い関係があることでしょう。
 
ホテルメトロポリタン丸の内

敬老の日 おくりもの



オオレイジンソウ 1

2007年08月22日 | 自然観察日記
 「麗人草」、なかなか粋な名前が付いています。本種は高山性の種で夏山で登山などするとお目にかかれます。キンポウゲ科の植物でトリカブトの仲間に近縁だというのが見た目で分かりますね。

ミソガワソウ 1

2007年08月21日 | 自然観察日記
 ソバナかなと近づいてみるとミソガワソウでした。といっても、一瞬名前が出てこない!私にとってあまり出会ったことがない植物で、まだまだ修行が足りないことを痛感した瞬間です。
 シソ科の植物で花管は上下に裂け下部の花弁(下唇という)に紫の斑点が目立ちます。

モウセンゴケ 2

2007年08月20日 | 自然観察日記
 食虫植物は虫を捕まえて窒素源とし栄養補給をするなどというのは植物界では異色な存在ですね。わざわざ貧栄養のところに住まないで、直ぐ脇には栄養の豊富な場所が沢山あるのですから、そこで生活すればよいのではないかなぁ・・。
 というのは現在の話で、この植物の祖先を生んだ時期はどこもかしこも貧栄養で大湿地帯だったのでしょうね。必死に適応して食虫の遺伝を獲得し今に至っているわけですが、今度は逆に富栄養環境にはなかなか適応できないということになっています。