森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユキグニミツガツツジ つぼみ

2012年05月12日 | 自然観察日記
まさに開花する直前のユキグニミツバツツジの様子です。花を被っていた隣片が脱落しようとしています。先日下田の袴岳の尾根を歩く機会がありましたが、カタクリが終った頃の尾根道にはこういう姿をしたミツバツツジが沢山ありました。まもなくひときわ華やいだ景観を見せてくれるはずです。ここはまだまだ昔の風情を残している場所ですね。

タムシバ

2012年05月11日 | 自然観察日記
三条市の下田地区、高城城址に出かけて見ました。ここはちょうどタムシバの盛りで、尾根沿いに点々と白い花を沢山付けた樹がありました。コブシと混同しやすい種ですが、タムシバは5~6m程度しかならず花の下には緑葉はありません。噛むと甘みがするという話もありますが、自分の経験ではよく分かりませんでした。ところで、この下田地区の五十嵐川沿いには自生のコブシ(キタコブシ)はあるのでしょうか?ごく少数の個体が点在しているようですが、内陸のコブシに似たものはほぼタムシバと考えてもいいでしょう。

コブシ

2012年05月11日 | 自然観察日記
下田を後にすること数分で民家の軒先にコブシの大木がありました。この近辺にもコブシは自生していたようですね。コブシは花の下には緑色をした葉がありますから、タムシバとの区別は簡単です。直径30cm、15mはあろうかという大木です。タムシバはこんなに大きくはなりません。感覚的なのですが、信濃川を挟んで右岸はタムシバが多く左岸はコブシが多い気がします。

ギフチョウ

2012年05月10日 | 自然観察日記
春の女神といわれるギフチョウ、カタクリの季節に姿を見せてカンアオアイに産卵するとまもなく姿を消してしまいます。ひらひらと跳ぶすがたをしばしば目撃はするのですが、これをカメラに収めようとするとなかなか難しい・・・。幸運に恵まれないといい写真にはなれません。今回は幸運だったのでしょうか、一応ピンとは合っているようです。出来れば花の蜜でも吸っている場面が欲しいのですが・・・。
近縁種にヒメギフチョウがいますが、こちらはやや北方性でギフチョウとは住み分けをしているという話になっています。県内にはギフチョウが主ですがヒメギフチョウが混在しているところもあるとか。個体をみても即座には判別しがたい種ですが基本的には食草がことなります。ヒメギフチョウはウスバサイシンを食べます。ウスバサイシンは県内では深山にしかありません。

コツバメ

2012年05月10日 | 自然観察日記
ギフチョウを狙っているところにシジミチョウが割って入りました。コツバメです。羽を開くと綺麗な青色が見えるのですが、樹に止まると決まって翅を閉じてしまいます。目立たない色になっていて保護色と考えられますが、カメラを構える私にとっては愛嬌のないものにしか見えません。

コナラ 雄花

2012年05月09日 | 自然観察日記
コナラの雑木林ならどこにでもあります。そして、この季節、尾状花序はいたるところで見られ、落ちてくると道に塊になって積もっていることさえあります。これだけ大量の雄花ですから花粉症の一つの原因になっているとは思いますが、コナラの花粉で花粉症というのはあまり聞きませんね。

コナラ 雌花

2012年05月09日 | 自然観察日記
ところで雌花を見たことがある人はどれほどいるのでしょうか?ドングリはあまりにも有名ですがその元になる雌しべを確認したことはありますか?当然この季節あるわけです。雄花と共に雌花もすぐそばにあります。ただし、雌花は枝の先端部でそれより下の腋に雄花の尾状花序が出ます。この写真から雌しべの柱頭は2つに分裂していることが分かります。

スミレ ①

2012年05月08日 | 自然観察日記
ごく普通に見聞きしているスミレでも現物を見ていると疑問がわいたり自信がなくなったりします。似たものがなければそれでもいいのですが、どんなものでも類似物があって、ましてや生物となると同じ種でも地方ごとにタイプが違ったりしますから断定するにはかなりの決断がいるものです。スミレも似たものにノジスミレというのがあって、どっちだ?となるとしどろもどろになることがありますね。この個体の全体の雰囲気はノジスミレかなと思って見たのですが、よく観察するとスミレということになるのです。

スミレ ②

2012年05月08日 | 自然観察日記
スミレということになる理由は花弁(側弁)の内側に毛が生えていることです。少し分かりにくいでしょうか。変異も多いのですが、ここに毛が密生していれば、スミレでいいでしょう。細かなことを言い出すと分類することの難しさに出くわします。そういう時は「スミレ」でいいことにします。

フキノトウ 雌雄

2012年05月07日 | 自然観察日記
雪が消えるとワッと出てくるのがフキノトウ。早春は山菜取りのシーズンで人気の高い部類の一つです。公園であろうが民家の庭先であろうが、フキノトウを見ると気楽に採集している姿を見かけます。新潟の人にとってはごくごく普通の道草で採集するのに何の違和感もありません。どんなにとってもほとんど減らない気がしますから、大いに利用したらいいのではないでしょうか。ちょっとだけ春の香りを楽しんでみましょう。
ところで、このフキノトウ雌雄があることをガイドするときに話をするのですが、両者が並んで生えていないと説得力がありません。ここに両方があるのですが、手前は雌株、奥が雄株です。その違いが分かりますか(地下茎で繋がっていますから一塊が同一個体です)。雄花は黄色味がかっていて(花粉のせい)雌花は白っぽくなります。

フキ 雄花

2012年05月07日 | 自然観察日記
雄花は雌花に比べて黄色味が強いのですが、これだけだとわかりにくいでしょうか。でも、花の感じはかなり違うことが分かると思います。

ミミイヌガラシ

2012年05月06日 | 自然観察日記
群馬に出かけた折、目にしていた種ですが何か分からずそのままにしていたものです。桜山公園の片隅にあったアブラナ科の帰化植物。花がかなり小さく、最近見かけるハルザキヤマガラシではないとは思っていましたが、いままでそのままにしていましたがようやく時間を見つけて調べることが出来ました。「ミミイヌガラシ」という名前が付いているヨーロッパ原産の種でした。比較的最近に日本に帰化したようで、関東圏に多いのでしょうか。公園では1ケ所しか見ていませんから、それほど繁茂しているようではありません。

アズマイチゲ

2012年05月05日 | 自然観察日記
長岡の周辺には早春の花としてキクザキイチゲがごく普通にありますが、アズマイチゲもところどころにあります。花だけ見ているとほとんど区別が付かない両種ですが、葉を見るとその違いが分かります。アズマイチゲの葉は2回3出の複葉で、小葉は3つに分裂しています。大きな群生地も他県にはあるようですが、県内ではあるのでしょうか?小さな群落はあってもキクザキイチリンソウのような広がりをもって生育しているところを私は知りません。
イチリンソウの仲間でもう一種「イチリンソウ」の分布も限定的で個体数がめっきり少ないのですが、この3種の住み分けを調べるのも興味あるテーマです。