もう一種ヨモギを取り上げます。ヒトツバヨモギよりははるかに大きく時に2mを超すほどになる代物。ブナ帯に生育するという種ですが里山にもあるヨモギが巨大化したような感じです。葉の付け根にある拓葉の差が決め手ということになってはいますが、私は大きさで検討をつけている程度で明確な差として認識できないでいます。名前の通り確かに大きく群生するところは迫力があります。といってもそういう場所にはあまり遭遇してはいめせん。今回もほかの種と混ざった状態でヨモギの群落としては際立っていたわけではありませんでした。
マイナーな植物です。結構いろいろなところで見る気がするのですが日本海側の亜高山以上に群生するヨモギ属の種で、私が多く山登りをするエリアに生育するようですからしばしば目にすることはむしろ当然のことでしょう。草丈は1ⅿ以上にもなりまとまって生えていますから色鮮やかな高山植物が花を咲かせている季節は逆に目に入らない存在です。引き立て役になってしまっています。そもそもヨモギ属の種は多いのですがどれも同じような存在です。
亜高山帯に生育するコマガタケスグリが実を結んでいました。花は房状に沢山付いたのでしょうが実はまばらに付いていてそろそろ黒く熟し始めています。びっしりと実が付けばそれなりに食欲もわきそうです。以前どこかで口にしたことがあるのですが好んで積極的に食べたいというほどのことではなかったようにぼんやりとした思い出があります。名前の通り酸っぱい実であることは確かです。花は6・7月に黄色味を帯びた小さな花を沢山咲かせます。
葉はカエデの葉のように掌状でスグリの仲間では最も大きな葉を持ちます。2m程度の低木で亜高山帯の林縁に時々見られますが、栂池自然園に行く途中ロープウェイ駅からゴンドラ駅に行く途中のオオシラビソの林の中の道沿いにいい個体がありました。
イチゴ繋がりでゴヨウイチゴです。花はしばしば見てはいますが、果実をまじまじと見ることは少ないもの。このイチゴは亜高山帯に行けば結構自生していますから特に珍しくもないのですがあまり実を沢山つけないのか、実を見るのは久しぶりな気がします。このイチゴもそれほど美味しいものでもありませんから見て楽しむもの。つる性の草本です。
昨年は各所でベニバナイチゴの花を見ました。今回はその花の後の実を見ることができました。キイチゴらしい実でいかにも美味しそう。ここでは口にしませんでした。昔飯豊の大日岳で食べた思い出がありますので、味は脳裏に刻まれています。見て楽しむ果実ですね。霧雨に包まれた湿原内の中にあって魅力的な赤い実は小さいながらもとても美しい造形をしています。
一見、ラズベリーに似ていますね。味はかなり落ちますから代用にはできません。ノウゴウイチゴのように疲れた体を癒してくれるようであったなら、この実に対するイメージもかなり変わっていたことでしょう。若いころの飯豊山での苦行が今更ながら思い出さてます。
前年花期のタイミグがズレて見られなかった花です。新潟県内では出会ったことがありませんから中部山岳地域を含み四国の高山から東北までやや太平洋側に偏った分布をするようです。過去に栂池自然園で観察した記憶がありましたからこの地点は日本海側に最も近い場所の一つなのかもしれません。
シソ科の多年草で独特の香りを持ちます。「ミソガワ」は地名から来ているようです。
シソ科の多年草で独特の香りを持ちます。「ミソガワ」は地名から来ているようです。
ハッカの葉によく似ていますが臭いはいまいち。薬草として利用されていたのでしょうか。資料では亜高山帯などの湿地や河原に多いということです。草丈がかなりありますから全くの別物なのですが、花の一つ一つはラショウモンカズラの花に似ています。