同じ湿原内にアカミノイヌツゲも自生していました。こちらは開花株が多くあり、イヌツゲとの花の季節がズレているように思いました。受粉して雑種が生じないような仕組みなのでしょうか。考えすぎかもしれませんね。
最近、角田山でトキソウを見つけたと興奮気味に話されていた方を思い出しました。トキソウはちょっとした山奥の川沿いの湿った場所や湿原に普通に見られる種という認識で、あまり低地の湿地には自生していないという印象を持っていましたから少し驚きを持って話を聞いていました。そんなトキソウも最近では貴重な花になっています。可愛い花であることもあって湿原のアイドル的な存在になっています。
草丈は10cmほどの種ですから他の種と競合しているときはどれが葉だかとても分かりにくいもの。湿原の中に分け入って写真を撮るわけにもいきませんから満足する写真になかなかなりません。根生葉もありますが茎の途中に葉が出ます。
僅かに咲いている株を見つけてようやく記録しました。経験的には半日陰の森の中の小さな湿った場所で出会うことがほとんどで、開放的な湿原にもカキランの生育拠点があることを再確認できました。花は地味でもなく派手でもなく山野草として典型的な存在といったところ。
全国的にカキランは減少しているそうです。県によっては絶滅危惧種に指定されているとか。そういえば、最近新潟の山野を歩いていてカキランに会う機会が減っているように思います。以前沢山見られた魚沼市の権現堂山の山麓でも気付きませんでした。
7月の中旬ですから湿原は様々な花が咲いていました。そのうちの一つがヒオウギアヤメで各所に小さな群落を作っています。「アヤメ」という名がついていますが水から離れた場所を好むアヤメに比べてグチュグチュの場所に自生しています。カキツバタ同様水を好む種です。