山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

キンモクセイの小径は桃源郷への入り口?

2015-10-03 21:49:17 | 風景
 芭蕉は俳聖と言われるほどの禁欲的な高みにあるが、蕪村は自分の弱さや悲しさに忠実であるため庶民から身近な存在だ。
 その蕪村の山水画は、桃源郷の絵を深めていることでも知られてる。
 そこには、切り立つ山谷があり、静かな小径が続いた奥に粗末な家と百姓らしい人間がいる。

           
 そう言えば、わが家はキンモクセイの香る小径があり、粗末なあばら屋があるのが似ている。
 そして近くに川があり、もちろん山並みに囲まれている。
 昼間もひっそりとしていて人間の声を聞くのも久しぶり。

                            
 キンモクセイの花は数日前に落ちはじめているが、下の小さな小径を緋色に染めている。
 きょうの晴れた空は変幻自在な雲が走り去る。
 雨の前後には霧が立ち込め、ときには山を隠してしまう。

      
 もちろん蕪村の境地には到達できるわけはないが、要するに、わが家は桃源郷にあるのではないかと妄想しているわけだ。
 食べきれないほどの野菜があり、山の恵みがあり、生きやすい条件にあふれている。
 外には赤トンボが群れをなし、内にはコオロギがBGMを流してくれる。
 マスコミから流れてくる殺人事件や芸能情報はとても同じ空の下にある世界とは思えない。

 「桃源の路次の細さよ冬ごもり」(蕪村)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする