雨模様の先日、話題の映画「君の膵臓食べたい」(監督・月川翔)を見に行く。
表題からはホラー映画かもね、とあまり期待していなかったが、青春恋愛映画でもなく、お涙頂戴難病物語でもない、その距離感がさわやかだった。
死にゆく難病のサクラの天真爛漫さと閉じこもりの暗い「ボク」との対照の関係が物語の展開とともに変化していくところが見ものだ。
臓器移植のように死んでも生きているというような、生きることの意味を感じさせる映画でもある。
隣に座っていた人からは嗚咽がしばらく聞こえていた。
原作にはなかった12年後の「ボク」の小栗旬の地味な抑えた演技が光る。
主題歌を作ったミスチルの桜井和寿さんの次の歌詞が秀逸だ。
「思い出の角砂糖を 涙が溶かしちゃわぬように
僕の命と共に尽きるように ちょっとずつ舐めて生きるから」