墨田の錦糸町駅近くに、小さな「千種(チグサ)稲荷神社」があった。
江戸時代からムラの守護神としてあったらしいが、震災や空襲にも被害がなかったことで
今も町会を中心とした「千種講」が丁寧に整備している。
白狐の自由な彫り物がいい。
今まで見てきた稲荷神社の多くが魅力を感じなかったが、下町らしい心意気を感じた。
手水盤の周りに置かれた4匹の狐の石像も自由闊達だ。
狭い稲荷神社にもかかわらず精神の自由さが表現されている気がする。
二対の狐像の表情も優れている。
左側の狐は「玉」を、右側は「鍵」を持っていた。
花火屋の屋号の「玉屋!」「鍵屋!」の掛け声はどうもここから由来しているらしい。
地元の人がこの神社を誇りにしているのが伝わってくる。