山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

裏山でゼンマイにコゴミに

2019-04-20 21:38:42 | 食彩・山菜・きのこ
 和宮様から感染したらしく「ゼンマイ病」となる。裏山の道草山だけでも篭いっぱいの収穫で重い。つい崖もどきの道なき道に突入するのが重症な証拠だ。ついでに「シオデ」も採るが量が足らない。ゼンマイ(ゼンマイ科)の葉柄はタンパク質や炭水化物が豊富、干しゼンマイにはカリウム・カルシウム・カロテンが蓄積される。

        
 全身が綿毛で覆われているゼンマイもある。綿毛とゼンマイの若芽を取り除く。綿毛は真綿と混ぜて「ゼンマイ織」もできるが、きわめて貴重で高価らしい。この綿毛は保温性・防水性・防虫防カビ効果もある。


         
 木陰に植えた「コゴミ」(クサソテツともいう。イワデンダ科)が増えてきた。成長が早くうっかりすると適期をのがしてしまうので毎日チェックが必要だ。そして収穫したらすぐ食べないと食感が落ちる。ワラビやゼンマイより調理は手軽で、アクがないのがいい。
 近隣にさっそく塩茹でしたものを食べてもらう。このへんの集落では栽培をしている人はほとんどいないのでそのシャキシャキした食感の評判が良い。ヤマウド・コゴミ・シオデはオイラの山菜ベスト3なのだ。
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原木降ろしついに終了

2019-04-19 21:06:56 | 出会い・近隣
 2月下旬くらいからシイタケの原木づくりを近隣のMさんが始めてから、ついにきょう、すべての原木を山から降ろし、作業場への運搬を終える。倒木や原木が散乱していた裏山はすっかりきれいになった。
 畑からその作業を見ていてその過酷さとひたむきさに学ぶことが多かった。


            
 1mほどのほだ木を30本ほどいただいたうえに、ひとかかえもあるコナラの木も伐っておいてくれた。このぶっといコナラの木をわざわざ木陰まで運んできたあげく、お金も受け取らない。そうした、真摯な生きざまと心意気がオイラを後押しする。

                  
 帰るときは疲労困憊の表情をしながらも、朝には元気な「出勤」でチェンソーを使い、キャタピラ付きの走行運搬車・ミニクローラーで原木を山から運搬し、それを木材運搬トラックに集積・運搬する、という一連の作業をほぼひとりでやる。孤独な作業だ。
 そしてこれから1万個近くのしいたけ菌駒打ち作業が待っている。お茶の刈り取りが迫っているなか、「おらがいちばん遅れているんだ」と焦りながらも、明るさを絶やさない。
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「ヤマウド」から芽を出したので

2019-04-18 20:40:29 | 農作業・野菜
 ヤマウドの根からなかなか芽が出ないと気をもんでいたところ、突然ぐいと芽を出してきた。あまりに突然だったので、株分けをする余裕もなく「おが粉」を被せることにする。

             
 ヤマウドの畝のまわりに竹の支柱を打ち、ロール状の「畔波(アゼナミ)」で仕切りをしてみた。それから、隣の地域の製材所から「おが粉」をいっぱいもらってきて、畝全体をいっきに上からぶっかける。これでまずはヤマウドの根からの白い部分は長くなるはずだ。早くヤマウドの白い刺身を食いたいとよだれをぬぐう。

 ちなみに、おが粉は基本的にバイオトイレに入れるものとして活用している。糞尿と混じったおが粉を畑の周りに漉き込み熟成している。1年くらいたつと周りの土壌と少しづつ同化していき肥料となっているようだ。
 
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ゼンマイ病再発す

2019-04-17 21:09:28 | 食彩・山菜・きのこ
 ここ数年、体調がおもわしくなかった和宮様は、春の訪れとともにワラビやゼンマイの山菜の勢いにほだされて、ついにゼンマイ病を発症してしまった。急な道草山の斜面を這いつくばり粋のいいゼンマイに手を出すのだった。

    
 炬燵にあたりながらゼンマイのワタを取り除き、食べる本体部分が並べられる。その作業を続けていくと手が黒ずんでしまう。これは今の若い女性からは敬遠される作業だ。次に、釜にたっぷりのお湯に投入する。

       


 茹で上がったゼンマイを天日干しする。茣蓙に一本づつ並べていく。風で飛ばされないよう茣蓙の周りに重しをしておく。1時間ほど干したらゼンマイを揉んでいく。この地道な作業の繰り返しが旨みを誘う。糸のようにカラカラにするため、天気が悪いと炬燵や乾燥機で仕上げにする。ゼンマイ病にかかると一心不乱にこの作業工程に入り込み、さらにゼンマイの収穫をもっとあげようと危険な山に入りこむ。


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稀釈用コーヒーまたもや

2019-04-16 21:03:54 | 特産品・モノ
 2016年からサントリーが発売し出したラテベースの稀釈用コーヒーが堅調だ。今年の1月にサントリーが発売した「香ばしピスタチオ」コーヒー稀釈用を牛乳で割って飲んでみる。残念ながらピスタチオの匂いはよくわからなかった。今まで飲んでいた「甘さ控えめ」のラテベースとの違いがよく分からなかった。期間限定の模索は貴重だがね。

           
 今年の3月に発売したばかりの「ジョージア、猿田彦珈琲監修のコーヒーベース、<抹茶の香り>」も飲んでみる。香りは抹茶の匂いや味がなんとか感じるが、コーヒーと両立するかどうか。販売のコカコーラとしては、「甘さ控えめ」「無糖」に続く3本目。牛乳と割る6倍濃縮で他社との差別化を図る。稀釈コーヒーの戦線はますます激化か。手軽で便利なのでつい手が出てしまうので、和宮様からクレームが来た。
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新宿『中村屋のボース』が遺したもの

2019-04-15 20:10:28 | 読書
 新宿中村屋の歩みは実に波瀾万丈だ。臼井吉見の『安曇野』では中村屋を創業した相馬夫妻を中心として、明治から昭和中期時代を代表とする芸術家や政治家が次々と登場する。例えば、荻原守衛・中村彜・木下尚江など、まさに「中村屋サロン」は歴史的空間の舞台だった。そこに、イギリスの植民地だったインドの独立運動をしていた革命家R・B・ボースを匿う。そのへんのドラマチックな事情をもっと知りたいと、中島岳志『中村屋のボース』(白水社、2005.4)を読み終える。

       
 命がけで亡命してきたボースら革命家を匿い、援助してきたのが、相馬夫妻だけではなく、なんと右翼・国家主義者だった。戦前の代表的な大物フィクサー・頭山満は自宅の隣に中国の孫文を匿い、当時の大物政治家とコンタクトも取る。大東亜の理論的支柱・大川周明はボースを自宅に匿う。戦前の右翼は懐が深いだけではなく、欧米列強によるアジアへの植民地化阻止、アジア各国の独立運動をも支援していた。


                

 頭山満は、中江兆民・吉野作造・大杉栄をはじめ犬養毅ら政治家との有機的な交流があった。頭山満らの支援により、ボースは日本に帰化することで側面からインド独立をめざすことにし、相馬家の娘・俊子と結婚するとともに、「インドカリー」を中村屋に伝授・商品化に成功する。


                 

 著者・中島岳志は、膨大な資料を丹念に整理・分析し、インド解放を死ぬ直前まで賭けてきたボースへの鎮魂の意思を淡々と奏でている。日本に亡命したボースは、頼りとしたその日本が朝鮮をはじめとする植民地化政策をとるという矛盾になんども苦悩する。


                
 そして最終章で、中島氏は静かに問う。「彼はこの<インドカリー>がある限り、<中村屋のボース>として生き続ける。
 R・B・ボースの叫び声は、現在も新宿の真ん中で、日本各地のスーパーやコンビニエンスストアの棚の中で、秘かに発せられ続けている。それは、今日の日本人に対して向けられた<アジアという課題に目をつぶるな!>という叫び声であるように思えてならない。」と。  


 
 
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ほだ木降ろしを手伝う

2019-04-14 19:37:14 | 屋外作業
 すぐ隣で作業していたMさんが伐ったシイタケのほだ木を山から降ろすのを手伝う。ほだ木の下側から降ろすのは危険なのは言うまでもない。ほだ木の上側から下に向けて1本ずつ降ろしていく。太い木は木を抱くようにして持ち上げないと腰を痛める。作業は簡単に見えるが危険が伴う。下に落としたつもりが想定外の足のすぐそばに落ちた。危うく足の指をつぶすところだった。

           
 上側にあったほだ木はかなりなくなってきた。土や枯葉に埋まってしまったほだ木は手では起こさないので、「とび口」を打って引きずり出す。「とび口」の使い方もうまくいけば小さな力で大きな木を運べるが、経験不足でまだ要領を得ない。


                     
 「とび口」は、農機具倉庫の奥に眠っていたので出番を喜んでいたようだった。というのも3年前だったか、引っ越していくという大きな農家からいただいてきたものだった。昔はいかだで木材を運んだときは活躍したものだ。


 ほだ木は下側にずいぶん溜まってきた。しかし下から見るとそうとは見えないのが不思議だ。汗がびっしょりの重労働なので2時間ほどでやめることにする。林業の大変さをあらためて実感するとともに、原木シイタケ栽培の過酷さをもっと認識しなければならないと痛感する。


           
 日本の生シイタケ生産量は1994年の原木栽培が74%だったものが、2013年には菌床栽培のほうが89%と逆転する。味は原木栽培のほうがコクと食感がいい。しかし、高齢化と価格の面で原木シイタケ栽培は絶滅危惧種になりつつある。Mさんの息子も都会で働いていている。
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山を隠した早朝の靄

2019-04-13 20:34:44 | 風景
 朝早く、和宮様が「外が真っ白で見えないぞよ」と大声でのたもう。雪でもあるまいに、とあわてて外に出る。たしかに、いつもくっきり見える山並みが全く見えなかった。


 
 畑の方を見てもいつもの山が消えている。このところ、陽射しは春の暖かさはあるものの風はまだ冷たい。花も咲いていいものかどうか戸惑いが垣間見えるこの頃だ。


                  
 昨夜から茶畑の防霜ファンがうなっていた。この電気代はけっこう痛手なのだ。しかし、霜で茶葉がやられてしまうのを防止すれば安心だ。ひと晩で茶葉が全滅になってしまう。つい最近サヤエンドウが一晩で10株ほどダメになってしまったばかりだ。

  
 靄は霧と同じ現象で視界距離が違うだけ。日光が茶葉に当たると渋み成分の「カテキン」が多くなるが、霧のカーテンで紫外線を遮ると旨み・甘み成分の「テアニン」が多くなるという。昼夜の寒暖差があると、昼間の糖質が夜には消費されずに植物内にとどまる。それで旨みが増していく。山や川の霧が豊富な山間部のお茶が旨い理由はそこにある。靄や霧は歓迎すべき現象なんだなー。
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ぬ・ぬッ、こりゃなんだ!?

2019-04-12 20:20:11 | 特産品・モノ
 すぐ隣の道路に落ちていた正体不明の物体は!? よく見かける乾燥したミミズにしては形が整い過ぎている。
 どうやら生き物ではないらしい。なぜ、これだけがそこにあるのか、当局はついに捜査を開始した。付近の聞き込みならぬ初動捜査として周りを探査していった。すると、10m先にその手掛かりがあった。

       
 10m先の路上にはへこみがありそこに泥や水が溜まっていた。そこを通ったトラックらしきタイヤ痕がそこにあった。鑑識課は先ほどの物体(泥だった)とタイヤ痕が同じであることを解明し発表した。政治家の失言より白黒が明白なことで、当局はホッとしたようだった。
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岸田博士のキシダグモの「婚姻贈呈」

2019-04-11 21:19:38 | 生き物
 畑で石拾いをしていたところ、体が1cmほどの蜘蛛が逃げていった。軍手を外して急いでカメラのシャッターを切る。図鑑を見ても同じものがなかなか見当たらない。ネットで調べたら、どうやら「アズマキシダグモ」(キシダグモ科)らしい。というのも、体の模様も色も変異が多いという。そのため、図鑑に載っている写真には出ていない可能性もあるわけだ。
 アズマキシダグモには、基本型、キスジ型、マダラ型に分けられ、白灰色の模様は「基本型」のようだ。

   
 そのすぐそばに、「キスジ型」のアズマキシダグモもやってきたが、とても同じ蜘蛛には見えなかった。名前の由来は、蜘蛛学の創始者の岸田久吉氏にちなむそうだ。オスは獲物の昆虫を咥えてメスに差し出し、メスが餌を食べている間に交尾をしてしまう。それは「婚姻贈呈」という儀式だそうで、その行為は蜘蛛の中ではアズマキシダグモだけと言われている。
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