一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

多良山系・黒木郷に春を探して ……セリバオウレンが咲き始めました……

2012年02月12日 | 多良山系
週末、長女が孫を連れて遊びに来ている。
「家族より山」という人もいるけれど、
私の場合は、「山より家族」。
娘と孫と過ごす時間は、何ものにも代え難い。
でも……
日曜日の朝の、
娘も孫もまだ寝ている時間なら、出掛けてもイイだろう。(オイオイ)
私の配偶者の体質(性格?)を受け継いでいるらしく、
娘も孫も日曜日はいつも昼近くまで寝ている。(笑)
午前中の外出なら問題ないだろうと、
多良山系の黒木郷へ車を走らせる。
なぜなら、あの花が咲いているかも……と思ったからだ。(コラコラ)

今年は全国各地で大雪のニュースが駆け巡っている。
九州も寒い日が続いているので、春の花の開花も遅れ気味だ。
はたして、あの花は咲いているのか……

ある場所から眺めた黒木郷。
私にとっては桃源郷のようなところ。


今日は雲ひとつ無い晴天。
棚田と青空が美しい。


多良山系の盟主・経ヶ岳。


その男前な姿にほれぼれする。


沢へ降り、私の好きな場所へ行ってみる。


この淵の水は、殊の外美しい。


春になったら、こういう場所で本でも読みながらのんびり過ごしたいね。


毎年セリバオウレンが咲く場所に行ってみると、
土地の所有者らしきおじいさんがいたので、挨拶して、花を鑑賞するため立ち入ることを許可してもらう。
「セリバオウレンやろ、掘って持って帰ってイイよ」
とおじいさん。
「いえいえ、写真を撮るだけですから……」
と、恐縮至極。
まあ、土地の所有者にとっては、
いにしえ人が栽培していて野生化した薬草など、
雑草みたいなものかもしれない。
でも、私たちにとっては、春を告げる貴重な花。
大切にしたい。
ということで花を探すが、まったく咲いていない。
〈時期尚早であったか……〉
と思いつつ探していたら、
枯れた植物の茎に、氷の華を発見。


シモバシラ(別名・雪寄草)など、シソ科の植物に見られる面白い現象。
一見、枯れているように見える植物でも、地下にある茎や根は活動を続けている。
「毛細管現象」によって地下部の茎は根から水分を吸い上げるが、
葉や地上に出ている茎はすでに枯れているため、
地上部に出るとそれより上には吸い上げられない。
地表付近の気温が氷点下になっていると、
水分が一部凍ったりして膨張し、圧力に耐えかねて茎が破裂。
その後もその茎の割れ目から出てくる水分が次々と凍って、
次第に横に広がって霜柱のような状態となる。
それにしても、なんという美しさ。


〈今日は氷の華を見ることができたから、まあいいか……〉
と諦めかけた時、一株のセリバオウレンの花を発見。
まだ蕾が開いたばかりで、とても小さい。
でも美しい!


毎年、この時期に来ているが、
開花時期が微妙に違う。
でも、空振りは一度もない。
いつも一株か二株発見する。
本当に嬉しい。
一斉に咲き出すのは、まだちょっと先になりそうだ。
たくさん咲いている頃にまた来ようと思う。


蝋梅はもう終盤を迎えていた。


アオモジはこれから……


マンサクの花は、蕾がほころびはじめていた。
春は、もうすぐ!

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