私の優しくない先輩
2010年/日本
人間の身体という‘難病’
総合
100点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
高知県のよさこい祭りをモチーフに、難病で余命わずかな少女と、彼女のために情熱のすべてを祭りに注ぐ若者たちの姿を描いた『君が踊る、夏』(香川秀之監督)が現在公開されているが、実話をベースにしていないにしても‘九州の近くのゴミみたいな島’である火蜥蜴島の火祭をモチーフに、‘心房中隔欠損症’という難病を抱えながら妄想の中で健気に生きている主人公西表耶麻子と、彼女のために情熱のすべてをたこ焼きに注ぐ不破風和の姿を描いた作品が『私の優しくない先輩』である。
監督の山本寛はアニメーション監督として有名だそうで(私は不覚にも知らなかった)今回の『私の優しくない先輩』が初めての実写作品である。アニメーション監督が実写を撮る時は誰でも登場人物の‘重さ’に辟易するだろう。当然山本監督もその勝手の違いを実感したようで、いきなり川島海荷をワイヤーで吊るして登場させている。難病を抱える西表耶麻子は畳みかけるようなモノローグで気を紛らわせようと努めており、冒頭で大好きな先輩たちと踊ったりするのであるが、‘現実’はワイヤーで吊るされたり、CGで足が浮いているように見せているだけである。そんな彼女の目の前に現れる人物が金田哲が演じる不破風和先輩である。‘ズクダンズンブングンゲーム’で華麗な身体能力を見せる金田哲でもマットの上で見せるバク転は吹き替えであることが分かり、後半で川島海荷がマットの上で見せるバク転も明らかな吹き替えである。マットの上で言うなら華麗なる技を披露できる元プロレスラーの高田延彦でさえも画面の中では西表耶麻子の父親役としてグダグダに見える。つまりこの作品において最初から最後まで違和感が漂う演出は、決して予算不足や監督の力量不足によるものではなく、普通に生きていれば何も感じないが、アニメーション監督が実写作品を撮る時に感じる人間の‘不自由さ’に依るものなのである。アニメであれば豪邸をバラバラに崩すことなど簡単にできるが、現実の豪邸をバラバラにするにはかなりの手間ひまがかかる。山本監督はこの‘不自由さ’をはっきりと曝すために‘露悪的’な演出に努めているのであり、大林宣彦監督や相米慎二監督を引き合いに出してアイドルの、あるいは長回しの演出が酷いなどと酷評することは、山本監督の演出意図が理解できていない全くの見当違いであろう。明らかに山本監督の視点と大林宣彦監督や相米慎二監督の視点は似て非なるものである。
『君が踊る、夏』との違いは‘難病’が主人公個人のものではなく、人間の身体そのものであるというところにある。その‘難病’の克服がラストの、「MajiでKoiする5秒前」に合わせて出演者全員で踊るカットなしで撮られたシーンである。この身体の自由な謳歌(もちろん高田延彦の踊りの自由さも含めて)がそれまで人間の‘不自由さ’を見せつけられていた観客にカタルシスをもたらす。
噂によるとこの傑作であるはずの作品はこれまでの映画文法に合っていないということで駄作扱いらしい。しかし‘映画文法’に則っていなければ駄作と決めつけられてしまっては才能のある監督ほどやる気をなくしてしまうと思う。今の日本の映画批評こそ何とかしてもらいたいものである。
キングオブコメディ、出来40点も圧勝「キングオブコント2010」 - goo 映画
今回の結果は妥当だと思うが、キングオブコメディよりもピースの方がキャラが
立っているような気がする。ジャルジャルのネタはかなりとんがっていて個人的には
良いと思ったが、確かに万人受けの物ではなかった。それよりも私が疑問に思った
審査は裏番組のフジテレビの『とんねるずのみなさんのおかげでした』で行われて
いた「~博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の方である。誰が
見ても今回の優勝者は菅野美穂の誠実さを完全コピーしていたお笑いコンビ梅小鉢
の高田紗千子だったのではないだろうか 新ネタではなかったから無理なのか