パプリカ
2006年/日本
畳みかけるイメージ
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
早稲田松竹で10月30日から11月5日まで催された「追悼 今敏」は今年8月24日に46歳という若さで早世した監督の代表作である『千年女優』(2001年)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)、そして『パプリカ』(2006年)の3本立の上映という素晴らしいプログラムだった。このように通して観賞することで個々に観るだけでは分からなかった監督が作品内に込めている意図が見えてくることがある。
3作品を通して、登場人物たちはみんな‘仮の姿’を楽しんでいるように見える。『千年女優』の主人公の女優だった藤原千代子は戦時中に一瞬だけかくまった反体制派の男に恋をしたことから女優になり彼の面影を追って生きていくのであるが、ラストで死の間際で千代子が言う「私、あの人を追っかけてる私が好きなんですもの」というセリフは『千年女優』のみならず、今敏監督の全ての作品のテーマと言えるだろう。
『東京ゴッドファーザーズ』は『千年女優』と対照的に中心人物をゴミ捨て場で拾われる赤ん坊にすることで、その赤ん坊を拾ってしまうギンちゃん、ハナちゃん、ミユキのアイデンティティーの揺らぎを作品の推進力として機能させている。ご都合主義と見られても仕方がないシーンは多々あるのだが、今敏監督は敢えて物語のスピード感を選んだと思える。
『パプリカ』においても物語のスピード感は維持されており、刑事である粉川利美の謎解きを頼りに、そのスピードに乗り遅れないように観客は夢が交錯する物語を追うことになる。映像は更にイメージの洪水と化してパレードのシーンは横尾忠則が描くポスターのように見える。
結局ラストで、映画制作を夢みていた粉川利美自身が人生において‘刑事’という役を演じていることを自覚するように、今敏監督は物語の表層を滑走するだけで物語に深く拘泥しない。そのために観客の物語に対する感動は薄らいでしまうのであるが、あくまでも監督の意図は、自身が持つ映画の知識を駆使しながら作り出す、ほとばしるイメージの澎湃にあり、映画とは観て楽しむものであることを観客は改めて知ることになるのである。もうその特異な視点に教われないと思うと残念でならない。
首相、映像流出を陳謝=官房長官、機密保全と領域警備へ法整備―衆院予算委(時事通信) - goo ニュース
「首相は粗大ごみ」=自民・棚橋氏(時事通信) - goo ニュース
相変わらずの菅直人首相の“爆弾発言”には驚かされる。自民党の塩崎恭久
元官房長官の質問に対して一部の国会議員に限り視聴が認められた約7分間の
衝突映像は見ていても、インターネット上に流出した約44分間のビデオ映像は
見ていないと答えてしまっている。このビデオには衝突シーンだけではなく、
中国漁船の違法操業が撮られている。つまり日本の領海内での中国漁船の2つの
違法行為が把握できるのであるが、菅総理はどういうわけなのかこのような中国の
領海侵犯行為に全く興味を示すことがない。自分の目で確認することもせずに
胡錦濤中国国家主席に対してどのように抗議するのであろうか? 情報を集めた
としても、このように首相本人が目を通さないのであるならば、全く情報を集める
意味がないのであるから、情報が集まらなくなるのは当然の帰結である。