ラスト・ソルジャー
2010年/中国=香港
正真正銘のハードボイルド
総合 90点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
ついにジャッキー・チェンもこのような作品を制作するようになったのかと思うと感慨深いものがあるが、もちろんそれはジャッキー・チェンの‘老化’というものではなくて‘成熟’と見倣すべきものである。
紀元前227年の中国の戦国時代の最中、弱小国であった梁の国の名も無き兵士が、敵国の衛の将軍を捕らえることに成功することから物語は始まる。敵国の将軍を捕らえて母国に連れ帰ればかなりの報酬を得られる。兵士の夢は祖国で広大な土地を手に入れて自分の菜の花畑を作ることだった。
しかしここからラストシーンまで評判の悪いグダグダのシーンが続く。梁の国の名も無き兵士と衛の将軍がお互いを騙し合いながら、正体不明の女性や衛の将軍の弟も関与し始めて混乱を招き、兵士の気分次第の場当たり的な行動は観客をウンザリさせてしまうことは間違いないのであるが、それこそ原案者のジャッキー・チェンの魂胆なのである。
ラストシーンで梁の国の名も無き兵士は衛の将軍を自ら漕ぐ舟に乗せて、故郷の梁に到着する。命からがら故郷に戻って来ることができた嬉しさで兵士は自分だけが上陸すると、衛の将軍を舟に乗せたまま10年間戦争を仕掛けてこないということを条件に衛に帰してしまう。実は、またもや気まぐれなのではあるが、兵士は故郷に戻って来られた嬉しさを将軍にも味わって欲しかったのである。
しかし梁は秦に征服されていた。兵士は降服するように促されるのであるが、祖国に菜の花畑を所有することが夢だった兵士にとって、敵に降服して領地を奪われるという選択肢はありえず、誰もがどうでもいいと思うような夢のこだわりだけは気を紛らわせることがないまま固執し続けて、あっさりと殺されてしまう。
この呆けない結末に観客は唖然とさせられてしまうが、よくよく考えてみるならば、この名も無き兵士の気まぐれさと、のらりくらりとした行動が、結果的に衛の将軍に約束を守らせることになり、中国に平和をもたらすことになるのであり、この兵士こそ‘ヒーロー’と讃えられてしかるべきなのであるが、誰も彼のことを知らないのだから讃えようがない。バットマンやスパイダーマンが覆面を被って匿名に徹している理由は、本来‘ヒーロー’という存在が、このように気分や偶然に左右されやすい‘匿名’であるべき存在だからなのであろう。それはジャッキー・チェンが長年自ら危険なスタントをこなしている間に獲得した知恵なのかもしれない。
改めて確認しておきたい。『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(ジョニー・トー監督 2009年)は一見シリアスに見えるパロディのハードボイルドであったが、『ラスト・ソルジャー』は終始ふざけているように見えるが、ラストシーンで男性の涙腺を刺激する正真正銘のハードボイルド作品である。
首相の1%発言で波紋…原口氏疑問・鳩山氏容認(読売新聞) - goo ニュース
鳩山由紀夫前首相は28日、前日に行われた鳩山氏と菅直人首相との会談で、
首相が「(内閣支持率が)1%になっても辞めない」と語ったと報じられた事について
「首相が言ったのではなく(首相の)友達が1%になっても辞めないでと激励した。
間違って報道されている」と述べたらしい。如何してこうも首相周辺から出てくる話は
セコイのだろうか? 今さら首相が言おうと彼の友達が言おうとどっちでもいいような
発言の出処などどこでもいいわけであるし、どうせ言うのならば「「(内閣支持率が)
0%になっても辞めない」という志が表沙汰になればいいのに、結局、この気弱さが
支持率の降下に歯止めがかからない主因なのだと思う。