原題:『Les Oiseaux de Passage』 英題:『Birds of Passage』
監督:オリヴィエ・ランジェ
脚本:オリヴィエ・ランジェ/イヴ・ランジェ
撮影:ミネア・ポペスク
出演:クラリス・デュロスキ/レア・ワルニ/アラン・エロウ/ミリエム・アケディウー
2015年/ベルギー
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016 脚本賞)
小さな「渡り鳥たち」について
10歳の誕生日に主人公のキャシ―は離れて暮らす父親からアヒルの卵を贈られる。アヒルは最初に見た者を母親と認識すると教えられていたが、孵ったアヒルが最初に見た者はキャシ―ではなく彼女の家に遊びに来ていたマルゴーだったことから問題が起こる。
キャシ―はマルゴーにヒナを譲ろうとするが、車イスで生活を送っているマルゴーには難しく、2人はヒナが幸せに暮らせるという「鳥の楽園(Paradis des Oiseaux)」と呼ばれる島を目指して旅をする。
地元から200キロも離れたベルギーのエノー州のソワニ―行政区の「ブレイン・ル・コント(Braine-le-Comte)」にたどり着いた2人は「鳥の楽園」と呼ばれる「ヴィレル湖(Lake Virelles)」にある島まで舟を漕いでいき、ヒナはようやく2人の元から泳いで離れていく。もちろんそれはヒナの自立と同時に2人の女の子の自立をも暗示しているはずである。