原題:『よだかの片想い』
監督:安川有果
脚本:城定秀夫
撮影:趙聖來
出演:松井玲奈/中島歩/藤井美菜/織田梨沙/青木柚/手島実優/池田良/中澤梓佐/三宅弘城
2022年/日本
映画のテーマを雲散霧消させてしまうラストシーンについて
前田アイコが自分の顔の左側にある生まれつきのアザを意識したのはアイコが小学校四年生だった2007年5月7日の授業中で、左前に座っていた男の子がアイコのアザの形を琵琶湖みたいだと言ったことがきっかけだった。アイコは内心自分がみんなの注目を浴びていることが嬉しかったのだが、担任の先生がみんなを叱ったためにアイコは「腫物扱い」されるようになったのである。
そこから現在は大学院生として来年博士課程に進もうとしているアイコは、アイコの手記を映画化するにあたってたまたま出会った映画監督の飛坂逢太と恋に落ちるのだが、飛坂が愛しているのは映画であってアイコではないことをアイコは知ってしまうのである。
そんな時に大学の先輩であるミュウ先輩がバーベキューパーティーで顔に火傷を負ってしまうのであるが、様々な化粧品を試してみてアザが目立たなくなるファンデーションを見つけてアイコにプレゼントするのだが、いや、ちょっと待ってくれと言いたくなる。そんなにきれいにアザが隠せるのならば、最初からそうすれば良かったのではないのかとツッコミを入れたくなってしまうのである。
問題なのはメイクで隠せるアザを持つ女性ではなく、メイクでも隠せないほどの酷いアザを持つ女性を主人公にしなければ映画を制作する意味がないということで、原作は未読なので何とも言えないがハッピーエンドにするために監督が忖度したとしか思えないのである。
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