MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ステップ』

2020-08-11 00:59:04 | goo映画レビュー

原題:『ステップ』
監督:飯塚健
脚本:飯塚健
撮影:川島周
出演:山田孝之/田中里念/白鳥玉季/中野翠咲/伊藤紗莉/広末涼子/余貴美子/國村隼
2020年/日本

正しいステップに至る経緯について

 主人公の武田健一は娘の美紀が1歳半になる時に妻が突然死してしまい、その後、美紀が中学生になるまでの10年間の2人の日々の奮闘が描かれることになるのだが、ここでは妻が亡くなるまでの経緯を想像してみたい。
 2007年4月15日に生まれた美紀を励みに、健一は営業部で優秀な成績を収めていたであろうことは、2008年10月19日にカレンダーに赤いマジックで昇進という文字が書かれていたことから想像がつくのだが、その昇進という字を書いたと思われる妻がその赤いマジックを持ったまま突然亡くなってしまったようで、死因は仕事に一生懸命で子育てを手伝わなかったことで妻にかけた負担が原因になってしまったのではないかと健一が思っていてもおかしくはないだろう。妻が亡くなった後に、総務部に異動を申し出て自分一人で美紀の世話をしたことはそのような意味を持つはずである。満員電車の中に押し込められている健一が映ることからも、本作は男性の仕事のあり方を問うような面もあるように思う。
 村松翠を演じた片岡礼子が一言も発しなかったのが面白いが、最初に美紀が通うことになる保育園のケロ先生が派手な転び方をして、人があんな転び方をするだろうかと考えていたら、ケロ先生を演じていたのが伊藤紗莉だったので、これはヤッテんなと思った。


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