MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『サバービコン 仮面を被った街』

2018-05-15 00:56:40 | goo映画レビュー

原題:『Suburbicon』
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン/ジョージ・クルーニー/グラント・ヘスロヴ
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:マット・デイモン/ジュリアン・ムーア/ジョシュ・ブローリン/オスカー・アイザック
2017年/アメリカ

映画を観賞するまでの複雑な「手続き」について

 コーエン兄弟が脚本を担っているのだからつまらなくはないだろうと思って観に行ったのだが、本当につまらないものになってしまっていた。それがジョージ・クルーニーが監督を務めたことによるのか、あるいはそもそも1986年には仕上がっていた脚本が上手くいっていないとコーエン兄弟が判断したから今日まで撮らずにいて、それをクルーニーが無理して映像化したのかはよく分からない。
 クルーニーの演出は決して悪いとは思わない。例えば、マーガレットが暴漢に襲われるシーンを壁に映る影で現すところなど明らかにヒッチコックを意識したものであろうが、脚本に問題があるとするならばローズとマーガレットを双子に設定したことが上手く活かされていないような気がする。誰かが勘違いするシーンがなければ意味がない。
 しかし不幸なことは続き、実は本作を観る前に同じマット・デイモン主演の『ダウンサイズ』(アレクサンダー・ペイン監督 2017年)を観てしまっており、最後に物語の設定自体に大どんでん返しがあると勘繰ってしまっていたのであるが、予想に反して普通に終わってしまった次第である。つまり「サバ―ビコン」とは「レジャーランド(Leisureland)」のような特別(Special)な街ではなくありふれた(One of them)街だったのである。ありふれた街にありふれた演出では盛り上がりに欠けると思う。


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