遂にスタート。ルマン式だ。
マシンは当然サイドスタンドを外しているので、T中さんが支えている。
各マシンはコースに対して直角ではなく、8耐なんかと同じ並べ方。先頭の方にはオープンクラス(251cc以上、又は250cc以下のレーサー)、次に250クラス、末尾は125クラス。それぞれゼッケン順(受付順と思われる)である。
我がチームはゼッケン「25」なので、250クラスでも後ろの方、全体で見てもかなり後ろなのであまり良い位置では無い。出走38台中30番目位かな?
「セル付きマシンの絶対的有利」なんつって言ってみたりもしたが、冷静に考えると最近のマシンはみんなセル付いてますな。
出走前、ホールショット又は1周目トップで帰ってきたら「T中さんから金津園オゴリ」との約束なので、そりゃ力も入ります。まあ、ホールショットは位置的に絶対無理。
午前11時。対面にいるスタッフが国旗を振り下ろす。マシンまでは10m足らずだが、砂利だらけ! 直ぐに跨りつつエンジンスタート、2速に掻き上げて発進!!! まあまあなスタートではあったが、既に前を行くマシンが多数。ただし坂内4Hの時の様なダンゴでも無いので頭をクールダウンしてガンガン抜きに掛かる。先は長いので無茶は避けて、下り狙い。登りは2stなんかには敵わないし、嵌ってしまうと再スタートに苦労するので。下りの逆バンクや直滑降部分等で稼ぎつつ、最後の河原の直線で全開! ん~?近くに他のマシンがいない?
スタート時に先頭との距離差がありすぎて、どーなってるのか全く判らん。取り敢えずそのまま全開走行を続け、5周位走った時点で燃費走行に切り替え。ナンかピットサイン出てるが、理解不能(爆)。事前に「ライダーチェンジのスパンは、1時間+1周」と打ち合わせしたので、「あと1周?」と大声で聞いてみたが、どうも違うらしい。まあいいか。
暫く周回を続けるとN目君が「あと1周!」と叫んでたので、その通りにピットインしてRすけ君に交代。先刻のピットサインの意味を聞いたら、「現在TOP」との事らしかった。肝心の金津園オゴリは?・・・残念、1周目では2~3位くらい、3周目位でTOPに立ったのだそーで。
第二ライダーのRすけ君はマジで速い。単純に比べれば俺の方がまだ辛うじて速い様だが、悔しいかな、彼は現在オンロードレース野郎。TOFでも入賞する様な実力者である。しかもウェアが時代錯誤。幼少の砌より今は無きテクニカルコース「池の平ワンダーランド」で特訓してきただけの事はある。2位以下を突き放す。また、彼はマシンに文句を言わない。なので彼が走っている間は一番安心できるのである。トラブっても必ず帰ってくる、と。
次はN川君。彼は我がチームが初めて「坂内2daysエンデューロ」に出場した時、マトモに周回すらできなかった。なのに今はかなりアテになる存在だ。問題はRすけ君と違い、マシンに文句を言う事である(爆)。坂内で練習走行をした時も転倒をタイヤのせいにしていたな(ドーン!)。なんか、またエンジンがフケないと言ってるぞ。うるちゃい、文句ばっか言っとらんと、全開で走ってこんかい!(※一応彼の名誉の為に付け加えると、エアクリーナーが水を吸っており、本当に調子が落ちていた。コレは水の浸入対策をし忘れた俺のせいだな。)
T中さんにチェンジ。我がチーム最年長であり、チョイ厄オヤジである。我がチームはこの方の名前を冠しているほどに、我がチームでは最も存在感がある(ボケっぷりに)。しかもチョイ厄にして第一子が誕生したばかり! これはもう息子に生き様を見せ付けるしかあるまい。が、残念、力み過ぎたのか? かなりの数の転倒をした様だ。ピット前を通り過ぎる度にバイクのカタチが変わっていく…? 周回タイムにも相当なバラつきがある。練習走行では後ろから煽ると結構速かったりするんだが・・・? この時点で大体4時間経過。中間リザルトではクラス4位、2位以下同一周回数、トップに1周遅れ。
またRすけ君に交代。実は彼は1日目で帰る事になっているのだ。その分だけ走って貰おうというN目君の采配である。で、この時点で問題が浮上し始めた。この次に走る筈のJロウさんが来ない。土曜日午前中にヤボ用があり、到着が遅れるとの事だったが・・・?
ボチボチ日が暮れ始めた。走行時間を長目に引っ張る。わざわざ灯火装着の為だけにピットインさせる事はできないので、頑張ってもらう。集計ポイントで「ライトオン」の指示も出た様だ。この指示から1時間以内に点灯せねばならないが、「行ける所まで無灯火で」とのサインを出し、ライダーチェンジのタイミングはRすけ君にオマカセする事に。
Rすけ君は連続1時間半走行、もう無灯火も限界・・・。その時Jロウさんが現れた! さすがにイキナリ走る訳にも行かないので、N目君がマシンに跨る。6時間毎のエンジンオイル交換の1回目(MD30はドライサンプの為にオイル交換に時間が掛かる)と同時に前後灯火を装着。どうやらこの頃、ゴルフボールの数をチェックした所、またTOPと同一周回数に返り咲いたらしいのだが・・・。
N目君が帰って来ない。10分が経過・・・。俺は一人で真っ暗な山の中に入る。うーん、過去7回の出場で、徒歩でヘルプに行くのは4~5回目か? 闇雲に歩き回ってもダメな事は判ってるので、取り敢えず叫ぶ。「オーイ!!!」。何度も叫ぶ。すると返事があった。何て言ってるのかは判らないが、声のする方向へ向かう。
最初の登りの直線よりもかなり左の方から声が聞こえるので、下りの途中かと判断して直滑降の辺りへ向かう。声は近付くが、内容までは聞き取れない。下りを逆進する形で歩くが、はたと気が付いた。
これは「橋の少し上」と言っているのでは?
自称「坂内オーソリティ」の俺は、各所のバイパスルートを熟知している。登りの直線を登りきった所にあるコンクリートの橋から少し上に上がった所でN目君とマシンを発見。エンジンが止まってしまったらしい。工具を持ってこなかったのでチェック出来ないが、ウンともスンとも言わないのは電装、しかもメイン系であろう。沈黙したままのXRに跨り、惰性で下りる。
坂を下りきった辺りにT中さんとN川君が工具を持ってヘルプに来てくれていた。#6のチームが教えてくれたらしい(前記事参照)。左サイドカバーを外すとメインヒューズが飛んでいた。どうもコレはメインスイッチが振動で壊れたのが原因の様だ。サージングした結果、ヒューズが飛んだのであろう。実は俺のXR、メインスイッチはトグルスイッチに替えてあるのだ・・・。コレは俺のイジり方がトラブルの原因か。
何れにしてもコース途中での修理は不能、ピットに押して帰る。
心配して帰らずに待っていたRすけ君(実は本職のメカ、但し四つ輪)と共に修理作業、あっさり完了。だが1時間以上のロスになってしまった。N目君再スタート・・・が、それを取り戻そうとカナリ焦っている様子。何度も転倒している様だ、ピットを通り抜ける毎に疲労してる雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。それでも規定時間を走行、お疲れ様でした。
Jロウさんにチェンジ。この人はスゴイ。特にオフロード経験は無かったのだが、ひょんな事からオフロードでも非常にスムーズに走れる事が判明し、可哀そうにこの世界に引きずり込まれてしまった。確実性という意味ではT中さん、N川君、N目君よりも上だ。ピット前を通り抜けるのは振り子の様に正確。
次、俺。少しでも取り戻そうと1時間半を超えて走行、N目君にバトンタッチ。この頃からはまたトラブルも無く進行。なので俺も仮眠。
2時過ぎにマシントラブルとの事で起こされた。チェンジペダルのスプライン部を締めるネジが折れたらしい・・・何で??? このまま走行するとペダルを落とす可能性があるので、折れ込んだボルトを抜きたいとの事だが、一筋縄では抜けないカンジ。なので針金でワイヤリングを施し、万一振動で抜け落ちても無くさない状態にしておいた。
朝4時頃また俺に交代。過去7回走った2daysの内、殆ど毎回この時間帯を走っている。一番辛い時間帯だ。俺は夜間でも殆どペースを落とさないので、明るくなるまではと追い上げの為に2時間を連続走行。先程トラぶったチェンジペダルだが、どうも様子がおかしい。転倒して曲げてしまってケースカバーに当っているだけでも無い様子・・・。暫くガマンして走る。
そんな状態で走行中に登りで2stマシンに抜かれた。コレはチェンジペダルの問題とパワー差なので仕方ない。下りで抜き返し、次周。チェンジが思うように上がらないので、ストレートでのスピードがイマイチ・・・多分これにヤキモキしたのだろう、1本ラインのタイトコーナーでカナリ強引にインに突っ込んで来た挙句に転倒して進路を塞いでくれた。ここをガマンすれば次の長い直線で抜けるのに・・・? ムカッと来て厳しく文句をつけてしまったが、後で自己嫌悪。レースではそんな事は言うべきでは無い。スミマセン。
チェンジペダルはこの後一度ピットに入って修理。その後は問題無し。が、何故か1速に入らなくなった。まあ元々使わないからいいけど。
その後も順調だが、一度ラップされ、尚且つ差を付けられた物を取り戻すのは並大抵では無い。今年は雨が降ってないせいか、各チーム周回数が多い様な気がする。どちらかと言えば「減点制のゲーム」になってる雰囲気。差は縮まらないままにアンカーの俺。俺はスタートをやってるので別のメンバーの方が良い様な・・・? と思いつつ、仮眠してたのを起こされて言い渡されたので、超ローテンションのままマシンに跨る。それなりなペースで周回するが、ナンか時間が長い?(※後で知ったが、1時間半も走っていた)
最後の最後で背後に2stマシンの気配を感じ、直線で抜いていける様にラインを開けた所、アッ、明け方の・・・。
俺も結構なペースで走ってるつもりなのでイキナリ追いつかれる様な事は無い。ピットストップやライダーチェンジの関係だろう。明け方と同じライダーかどうかは判らないが、2stの割りに登りでもそんなに速い訳でも無い。下りでは明らかに俺が速い。しかしコーナー立ち上がりのツキで負けるので苦労。ラインを開ける気配が無いので、またムカーッ。空ぶかしして煽った後、抜いた。が、やはり暫く後で自己嫌悪。抜くなら正々堂々と真っ向勝負、実力で抜かなきゃ。スミマセン。
ん~、俺自身寝起きで走行する場合等は特にそうだが、直ぐにはペースが上がらない。イキナリ真っ暗闇だと全開走行も怖い。なので、実際には自分よりも遅いライダーにラインを譲る事もあるし、あっさり刺される事もある。24時間もの長丁場なので、目先の勝ち負けに捉われてはならない。無理すりゃ最終的に損するのは自分なのだ。抜き抜かれしてるが、「完敗だ~」と思ったのはOPENクラスの1チームだけ。でも速く走れるチームが勝つとは限らないのが「坂内2daysエンデューロ」なんだな。
まあそれでも充分楽しかった。
我がチーム#25田中麗震愚は総合16位/38台、クラス13位/30台、155周走行。主催のクラブオフHPに最終リザルトと中間リザルトが掲載されている。中間リザルトで4Hまでは上位にいるのにその後消えてます(笑)。それでも俺はやりきったので、悔しいけれども結果には納得。[クラブオフからリザルトがUPされた為、加筆しました] 俺自身は合計6時間を超える走行、50周位(そんなに走っていたのか!)、無転倒、ノントラブル。
ちなみに我がXR250は10年落ち! 元々は15年来の友人のN造さんのバイクである。価格は4万円ナリ。彼は既にOFFを辞めてしまったが、一緒に走っていた当時の事が思い出される。それ以来様々な出来事があった。チームの人間には判って貰えると思うが、今回走らせるのを諦めたN目君のXLRも俺らが2daysを走るに当って相応しいマシンだが、俺のXRもそれに勝るとも劣らず、由緒正しき存在なのでは?
※今回の記事で使っている写真は最後の集合写真を除いて全てプロカメラマン夏目健司氏撮影。
本文を読めば想像付くと思うが、我がチームのN目君の事である。俺は版権に関わる仕事をしてるし、大学のゼミなんかでも著作権に関しては非常に厳しく叩き込まれてきた。なのでホントはプロの仕事をここで使ってしまうのはケシカラン事である。が、彼からの善意により提供いただいた物。彼は地元バイク雑誌等で活躍&露出してるので、知ってる人も多いのでは?
高級カメラのお陰で・・・イヤ、N目君のウデか、ドンガメの様な俺の走りですら速そうに見える!!!
彼はレポートや記事も書いてくれますゾ。バイク系が得意ですが、勿論それ以外(エロ系等)もOK! 興味のある方はこのブログにコメント下さい。通常仲介料¥30000の所、当面の間は無料にて紹介します(爆)。
参考過去記事:坂内バイクランドの紹介