端正な祝膳・祈りを共にできる喜び

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■閖上の赤貝
築地に届いた今年の初荷、九個のうちの一つが振る舞われました。
あの震災前は、国内有数の産地であった閖上…去年は築地の仕舞い荷に、やっと届いたものを。今年はもうここにある！
間違いなく、復興は進んでいる！お帰りなさい！未来に点す希望の貝よ！
果てしない復興支援の道を、見守る者に加えてもらえる有り難さ。頑張る大人の一人でいる誇り。この貝を居住まいを正して迎えます。
大人にはすべきことがあり、辛くても意地をはらねばならぬことがある。自分のためではない、誰かと未来のために。
閖上の赤貝は教えてくれます。お涙頂戴ではなく、誇りをもって生きることの苦しさを。だから拍手をもって迎えたい。東日本の海に生きる人達の希望と怒りと祈りに対して。
誕生祝にこれほどの重みはないと思います。共に祈る担い手に選ばれた、大人の一人として、ちゃんと生きていきたいと思った食でした。
■みやこ分店


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端正な祝膳・握り

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素敵な心づくしの鯛は、寿司として全うしてくれました。綺麗な祈り。めでたいって気持ちを、繰り返して重ねて伝えてくれる。
自分もこんなふうに、丁寧に人をもてなせる大人になりたい。ならねば！ これは形にならない最良の贈物だと思うのです。

端正な祝膳・握り

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海老…丸い味（笑）。
沢山、美味しいものを握ってもらったのです。
その頃は箸でなく、手がでてしまうので（笑）、握りの写真は、あと二枚だけにします。


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端正な祝膳８

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■ながすくじらの尾のみ
朱♪ 生命の色♪ なんて美しい色♪
ながすくじらの尾のみ、こんな色をしていたでしょうか？ 私達はミンク位しか知らないのではないかしら。
かつて日本の蛋白質を支えていた鯨。豊かな香と、とろける旨味。
生命を受け取って、生物は生きていく。そのリンクの一つであることに感謝できるなら、伝統食を受け取るべきと、私はおもいます。
津（三重県）で鯨の専門店で食した感動を、語った日のことを、覚えてくれている人がいる。あの日の私がいるなら、いま目の前の課題をどう考える？ 逃げないで向き合う自分でいるように。誕生日のはなむけを、正しく受け止めて、食したい。この鯨には、篤い想いが込められているのです（苦笑）。


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端正な祝膳７

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■うに、あわび、あんきも
きれいな組立。今季初のあんきもは清潔な風味がありました。静かな静かな一皿。されど、重みのある味でした。日本は美味しいです♪


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端正な祝膳６

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■鯛の造り（ごく軽く昆布締にて）
甘い旨さ。しとやかな食感。豊かな鯛の風味。美味しいお造りです。
鯛、2.3 キロにわずかに風味を足すために、仕事をしたとのこと。
新鮮なだけでは立ち行かない魚の旨さ。江戸の寿司職人の求める先は果てしない…食す自分も精進しなくては！ 大人であることの幸せを、誕生祝に意識する。幸せなことと思うのです。


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端正な祝膳５

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■椀：北寄貝
美しい…。はかなくて、されど存在感のある椀。うまうま～。命が延びるように感じます。嬉しいです。


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端正な祝膳４

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■秋刀魚の押し寿司、初銀杏
美しいこと！
手をみているだけで、ため息がでます。
良い香に焼かれた秋刀魚を、具合をみて押していく。秋を思う銀杏。季節を思う端正な食。
私が好きだと、過去に語ったエッセンスを外さない…大事だと思う価値を皿に載せてくれる有り難さ。その難しさが解るからこそ、美味しさも増していくのです。


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端正な祝膳３

■大和いちじくの胡麻和え
カミキリ虫が狙いそう（笑）な見事ないちじく。皮を剥き、静かなたたずまいに。豊かな香の胡麻ソースをあわせて。秋の豊かさを感じます。


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端正な祝膳２

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■松茸の煎り煮
一つまみ、ふくいくたる香がします。口に運ぶと、じんわりと旨味が広がります。丁寧な美しい仕事です。
醤油と出汁で煎り煮にしました、と話す大将。どんっと松茸をだすのとは違う、ゆかしい使い方。こういう形で仕事をしたい…と願う、発展途上人（笑）です、私は。


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