
その場で改めると部品はそろっている。子供向けという事で釘や金属は使わずダボと接着剤だけで組み上げた玩具だ。長年の使用で緩みが来てバラバラになったものと推察した。
部材は殆どが廃材のべニアなのだが、これを機会に無垢の材で作ってみたかったものの板材だけで万円に達しそうだから修復だけにとどめた。使用時に滑るとも言われたから台の裏打ちにゴム板を貼ってスリップ防止とした。これはこれで調子が良い。シリンダーとそれを動かす逆転歯車の合点に合印を入れて外れた時の位置合わせを正確に出来るようにしてから返してきた。ちょっとした手の入れ方で使い勝手は良くなるものである。
可動部は分解可能だが、土台とフレームとなる三枚の板はダボで位置決めしてあるが、今回は接着剤を使わずねじ止めとした。指先に触れても怪我をしないように仕上げておけば問題ないし、この方が長持ちするだろう。



このような木製の動く玩具は木材を選んで製作できればより良い仕上がりが得られるのは判っていても懐具合がいの一番に響くから、どうしても廃材のベニヤ板、奮発して未使用のベニア、てな具合に終わる。心棒やグリップなどの小物はヤマザクラやクルミ材などの間伐材から挽きだせるけれど製材までの手間はかけられず、結局は小物部品用なのだ。