過日、ワークショップ風に実施した「芳香蒸留水作り」で知り合ったKさんから「製茶屑が出たから連絡下さい」との留守電が入っていた。ミカンの花の芳香蒸留水をミカン畑で作っていた折に「お茶の芳香蒸留水はどんなになるのだろう」なんて事を話題にしていたから気を使っていただいたのだ。
製茶ラインに付着した茶葉の清掃屑なのだけれど不潔な物ではないので「捨てられる物なら頂戴」と頼んでもいた物である。電話してさっそくご自宅まで受け取りに行った。頂いた量は30リットルはあるだろうか。茶葉のように乾燥しているかと思っていたけれど乾燥工程の屑だけではないので水分保有量は様々で、これでは数日の保管でカビだらけになってしまう。
もう躊躇も猶予もないから午後一番に蒸留を始めた。とりあえず500mlのペットボトル4本採取を決め、蒸留屑と残りの未使用物は「ボカシ」に作り替えれば品質の良い発酵肥料になりそうに思えた。
肝心の蒸留水だが、微かにお茶系の香りがするが新茶風の香りまでは嗅ぎ取れなかった。しかし爽やかさはあるので軽い消臭液として使えるだろう。少し口に含んでみたけれど「新茶」感はあまりなかった。
比較のために特売品の「番茶」500gでも蒸留水を取り出してみた。香りの程度は僅かに勝るが優劣付け難し、と言うところかもしれない。安い番茶でも作れるという事は「一年中作れる」という事でもあるし、製茶工場からの製造屑事態、容易に手に入る品物でも無いのだ。
番茶の蒸留が終わり蓋を外したところ、茶葉がしっとりしているかと思ったのは外れさらさらした感じのままだった。「へーっ!」と思いつつ両手で摺り合わせてびっくりした。何と掌がスベスベになったのだ。甲の方にも茶葉を当てて撫でるとまあ、不思議膏金賜丸は痔の薬サラサラつるりとなってしまった。新茶製造屑ではそうしなかったので試したかったが、すでにこの時点でボカシ堆肥製造中になってしまったから無理だった。「なんでこうなるの!」茶葉でお肌がつるつるスベスベとは、小生の一大発見で、こんなことがあるから「やってみなけりゃ分からない!」
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蒸留後 番茶で比較 ➡
2リットル製造