トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

採らぬ種子の苗算用

2022-07-11 | 感じるままの回り道
 7月に入って庭のヤマユリが開花してきた。フイールドでは絶滅はしてはいないかも知れないがここ数年来、開花株は見つけていない。この日、小雨模様なのでフイールドには出向かず小雨の切れ間に草取りをしつつ支柱を添えたりとお化け苫屋の手入をしたのだったが、ヤマユリの株元には背丈20cm程度のヤマユリが何本か認められた。雨が上がり濡れた状態が無くなってから丁寧に草取りをして幼苗の確認もしたい。これはばら撒きした種子の発芽だと思っている。
出来た
 山で採種出来たヤマユリはそのまま直播していたのだけれど発芽までには2年近く、開花までには更に数年を要する生理では確認もままならず播種した範囲さえ記憶から消えている手太楽では保全保護とは遠いのだ。そんな折、すぐ上の兄から「今年は多くの発芽があった」との電話で、聞けば床を用意し発芽するまでの2年弱、管理していたのだと言う。やはり無駄な手間暇と思わず手塩に掛けねばならないのだった。

 小生、今期は前年採種したササユリを床蒔きしてみたのだが予想以上の発芽率で「もう少し薄蒔きすれば良かった…」と悔やんでも後の祭り。生育も順調なのでそのまま育てる訳にもいかずポットに上げたのだが7月に入って某企業のビオトープへS先生を通じ半分をお輿入れさせた。フイールドに戻しても開花すれば抜かれる定めなので残りの半分の定植場所に悩む。戻さなければ「種の保存」は不完全だし、戻せば「絶滅」が待っている。

 それはともかく庭のヤマユリも採種用なのだけれど昨季は莢が熟す前に落ちて採種できなかった。今期は人工授粉させてから受精を確認出来たら「えひめAI」を散布しつつ様子を見るつもり。それよりも殺菌剤を散布した方が良いのか、ここも迷う要素はたっぷりある。
 こんな日常では我が頭頂部に黒髪が戻る事は無いだろうと思いつつフイールドにヤマユリやササユリは戻れる要素はあるのだと希望を託したい。ここで閃いた妙案があった。「散骨しました!」とヤマユリやササユリの保護区域に看板表示する案である。これなら気味悪くて近寄りたくもないだろうが自分の土地では無いし、まず誰の粉から撒くのか問題多数でやはり頓挫か・・・。これ、種の保護には秀逸な案だと思うゆり根転生…いいえ輪廻転生、燐肥と成るし球根には大切、違うか。

   

今日のトンボ「コシボソヤンマ初記録!」

2022-07-10 | 小父のお隣さん
 返す返すも落胆の一日になった。未明には雨が上がり曇天、予報は「大雨警報」が出たままでレーダー画像を確認するも怪しい雰囲気だ。結局は出かけるのを躊躇って我がタヌキ小屋の草取りを終わらせたのだった。投票を済ませると本日の予定はなく窓を開放し茣蓙の上でしばしの読書。読んでいたのは「立花隆対話篇 生、死、神秘体験」だったのだが意外と面白かった。氏は遺言で「すでにゴミだから廃棄」と言うような意向を示していたらしいのだが現実は樹木葬だったかと承知している。その意思を醸しだした「知の巨人」の指向形成の一端が見られて共感できた。

 それは別にしてPCを開いたらSさんからのメールがあって「コシボソヤンマ初確認」とあるではないか。時折訪れるS夫妻が見つけS先生が確認したのだとか。フイールドでは「初確認種」となった。生息環境は「木陰が多く緩やかな流れ」とあるから「木陰」も「緩やかな流れ」も一部にはあるものの清流ではないから生息環境になるかどうかは小生には不明だ。
 今のところは「飛来種」として記録しておいたけれど、先日に仕上げた「生物生産緑地としての里山保全活動」の資料に新たに加えつつ、何ともはや「出かけるべきだった・・・」と悔やんでも遅い。姥捨て山での初記録は「千歳一遇」と言えるからである。ハアー、グウーの音も出んY。下記アップはS氏が撮影し送られてきた写真。

     S氏撮影

今日のエッ!品「摘果リンゴのコンポートもどき」

2022-07-10 | 何よりの楽しみ
 庭のリンゴは世話もしなくなっているのだがそれでも今期はグンバイムシが繁殖を始めたから殺虫剤は一回散布した。昨季は処置が遅れて葉の大半が梅雨明けには黄色くなり落葉、そのため果実が大きく成れず美味しさものらなかったのだ。
 昨季の被害なのかどうか今期の結実は少なめで摘果しなく大丈夫かなとも思いつつ見ていたのだが、さすがにピンポン玉大まで育つと一花から生じた集合果は窮屈に見える。そこで簡単に滴下したものの、やはり落した果実がもったいない。そのままにしていても秋口まで青さを保ったままで蟻も喰わないのだ。

 摘果リンゴを食材として利用したのはピクルスや塩昆布漬けなどの常温処理だけだったけれど、どれも「美味しい・旨い」出来とはほど遠かった。遠刈田温泉は東北だからもっと遠く、修学旅行のおりガイドさんがようやく到着する車内で「ここまで遠かった遠かった」とダジャレを言ったのは記憶にある。しかし玄関の鍵の記憶は時々曖昧になるのだ「どこだった⁉どこだった⁉」と。

 木久扇師匠症候群の話は閑話休題、さて今回の摘果リンゴは加熱調理で食してみようと曇天のこの日、キッチンに立った。食べれるか食べれる代物ではないか、作ってみなけりゃ分からない状況では砂糖などを大量に投入するお馬鹿さんにはまだなりたくないから少々甘味がのれば良い程度のつもりで砂糖を加え酢も加えて下味を作る。
 この鍋に摘果リンゴを入れ弱火で煮詰め始めたのだが途中で皮が破裂する果実が出てきたから調理中止。試食してみれば漬物より食べれる感じだ。しかし青リンゴの皮は厚く固いようで実離れさせるとごっそり果肉を剥してしまうのだった。

 鍋の中で常温まで下げてから冷蔵庫に入れたのだが「お茶うけ」にも「食事の一品」にも不足の役回りみたいな「エッ!品」になった。「コンポート」とは言えないので「風」にするか「もどき」をつけるか考えて、ここは「もどき」しかなかった。砂糖濃度は低いけれどお酢入りなので保存時間は伸びるだろう。まあ、ボチボチつまみ食いで消費する。
 世はSDGs大流行りのようだが、そんな大層な事で考えなくとも「食べれる物は残さず食べる」で十分だろう。

暑さの夏はヨタヨタ歩き・・・

2022-07-09 | 水辺環境の保全
 春先頃から「改良しなければ・・・」と考えていた上の池の一辺にようやく着手したのだ。まずは護岸木を集めねばならず、これは春先に水域の改善作業を行った折に出た中古材なのだ。使い古しであっても土の中に埋まっていた事もあり心材までしっかりしているので廃棄するような材でも無いのだった。
 これを3カ所から3本曳いてきて護岸木に再使用するのである。掛け矢がまだ戻っていないので杭を打つのに胴突きで打った。水底に打ち込む場所なのでこれでも十分間に合う。

 護岸木を並べ杭で固定してから浚渫土で埋め立てし陸地を形成し始めたものの、半分程度まで来たところでジョレンの先で折れてしまった。これでは作業続行は不可能で早仕舞した。帰路はそのままホームセンターまで行ってジョレンと土嚢袋を購入する。
 長柄のジョレンはどうしても必要な道具で、これが有るから立ち位置から3m先までの泥浚いが可能になる。通常の柄のジョレンでは役に立たないのである。

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緊急事態!池の水、全部抜く

2022-07-08 | 水辺環境の保全
 雨は上がったけれどフイールドは濡れたまま。スリップが怖いのでお化け苫屋となった我がタヌキ小屋の草取りにした。草茫茫のスイッチョンの住処でも構わない小生だけれど他人の目が気になる小心者なのだった。「さあ、やるぞ!」とたまたま池の中に視線が行ったのだが、あろうことか見てしまったのであった。水底を横切る縞々の魚。「あらーっ、見てたのねー」と言ったかどうかは水の中だから不明だったが姿は明らかだ。

 自由遊泳を許しているのはメダカ、ドジョウ、タナゴの三種だけでヨシノボリは同居させられない掟がある。このヨシノボリ、生簀で囚われの身にしてあったのだが越冬明けの3月、生簀の中を見たけれど姿が無い。たまにはモエビやメダカを投入してはいたものの冬場の給餌は少なかった。そんなことで死んだのかと思いつつ「骨が無い」とも思いつつ「逃亡した」とは全く思わなかった。以前の飼育環境下ではペットボトルの集合住宅式で小さい穴から逃亡した事があって、それも3匹なのでこれでは大事なタナゴを捕食全滅させれる緊急事態、この時は急遽、池の水を抜き大捜索の末に確保したのだった。

 その反省に立ち製作した縦型生簀だから隙間は無いし水面から15cmも鉢底ネットの塀がある。でも良ーく考えてみればヨシノボリは岩を登るのだった。たかだか15cmのプラ塀を越える事は出来ない相談でもなさそうなのだし、現に脱出し魚体も越冬中の3倍程度の体長になっている。この捕食者となる危険生物を同居させる理由は二枚貝の繁殖用で貝の幼生の寄宿主になるために必要なのであってドジョウやメダカでは駄目らしい。
 しかしながら、カワニナやマシジミは繁殖を続け世代交代しているけれどマツカサガイやドブガイの様な大型二枚貝の稚貝は見てはいない。室内水槽で産卵し稚貝になった記事は記憶にあるけれど、そもそも産卵しているのかさえも不明なのである。

 今回も逃亡犯の確保は更に急がねばならない理由があるし躊躇もあった。それはタナゴの繁殖期で稚魚が出る時期でもあるから水抜きをすれば排水と共に稚魚を失う恐れがある。しかし除くのが遅れれば稚魚が発生していなくても親魚が腹に収まる心配もあるし稚魚がいれば格好のご馳走になってしまう。既に昼近くだったけれどもう躊躇はせずに水抜きに池に入った。
 水を減らして逃亡犯キンブルを確保する事に加え、ひときわ大きい魚体の1匹をも確保し確かめたかったのもある。同種のタナゴとも思えない圧倒的な大きさで「ギンブナが何故混入しているのか?」と思い続けていた1匹なのだ。

 最初に大きい一匹を捕獲し観察容器に入れて観る。種類は不明だがタナゴに見える。しかし1匹だけ何故斯様に大きいのかが分からない。池の魚群は郷里の次兄が干上がりそうな用水路から救出した魚群で庭で飼育していたのを譲ってもらったのだが記録上は現存する3種類のどれかになるけれど図鑑と比較しても判断できなかった。
 今期、産卵管の確認が出来ず「繁殖年齢ではなくなったかも?」と次兄に入手できないか訊ねたのだが干上がりが何度かあって絶滅しているとの話だった。
 しかし、この大タナゴを観察ケースに入れた際、比較のために一匹入れたのだが産卵管の出ているメスだった。今期は何度か箱眼鏡や水中撮影で産卵管の確認をしたけれど出来なかった。これで稚魚の発生の可能性が出たと少々「怪我の光明」みたいに思えた。
 産卵飼育体を得るのに近くの遊水地で初めて「タナゴ釣り」を試み確証は得たから頼む事も購入することも必要は無くなった。まあ、必要は努力で満たされる。

 さて、水抜きしながら感じたのは初夏まであれほど悩まされたアオミドロが衰退していたという事実だ。カワニナはアオミドロ退治に全く役立たずだったからフイールドの棚田からツブを10個ほど拾い池に入れて観た結果なのかは分からない。
 と言うのも某企業の構内ビオトープの見学に行った際、マツモを頂いてこれも池に入れたからだ。ホームセンターで購入した金魚藻はカワニナに食害され消えたけれどマツモには口をつけない。マツモは増えるばかりであるがタナゴの稚魚が出ればシェルターとなってくれるはずで、その前に投入したホテイソウよりは稚魚のシェルターとしての環境は良さそうだ。
 水面から見える範囲でもヤゴが脱皮した抜け殻が幾つも見えたりするから繁殖力旺盛なマツモでも庭の池なら抑制管理ができるし何よりも綺麗に見えて丈夫なのが良い。

 ヨシノボリを確保できてタライに掬い上げていたタナゴを池に戻した後に数匹のメダカが残ったのだが一匹だけ姿が異なる。「もしや⁉」と思い観察ケースに入れたらピンポーン!だった。10mmほどのタナゴの稚魚だったから庭の池で繁殖が出来る事を確認できたのだ。ほぼ自然繁殖に近い。
 これで浮揚水槽でのローテーションや人工母貝で稚魚を採る手間が必要なくなった。母貝の健康を考えた給餌だけに集中できる。稚魚は結果だけでしかないのだ。まだ7月に入ったばかりだし産卵管は確認できたしで、まだしばらくは産卵を期待できるからもう今日の作業のウンザリは忘れた。ノンアルコールビールと380円の寿司パックを奢らねば・・・。

集大成と言うべきか・・・

2022-07-07 | 今日は真面目に
 出来上がり期日を決めていたわけでもないものの照らし合わせの確認推敲作業の煩雑さにいささかゲンナリしてきた。もともと専門性のある小生では無いので「図鑑に照らして、ネットで確認して」の煩雑さは天の川みたいだ。行き着く先に「織姫」でもいるのならともかく無計画に拡張してきたツケが収拾もつかない広さを持って眼前にある。
 猛暑にも辟易し妄想に逃避すれば「織姫ではなく飛天の舞う空間に入ってしまってその奥には阿弥陀様・・・」これはいかんと背筋の冷気に目覚め現実に戻ったのだった。それでは「上がり違い」と言うものでクワバラクワバラ、バイアグラ。

 伝承では織姫と彦星の出会いに二通りあるそうで織姫が渡るのと彦星が渡るのの違いなのだそうだがアマゾネス国と女護島の違いなのかどうか。どちらにしろ「若き血潮」の世代の話であって高齢者では天の川ならぬ三途の川に切り替わる。短冊も「ピンピンコロリ」やら「死んでも命がある様に」とか…。ところで寂聴さん、あの高僧の今際と同じだったとか、さすが文学者、推敲に推敲を重ねた旅立ちの文脈だったに違いない。すべてから解き放たれた今、黄泉路で吟行などしつつ道草喰っているのだろうな。
 まあ、悠久久遠の世界、寂聴に到達するのに努力はいらない。解き放たれているのだから…。

 さて、解き放たれず迷宮・ブラックホールに陥った小生の解決策は全く持って簡単至極、ちゃぶ台返しをすれば良い。とはいうもののある程度の品質保持の責任はあるので猛暑日に続く真夏日に夏季集中作業として結末をみた。最終作業は「チョウの確認種とその食草を一致させて載せる」事だったのだが、これも結構毛だらけ猫灰だらけ屋根やのふんどし洩れチンだらけと小生もだれてしまった。
 そんなこんなで最終項の「蜜源・花粉源植物開花期一覧表」の手直しまでには至らず製本して終わり。どだい植物の博識もない身上で取り組む事事態に無理があるのだが是非とも加えたい一項でもあった。

 まあ、結果は惨敗、とまでは言えず「よく健闘しました花丸!」と爺我自賛だ。配布先も大変手間暇をかけ資料提供や同定など煩わせてしまったS先生とSさんへ3部、同じ里山保全活動をしている兄たちへ2部、県の自然保護課とフイールドの担当課の森林整備課へ1部づつ、会の代表と時折観察に見えて情報交換するS夫妻へ1部と自分用に1部、とまあ10部もあれば事足りるのだが一応15部作製した。
 これに要したインク代は2セットで万札、印刷用紙は校正や書き加えの度に印刷して確認する必要があったから1冊34枚となって15部製本では千枚は要しただろうから千円程度か。

 出来上がった内容は極めて爺我自賛、独りよがりの類いではあるけれどフイールドの現状をある程度の精度をを伴って記録したのは皆無である以上、多少は社会貢献の一助になるかなの自負は持とう。小生らしくもなく生真面目に言えばこの資料は「before」である事、間違いないのだ。「after」の事は判るはずも無く言うなれば「我が踏み跡はあってもその先に踏み跡は無い」てなもんや三度笠。
 台風の余波で土砂降りの日、こんな日は駐車場が空いているだろうと県庁まで出かけ担当課と自然保護課に1部づつ置いてきた。活用できるに足る資料かどうかは別にして小生の自己満足は満たされたのだった。誰も「ヨチヨチ!」なんて言いつつ禿げ頭を撫でてはくれない身上、爺我自賛で自己肯定感を高めないと姥捨て山で泣く羽目になる。
 寂聴さんなら「爺!泣きなされ泣きなされガハハハッ!」呵々大笑するだろう。それとも微笑むだけなのか、また妄想の世界に浸ってしまったY。知的作業に脳味噌使い過ぎて回路が妖しい。

      

今日のエッ!品「スプーン一杯の幸せ」

2022-07-06 | 何よりの楽しみ
 諸物価高騰の折りでは空っ茶が倣いになってしまったもののたまには口が寂しくなる。しかしスーパーの棚を巡っても食べたいと思える品は無いのだ。ちょっと摘まみたい時に切干芋は好みだけれど高級品になってしまい年金生活者では財布を出せなくなった。冷凍カボチャを「チン」する手もあるものの煩わしくも感じてしまう。
 こんな時には郷里の豆菓子が食べたくなるのだが次姉の話だと「御夫婦は高齢になって製造販売を止めようと言う話が出ている。」と聞いたのは数年前だ。ところがたまたま勝手に現れたネット広告にその商品がでて懐かしくてホームページを開いたらどうもお孫さんが後を継いだようなのであった。

 通販もしていたから購入できるのだが少々高めだ。当地にも豆菓子専門店はあるけれど寄った事は無く「さーて…」と思案嘆く首、いいえ思案投げ首して思い至った「そうか小豆がある」。棚の奥には糀小豆を作るための一袋があったはずだ。早速、取り出し洗豆し浸け水のまま冷蔵庫で丸1日、ふっくらと膨らんだ小豆をフライパンでコトコト煮たてる事30分、ゆで汁と分け砂糖50gに塩少々を加えフライパンで軽く絡めて出来上がり。

 甘納豆や粒餡ほどの甘さは無く軽い甘味に小豆の風味が引き立ったエッ!品に仕上がった。大匙で口に運べば至福のひと時である。頂くお茶は高級煎茶や抹茶でも無く粉末茶であるのがご愛嬌だが小生なりのSDGsなのである。早く言えば横着…。これに味をしめて大豆で作ってみる気になってきた。
 思い起こせば幼少のみぎり祖母は囲炉裏で大豆を炒って糖蜜を絡め豆菓子を作ってくれたものだ。当時、白砂糖は冠婚葬祭の引き出物として普通だったのだが、いわゆる貴重品の名残りだったのだろう。この砂糖を使ったおやつには炒った麦子粉に砂糖を加えた「こうせん」や「胡麻砂糖」などがあった。どれも折り紙大に切った新聞紙に載せて渡されたのを舐めて味わっていたのだった。

 「こうせん」で通じるのか気になって検索してみたら「麦焦がし」や「はったい粉」と言われている物だった。落雁の材料でもあるのだそうで、道理で落雁は小生の大好物。お茶うけに最適に思えたが高い・・・。石臼があるから大麦から作ろうか⁉。大麦を探すのも一苦労だがここでビビビツときた。はったい粉のフォカッチャやビスコッテイはさぞかし美味しくなるだろうと。あーあ、妄想は尽きること無し。

          

氏か育ちか・・・

2022-07-05 | 蝶の食草園
 学生の頃「双子の生育研究」だったかどうか「一卵性双生児を異なった環境で育てて比較する」研究の講義を受けた事があった。詳細は既に全く忘れてはいるけれど食草園と庭の明日葉の違いを見て思いだしたのだ。
 食草園の明日葉はキアゲハの幼虫に食べられもせず他の虫の食害も受けずに立派に育っているのだが、同じ親からの同時期の種で育てた、いわば双子の株は食害され無残な姿になってしまった。株の中央部からは新葉が出た来たけれど、これでは明日葉の試食も出来ない。

 「氏か育ちか」の命題の解は、こと二株の明日葉に限って判ずれば「育ち」なのであった。自宅の庭もお化け屋敷の一画なのでそこだけは野地状態だけれど少々俯瞰的に見れば住宅地の中なのでフイールドほどの植生には恵まれていない。いきおい、食料が潤沢な環境とは言えずフイールドでは選択順位が低い明日葉であっても住宅地では高くなるのだろう。ほんと、あしたば迷惑だY。

 我が幼少のみぎりを振り返って観れば敗戦後の食糧難、母の背におぶさっていた当時、買い出しの人が吾の持っている「お握りを羨ましそうに見ていた」とは母から聞いた話だ。でも農村部だから食料事情が良かった訳でも無く食べ盛り・通学盛りになると家計は苦しくバッカリ食も増え選択の余地など無かった。「食べられるなら何でも食べる」「贅沢は無しだ」が普通だった。現代はと言うと自給率3割台だと言うのに廃棄率は目ん玉飛び出る。

    フイールドの株       庭の株


S先生の青天の霹靂!驚愕の事実…

2022-07-04 | 小父のお隣さん
 3日曇天、久しぶりのS先生とSさんが来場。今期初見の4種を確認してから先日設えたBeeホテルに新規お客様が来ないとボヤキを言いつつ案内したのはいつも通りだ。
 昨年に設え、全く利用されなかった蜂満総社の悪戯防止用の金網を外したらブンブン群れるようになった前を通り「金気は嫌うのですね・・・」なんて四方山話の後、新設の2戸へ行った。ここも古い梁材の蜂満神社には群れていたのだが新設には寄って行かない。

 眺めていたらハキリバチではない蜂が青虫、と言うより白虫を稈の空間に引き入れるところだった。慌てて先生を呼んだのだがS先生はしばらく絶句だ。ようやく「ジガバチが稈を利用するなど知らなかった…」と言うではないか。ジガバチと言われれば小生にも思いだすシーンはある。地面の穴に幼虫を引きずり込む姿で、これは畑の草取りなどの折りに何回か見ているから知っていた。
 事はそれだけでは済まず、帰路は蜂満総社の前を再び通ったのだが、この裏側の稈にもジガバチが幼虫を引きこむ姿を見たのだ。先生はしばらく観察していたのだがジガバチは総社の前の地面に降りては巣房に戻る事を繰り返している。観察結果から「土の細粒を運んで巣房の蓋をしている」と結論付けた。
 思うに違う個体が離れたところで専門家でも承知していない行為を同時にしていた事は「思いがけない事」であったにしろジガバチにとっては特別の行動とは言えぬ習性の範囲にあるだろうと小生でも推測できたのだが知っている立場ほどビックリ仰天の事態なのだろうとこれも推測・・・。

 ドロバチの類は泥や松脂で閉じているのだが泥を扱わないジガバチは閉じるのをどうするかが興味の焦点でもあったのだ。知らないという事は恐ろしい事で、先生はビックリ仰天していても小生は「ハアーそうですかぁ」とそれほどの重大事とは思えず温度差ありありで、先生は「蜂の専門の友人に尋ねてみます。承知している事なのか専門家でも知らなかった習性なのか分かります」との事。今回の顛末は次回の楽しみになった。

 さて表題に「青天の霹靂・驚愕の事実」と入れたが科学的視点で正確を期すれば「曇天の霹靂・共学の事実」でありまして、場面描写に創作が入ってしまい誠に遺憾でありました。偏に小生の不明無知の表れでお詫び申し上げます。
 ジガバチが地中ではなく竹の稈を巣房にした驚愕?の事実は本邦初、若干3名で直視し、写真で確認も出来るのでとりあえず掲載しました。こういう事を「共学」と言うのでしょうか。

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 蜂満神社を皮切りに蜂満大社・蜂満総社。高層丸太ホテル「Beeサーチ」「Beeビトン」などを設置してきたのだが「金気は嫌う」事や「ジガバチも利用する」こと「新しい稈は喜ばれない」など、設えてみてはじめて確認できた実態もあると言う事だけでも設えた価値はあったと言える。やってみなけりゃ解らない「社会生物大実験」の結果でありました。
 このことで「単種追求」の楽しみと言うか面白味と言うべきか、例えば「コクゾウムシだけ」と言うような姿勢が分かったような気がする。コクゾウムシにも壁があって壁の向こうは新たなコクゾウムシの宇宙、なんちゃってトンデレラ。

今日のトンボ「新たな発生、四種確認できた」

2022-07-03 | 小父のお隣さん
 トンボのシーズン突入と言うべきなのだろう。今日3日、水域を一回りするだけでマルタンヤンマ、コシアキトンボ、オニヤンマ、タカネトンボの視認が出来たのだ。S先生とSさんも立ち会って確認できたから間違いはない。
 このうち「オニヤンマ」既に見たとして記録していたのだが撮影できてはおらず小生の視認力だけではおぼつかない。しかし小生が採集した泥まみれの抜け殻で「オニヤンマの羽化」を先生が確認。マルタンヤンマも抜け殻で確認できたのだが、これに先立つ事小一時間前、葦抜去のため泥水池へ入ろうとした折に沈泥池で見かけたのがマルタンヤンマだったのだ。これは毎月第一日曜日に「植物観察記録」のために入山して来るメンバーの一人が撮影していたから間違いない。

 コシアキトンボとタカネトンボは前日になる2日、Sさんが上の池と林接池で視認していてメールが入っている。この種は一日遅れで小生の初見日になった。コシアキトンボは上の池で飛翔中、一匹だけなのだが飛来種として何期目だろうか、まだ繁殖はしていない。
 タカネトンボは林接池で目前を周回しつつホバリングしつつ楽しませてくれた。この池のコンセプトはタカネトンボ用に設えたのであたり前田のクラッカーとまあ、祝着至極である。昨日のSさんの情報で立ち寄った林接池であるけれど、タカネトンボが飛来する前から飛来している最中にもヤブヤンマの産卵が続いていた。10分とか15分とかの長い間、写真を撮られつつも逃げるそぶりも無く産卵を続けていた個体だ。昨季のタカネトンボの産卵も長時間観察出来て、大いにストレス発散できたのだった。
 所見のトンボはどれも撮影できずヤブヤンマの写真だけになったが、飛翔しているだけでは小生にカメラに負えない。

  

 林接池のヤナギに倒木にいたイトトンボ、翅が広がっておらず羽化トラブルの様なのだが種類が判明しない。アジアイトトンボなのかどうか同じ種と思われるイトトンボが水域の広範囲で確認できている今期なのだが全長はアジアイトトンボやモートンイトトンボの図鑑表示30mm程度よりやや大きく今のところ種は未詳なのだ。
 まあ、種の同定・帰属より種の多様性の方が大切、てなもんや三度笠。

泥水池4のカサスゲ抜去

2022-07-03 | 水辺環境の保全
 梅雨明けを思わせるような一日の始まり。窓と言う窓を開け放った8時のリビングは31℃の気温だ。多少は風があるから蒸し暑さからは救われているがフイールドに行けば33℃くらいにはなるだろうと覚悟して出かけた。この日は胴長を装着して泥水池4のカサスゲ抜去の予定なので真夏日は有難くは無い。最終的にこの日の最高気温は34.6℃を記録したから今期最高気温だろう。

 池に入る前に胴長を装着。これだけで胸から下が蒸れて来る感がありありだ。長靴では立ち入れない深さなので我慢我慢の草取りである。4本鍬とスコップを用意して池に入る。両手で抜ききれない場合は鍬で揺すって持ち上げるか固い基盤層に根が入り込んでいるならスコップで掘り取るしかないこの作業の定めなのであった。
 幸いにも泥の堆積が進んで中央部は楽に抜き取れたのだが池の周囲に行くほど基盤層がむき出しになるので根はこの中に侵入している。それでも長年の維持管理で基盤層も水分を含み肘が痛い事を除けば何とか道具を多用せず抜去できたのだ。

 カサスゲの侵入を許せばその期だけで池全面に繁殖してしまうし、泥水池4は水域の最終段でもあるからヒシが水域全体に繁殖しないよう最下段だけ存在させてはいたが、この種を上流部に投げ込む輩もいて植生の管理上、ヒシは撤去する事にしたのだが、遅れて発芽する種子も有って数年はヒシの排除も続く。今回も10株程度抜去した。
 今期、モリアオガエルの産卵が少ない様に思えたのだが低い場所に1卵塊あった。だらだらと産卵が長引くのは近年の傾向だ。昔はもっと短期間に集中していたような気もするのだが記録していないので確信は無い。

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棚田部エコトーンの修復

2022-07-02 | 水辺環境の保全
 水域の棚田部エコトーンが田植えに合わせて完膚なきまでに刈り払われてしまった。地上部が少しだけでも残っていれば再生復活できたのだが軟らかい地盤ゆえに根部まで刈り払われては復活できるはずも無い。結果としてウシノヒタイやキシュウスズメノヒエなどが我が意を得たり、とばかり一斉に発芽してしまった。
 見守っていさえすればそれなりに繁茂して一応はエコトーンとしての機能は果たせるけれど蜜や花粉の提供までとなると寂しい限りなのでカサスゲの抜去が早めに済んだから泥水池3から繁茂しているミソハギを抜いてそのまま泥に押し込んだ。荒っぽい方法だけれど水分は潤沢だし枯れることなく復活するはずで旧盆の頃までにはしっかり直立してくれるだろう。

 水辺や草地部分は「生物生産緑地」で小生にとっては「畑」以上の認識で維持管理している事はまず理解されない。「雑草」「うざったい」「邪魔」等々がストレートな心情みたいで、だから手ぐすね引いて刈り払える機会を待っているようなものなのであろう。里山保全は生命体保全ネットワークの基盤であり中核をなすなんて考える事もないであろう。
 一見、夏草の茂った草叢であってもそこには長年かけて手を入れて直播したり育てた苗の定植や選択的刈り取りで植生コントロールしていることなどは見えない作業でもあるから「伸びた雑草は刈る!」と言う単視眼では俯瞰は出来ないし、この落差は埋めようがないのがようやく解りかけて来た、と自らに言い聞かせるだけである。
 暑い夏は植物の伸びが良いから増々熱くなりそうです。

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香煎、麦焦がし、はったい粉

2022-07-01 | 今日は真面目に
 ナビを頼りに市内の販売している店の住所まで行ったのだが全く関係のない社名になっていた。これでは目当ての電話番号にかけても無理だろうと帰宅。時折通る道路わきの店舗が「世界の調理材料店」と看板を出していたので立ち寄ってみたけれど販売員は知らなかったので頓挫。
 結局は通販で購入する事にし、待つ事一週間、ようやく到着した。色々と試作して見たいので4kgを購入する。受け取ったのが16時頃で早速試食する事にした。昔ながらの子ども時代に食べていたレシピは「水で捏ね砂糖を入れて熱湯を注ぎもったりとなるようにかいてから食べる」のだったが、それは合点承知の助でしかない。試作の手始めは豆乳ヨーグルトで練ってみた。自分の口に入れるより先に池のタナゴとドジョウに与えてみる。食べる様なら香ばしさを活かしてタナゴ釣りの練り餌にも使いたい。

 池の底に沈んだ団子には一旦は集まったもののすぐに散ってしまった。どうも警戒されたようなのだが一匹が食べ始めたら次々と寄ってきて、さながら満漢全席の様相だった。練り餌に使えるのは確認できた。残りは我が身で試食なのだが砂糖少なめに豆乳ヨーグルトではお世辞にも美味しいとは言えない。そこでリンゴの摺り下ろしを加えたら抜群の効果。
 このように果物のすりおろしや果汁を加えれば離乳食やら病中病後の滋養食、あるいは健康食としてバリエーションが期待できる。香煎そのものは小麦粉より栄養成分が豊かなのに加え消化もし易い。今、流行だとかいうオートミールより美味しいし山行の行動食や非常食にも用途は期待できると小生は思っている。
 そんなこんなで夕食はお椀一杯の練り香煎で終わり。何でかと言うと香煎100%のフォカッチャの試作を急いだからで食事などしておれるか!報告は後程・・・。

    

 しばらく丹念に個体を観察していたが産卵管は出ていない。ドブ貝には集まっているのだが産卵は無理かも・・・。